- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087471861
感想・レビュー・書評
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明治32年(1899年)、フェリス女学院に通いながら、夜は家業である俥夫(しゃふ)として、男まさりに人力車を引く「おりん」を主人公とした短編集。
「港町ヨコハマ異人館の秘密」がティーン向けだったのに対し、こちらは一般書。
「おりん」自体は正義感が強く元気で好奇心旺盛、楽しい話のはずだが、折り込まれている当時の様子、らしゃめん(洋妾)、混血児に対する反応、貧富の激しさなど辛かった。
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明治の港町ヨコハマを舞台にした連作短編です。
話の展開が唐突で、あれ?と思うところも多々ありましたが
総じて想像していたよりも面白かったです。
何より港町の明暗が丁寧に描かれており、
当時のハイカラな様子が手に取るように伝わってきます。
“ミステリ”を期待すると肩すかしを食うかもしれませんが、
文明開化に一生懸命だった日本を味わいたい!という人にはオススメです。 -
異国情緒が漂う開港期の横浜で、フェリス女学院に学びながら、家業の車屋の手伝うお転婆なおりんの活躍と恋愛を軽快な文章で綴った連作時代ミステリーです。
ミステリーの出来はそれほど高くないですが、物語を読んでいるうちに、今も残る横浜の文化財や名所の往時の様子や歴史的背景がわかるので、馴染みのある人にとっては非常に面白く読めます。
もっと読みたい作品ですが、残念ながらこの1冊で終わりのようです。