チンギス・ハーンの一族 1 草原の覇者 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2000年5月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784087471939

作品紹介・あらすじ

草原から興き中国を征し、殺戮と略奪で世界帝国を築いたモンゴル帝国。その初代ハーンのチンギスと亡国ナイマンの姫マリアとの交流をとおし、一族の興亡と喜怒哀楽を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • チンギスハーン。大帝国の元を築いた英雄。全盛期の版図はあまりにも広い。よくもまあと思うが、何でだろう?と思い本書を手に取る。モンゴルは独自の字を持たなかったらしい。そう言うところもあり、中国とかアラブなど周辺国の歴史書に出てくる情報も拾いながら物語を構築している。チンギスハーンがここまで版図を広げられたのはまだ騎馬で戦う時代であったからなのだろう。しかしどんどん平らげていく戦闘力は恐ろしい。周辺の国から人材を拾い上げていく。国の形を作るのも大変だし。中国が金や宋と言った国が盤石でなかったというのもあるのか。金は女真だし。第一巻はチンギスハーンが老いて弱っていくところで終了。

  • 壮大過ぎて浅くしか勉強しない元帝国を学ぼうと思って。あと、哀悼の意味を込めて陳舜臣さんの本を読みました。いまさら。



     うーん、まだこれか!全巻読み終わったら面白かったといえるはず。

    ______
    p17 宦官との区別
     当時の男のひげは、宦官との区別をつけるためというのが理由の一つにあった。宦官は女官の内裏に努めるために男性器を切除するので、一般男性はそういう職の物を見間違われないよう髭で男らしさを示す必要性があった。

    p35 頭領の家柄は高過ぎないほうが良い
     モンゴルの長はクリルタイで選ばれるが、家柄が高くないものが敢えて選出される。不都合なことがあれば罷免できるし、責任を丸被りさせられるから。
     もともと「ハーン」という代表格は威光のあるものではなかった。老人がやりたがらない雑用係であったが、テムジンがこのハーン号を偉大なものにした。

    p47 馬
     草原では馬が何よりも大事だった。馬泥棒は草原の秩序を乱す大罪とされ、集団同士の争いのきっかけになった。逃げた馬や盗まれた馬は首長自らが捜索に出る。それほど馬は部族の尊厳を表す大事なものだった。

    p55 文字
     テムジンは文字に対してさほど必要性を感じていなかったようである。商売の記帳に使うといっても、そんなの覚えていればいいだけと考えていた。
     昔の人は文字が無いから、きっとすごく記憶力が良かったんじゃないかな。テムジンも相当な記憶力をお持ちだったようだ。

    p61 テムジンの違い
     当時は略奪経済である。テムジンはタタールを征服し、その地の美しいカーペットの毛織物に感動した。普通この時代の人なら、「またこれを略奪したい」と考えるだろうが、テムジンは「これを作った者を手に入れたい。これを作れるようになれば、自分のばかりか取引にも使える。」と商業的観念があった。ただの乱暴者ではなく、経営者としての才覚をうかがわせる。

    p75 十字軍
     十字軍が盛んだったのはラテン世界だけであり、コンスタンティノープルのギリシア世界のキリスト教徒たちは一定の距離感があった。実際、十字軍はヴェネツィア商人の悪巧みの面もあったしな。
     十字軍に従軍するのは荒くれ者も多く、劣悪な行軍で心が廃れている者もいて、路傍の人々には印象が悪いことも。

    p107 タタ=トンガ
     チンギス=ハンがナイマンを征服した時に捕えた捕虜に、ウイグル人の政治・経済顧問であったタタ=トンガがいた。彼はテムジンに印章の価値を説き、気に入られてモンゴル語をウイグル文字で表記する方法を作った男。テムジンはモンゴル王族の子弟には文字の勉強を勧めた。

    p115 宦官の仕事
     テムジンがモンゴルを帝国の規模に拡大すれば、遊牧民には不要だった官僚システムが必要になる。後宮の女性たちを管理するのが宦官である。

    p129 シャーマン
     当時はシャーマンによる呪術が力を持っていた。テムジンもシャーマンを信仰していた、が、あくまで利用するための体面上の信仰だったようだ。

    p164 モンゴルのやり方
     降る者は殺さず、歯向かうものは惨殺である。

     これを徹底したことで、投降する者が増えた。
     あと、主君を裏切るものにも無慈悲だった。

    p270 モンゴルの構成員
     モンゴルは投降した者によってできていた。昔の中国周辺では、勝者はつねに敗者を吸収して大きくなった。そして、敗者も新たな支配下で活躍できる雰囲気があったのだ。

    p275 なるべく殺す
     対ホラズム戦では、サマルカンドを落とした際の捕虜兵士3万を全員殺した。この時、モンゴル軍は少なかった。少ない戦闘員での捕虜管理の難しさ、反乱の恐れ、これらを加味して全員殺すことにしたのかな。先に決めていたことらしい。

    p342 読み書き
     幼少期に奴隷として売られたウスタニーは、その際に読み書きを習わされた。書記係の奴隷は高級奴隷として高値で売れたので、奴隷にも教養がある者がいた。

    p358 やめる時
     テムジンは1223年に征西を終える。テムジンの顧問を務めた耶律楚材はこう進言した。「アム河で一角獣が出現したのは、戦いを止めて故郷に帰れという天命でしょう。孔子は『春秋』の最後を、西に狩りして麟を得たり、で終えています。大ハーンもここで終えるべきでしょう。」
     テムジンはこのように知識人の進言をよく聞き、利用した。「西狩獲麟」という言葉もある。

    _____

     引き込まれなかった。つまらん。

     広く浅い物語だから。

     元帝国をもっと詳しく知ろうと思ったのに、目的にはあまり合わない。でもこれくらいがちょうどいいのかもしれない。
     これを読んでみればわかるけれど、モンゴルの民には文字が無かった。だから、史料が少ないのかもしれない。でもチンギス=ハンのころからそれが変わってきたのだから、少しは残っているのだろう。

     とはいえ、中国の史料は次の王朝に書き換えられつぃまうから、元の歴史も漏れなくそうなのかな。

     とりあえず全巻読み切る。読むの自体は苦しくない。

  • 全4巻。
    チンギス・ハーンの一族による元滅亡までの歴史。

    や。
    きつかった。
    ひさびさに。

    ちゃんとした歴史小説を書かれる人だから、
    物語としての小説じゃなく
    淡々と史実を重ねていく感じ。

    で。
    それほどなじみのないモンゴルってこともあって、
    なかなか頭に入ってこない。
    それも5代もの長い時間だし。
    しかも史実を重ねるって言っても
    前後関係行ったり来たりするし、
    誰が誰やらわからん。
    自分が浅学のせいだけど。

    なんとなくな流れを把握するには良いかもだけど
    歴史好きな人じゃないときつい。
    小説読んでるってより、
    勉強してる気になる。

    ただ、
    面白かったかどうかっていうと面白く無かったけど、
    好きか嫌いかっていったらそんなに嫌いじゃない。
    つうのは著者の誠実さが見えるから。

    最初から最後まで誠実に史実を伝えようとしてる。
    それでいて小説的要素入れて読者を楽しませようともしてる。
    それが、司馬遼まで中途半端じゃなく、
    津本陽とかほど堅苦しくない。
    というか
    偉そうじゃない。
    大学教授ってより小学校の先生みたい。

    小説としてわくわく読みたいならお勧めしないけど、
    モンゴル知りたいって人が最初に読むには良いのかも。
    最後の方はかなりざっくりだけど。

    それにしても
    モンゴルって凄かったんだなあ。

  • 4087471934 419p 2000・5・25 1刷

  •  小説としてはいまいち盛り上がりに欠ける。歴史書としてどうなのかというと評価は低いだろう。戦闘の場面しかり、ジンギス・ハーン周辺の人物しかり、全てに中途半端な印象をうける。大雑把に歴史の流れを取れえるには良書なのかもしれない。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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