- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087471984
作品紹介・あらすじ
夏と花火と私の死体は乙一さんが2000年に発売されたホラー作品です。
乙一さんが16歳の時に書かれたデビュー作品でもあります。9歳の夏休みに友達に殺されてしまう主人公。死体となってしまった主人公の視点で物語が描かれている一風変わったホラー小説です。衝撃のラストも見所のひとつです。
感想・レビュー・書評
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こわっ!遠い遠い田舎の出来事、夏休みの花火大会で可愛い兄妹たちが私の死体を… #夏と花火と私の死体
■レビュー
情景描写が素敵な中編、短編の二作品がしたためられたホラーミステリーです。
●夏と花火と私の死体
怖いっ!! なんつーコワイ話なのよ。
子供たちの死に対する狂った考えが怖い!
村人たちがヒタヒタ迫りくる感じが怖い!
セピア色した真夏の田舎の情景描写が怖い!
鋭角な角度で仕掛けられた真相が怖い!
そしてなにより、本作を16歳で書いた乙一先生の才能が怖い!
あー怖かった。
本作、情景描写が美しすぎて尊いです。誰もが遠い記憶の中にある、少年少女時代の夏休み。
私も田舎に住んでいたので、子供の夏休みは、まさにこんな感じでした。朝は眠い目をこすりながらラジオ体操に出向き、ご飯を食べてから近くの神社で友達と木登り。午後からは学校のプールで遊んで、たまの夜には友達と花火大会。
こんな昔懐かしいことを思い出させてくれただけでも、この本を読んだ価値がありますね。
短めのお話なので、するっと読めるかなーと思いましたが、なかなかどうして濃厚です。こなれた文章ではありませんが、一文一文に魂がこもっているのが伝わってきました。
プロットもしっかり組み立てられており、さらに伏線もしっかり忍ばせてある。ミステリーとしても決して油断ならず、しっかり読者の期待に応えてくる。超絶バランスのとれた秀作ホラーミステリーでした。
●優子
短編でこのレベルの仕掛けをやってきますか!
結構おおくのミステリーを読んだり、いろんなコンテンツに触れてないと、ここまでは書けませんよ。
たぶん物語の切り方というか、箱庭設定がうまいんでしょうね。そして文章に無駄がなく丁寧に書ききっているから、洗練された出来になってる。間違いなく頭が良くて器用。
本作もなんといっても「夏と花火と私の死体」と同様に情景や時代背景描写やとってもお上手。読んでると頭の中でセピア色の映像になるんですよね。ホラーとしても怖さ十分で、良質な短編でした。
■推しポイント
お笑い芸人のコントや漫才を見ていると、たまに凄い角度の笑いのセンスを見せつけられることがあります。演芸の世界も才能というのは大事だなと思いをはせたりします。
凡人な私にとっては、この本を読んでて、すごく不思議な感覚だったところがありました。
夏と花火と私の死体では、なんと死体の視点で物語が語られていきます。そして優子においても同様のところがあり、読んでいてこれでいいのかしらと思ってしまうんです。
しかしそれによって、作品全体が幻想的な世界に包まれ、死の世界がすぐ近くにあるような感じがしてくる。絶妙に気味の悪い効果をもたらしているんですよね。
先生の非凡なセンスに完全に脱帽の一冊でした。 -
タイトルに惹かれて…
爽やかな文言の中に「死体」…
アリやな。
しかし、この作者、16歳の時に、この作品描いたとか!
凄いというか、何というか…
自分の16歳の時って…恥ずかし〜!
進行役は、殺されちゃった死体って、設定が良い!
死体目線って…(^^;;
この娘、殺されたわりに、殺した子に怨みとかある感じやなく、何か楽しげ♫
それも、痕跡残さんように、穴に落とされようとしてんのに…
第三者的と言えばそうやけど、殺されてんねんで〜!
もっと恨み辛みあるんとちゃうの?
藁人形級やん!
でも、終始楽しげで、最後も楽しく終わるんやけど…
死体目線の彼女にとってはであって…
私なら…
ギャー_| ̄|○-
ultraman719さん、私も本書を楽しく読みましたが、ホントに「ギャー」ですよね…
ultraman719さんのレビューのおかげでまた思...ultraman719さん、私も本書を楽しく読みましたが、ホントに「ギャー」ですよね…
ultraman719さんのレビューのおかげでまた思い出しちゃいました(-_-;)
♪か〜ごめかごめ かごの中のとりは いついつ出やる…… が頭の中を回っております。
ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ2023/11/30 -
なおなおさん
こんばんは!
そんなとこで、「かごめかごめ」しなくても!って感じですけど、何故か楽しく見えますね。
私も今、頭の中を「かごめ...なおなおさん
こんばんは!
そんなとこで、「かごめかごめ」しなくても!って感じですけど、何故か楽しく見えますね。
私も今、頭の中を「かごめかごめ」が回ってます。飲んだ帰りなのが、原因で回ってるのかもしれませんが(^◇^;)
しかし、死体目線という発想は新鮮で、凄いです。2023/11/30
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う〰️わ、わ、わ、わ!!
確かに~!!
ほんとだ! (;゜0゜)
ぴったりですわ〰️!!!!
((( ;゚Д゚)))ガクガクブル...う〰️わ、わ、わ、わ!!
確かに~!!
ほんとだ! (;゜0゜)
ぴったりですわ〰️!!!!
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
音響……など…お任せします_(..)_
2023/05/01 -
わ〜!高評価ですね✩︎⡱
この作品、まだ読めてないんです、、
これデビュー作なんですね!
感想読んだら読みたくなってしまいました〜( ˶>ᴗ...わ〜!高評価ですね✩︎⡱
この作品、まだ読めてないんです、、
これデビュー作なんですね!
感想読んだら読みたくなってしまいました〜( ˶>ᴗ<˶)2023/05/01 -
2023/05/01
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乙一の振り出しに戻る。1996年ジャンプ小説ノンフィクション大賞。
まさかの死体の擬人化(元人だから違うのかな?)ではなくて、語り部。何が気持ち悪いかって、死体が冷静で、主人公なのにモブキャラと化している。友人をこの死体にしてしまった女の子の兄が妹思いで行動力があり、これまた冷静。この斜めからのホラーを16歳で書いている乙一さんは、解説で小野不由美さんも言っているけど驚異的。
朝井リョウさんが、デビュー当時だったと思うが「瑞々しい」と褒められると、フルコース準備したのにサラダだけ褒められた様な感じと言っていて、面白い事言うな、プライド高いなと思った。でも、確かに乙一さんはデビュー当時の作品に「瑞々しい」と評価された事はないんじゃないかなぁ。ホラーというジャンルだからではなく、巧さの方に惹きつけられるから。-
2023/04/25
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2023/04/25
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そうそう。なんてこと書いてるわけじゃないんだけど、ずっと読んでいたいし、読みやすい。
あれはやっぱりセンスなのかな~。そうそう。なんてこと書いてるわけじゃないんだけど、ずっと読んでいたいし、読みやすい。
あれはやっぱりセンスなのかな~。2023/04/25
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皆さん、こんばんは。
バーなおなおのママです^^;
今日、kuma0504さんのブックリストでこちらのレビューというかコメントが紹介されま...皆さん、こんばんは。
バーなおなおのママです^^;
今日、kuma0504さんのブックリストでこちらのレビューというかコメントが紹介されました。
「乙一まつり開催」って。
皆さんが盛り上げてくださったおかげです。
今度は皆さんの"バー"に伺いますね(^^)
お休みなさい(^^)/~~~2022/10/13 -
なおなおママ、こんばんは(^^)
くまさんのブックリストに紹介されたんですか!
乙一まつり開催!!なんと素敵なネーミング
(≧∀≦) 見てみ...なおなおママ、こんばんは(^^)
くまさんのブックリストに紹介されたんですか!
乙一まつり開催!!なんと素敵なネーミング
(≧∀≦) 見てみよー!
猪木も笑ったけど、こちらのコメント欄も
楽しさが溢れてますもんね♪
もぅ、コメントぜんぶ面白かったけど
最後のひっひっふーからのまわって踊る
のらさん、ほんっと面白かったなぁ(*´∇`*)
また、バーなおなお、オープンして下さいね♪
楽しみにしてますっ!2022/10/13 -
なおなおママ、こんばんは。
kumaさんの、見てきました(◠‿◕)
嬉しいねー♪♪
“乙一まつり”
つぎは、「くちびる」...なおなおママ、こんばんは。
kumaさんの、見てきました(◠‿◕)
嬉しいねー♪♪
“乙一まつり”
つぎは、「くちびる」にいくつもり〜♪2022/10/13
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ブグ友さんたちの間で大人気の乙一さん。
デビュー作品を遅ればせながら読んでみた。夏だしね。
『夏と花火と私の死体』は、その題名も然ることながら冒頭の一行からセンスが光る。無駄の一切ない文章でギュッと濃縮された物語は、短編なのにしっかりと読みごたえがあった。
子どもの頃の、悪だくみがバレないかハラハラドキドキするあの感じ。セミの鳴き声や早朝のラジオ体操など、あの頃の夏休みがよみがえる。
死体を隠したことなんかないのに、読んでいると一緒にドキドキしたり怖くなったり懐かしくなったりしてしまうから不思議。
物語の構成も見事。あのときのあれが伏線だったのね、と納得すると同時に、最後の展開に驚愕した。完全にやられた~。
『優子』はまた別の雰囲気で、こちらもまさかの展開。そう来たか~と思った。自分が読んできたものがすべてひっくり返る瞬間っておもしろい。あとしばらくお人形が怖くてまじまじと見られないよ~。
これを16歳で書いたという乙一さん。凄すぎる…!-
水不足かもしれませんね!w
枯れそうな状態の中レビューが一冊あがってましたよ
けど、ブクログシステム障害でタイムラインにはあがってなかったで...水不足かもしれませんね!w
枯れそうな状態の中レビューが一冊あがってましたよ
けど、ブクログシステム障害でタイムラインにはあがってなかったです…
直接本棚覗いてコメントを残してきましたが…2023/08/01 -
2023/08/01
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2023/08/01
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かなり以前、中田永一さんの『くちびるに歌を』を読み、後になって乙一さんの別名義だと知りました。作風による使い分け? と思いながら、これまで乙一さん作品は未読でした。
本書が、乙一さんが1996年に16歳で執筆したデビュー作品という事実に驚き、空恐ろしさを覚えました。
表題作「夏と花火と私の死体」は、語り手が〝死体(わたし)〟! この設定と物語の完成度の高さに、思わず唸ってしまいました。まさしく、16歳が世間に知らしめた衝撃的作品でした。
善悪の判断もままならない小さな子どもの無邪気さと残虐性、死んだわたしの淡々とした語り口、予想外の驚愕の結末など、構成や情景描写の秀逸さも含めて感心するばかりです。
もう一編「優子」は、少し雰囲気が違います。情感あふれ、質素ながら趣のある筆致で、ノスタルジックな時代と情景が心に染みてくるようです。
亡き妻の幻影を人形の中に見ている男と使用人の娘。狂気に終止符を打とうと娘が行動し、またしても予想外の結末がやってきます。誰が狂っているのか? どこまでが幻覚? 真実? いろんな解釈が可能な設定こそが、筆者のねらいとするところだったのでしょうか‥。
2編ともに、若き非凡さに驚嘆させられる作品でした。乙一さん、まだ40代半ばなのですね。推理、ホラー、恋愛やライトノベルまで作風が広いということなので、もう少し他作品を読んでみたいと思いました。-
こちらにも…こんばんは~♪
本と、珈琲さん。この作品面白かったです!!
「優子」のラストは、よく分かりにくくて、怖かったです~
((( ;゚...こちらにも…こんばんは~♪
本と、珈琲さん。この作品面白かったです!!
「優子」のラストは、よく分かりにくくて、怖かったです~
((( ;゚Д゚)))
なる程です~いろんな解釈が、可能な、設定なんですね~
どこまでが幻覚??誰が狂ってる??って頭の中でグルグル(@_@)なりました〰️(笑)2023/05/02 -
ご丁寧にありがとうございます。
チーニャさん、とっても義理堅いお方ですこと!ご丁寧にありがとうございます。
チーニャさん、とっても義理堅いお方ですこと!2023/05/02
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あれ? 「優子」?
まったく覚えてない(笑)
いや~、凄いな。欠片も思い出せない( ノД`)シクシク…
よし、読み直そう。あれ? 「優子」?
まったく覚えてない(笑)
いや~、凄いな。欠片も思い出せない( ノД`)シクシク…
よし、読み直そう。2022/11/11 -
2022/11/11
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なおなおさん、緑さん?
確かに魔女っぽい!!
なんかキャラが変わるよね。
土瓶さんの持ってる本には「優子」収録されていないとか?!
んな訳...なおなおさん、緑さん?
確かに魔女っぽい!!
なんかキャラが変わるよね。
土瓶さんの持ってる本には「優子」収録されていないとか?!
んな訳ないか(;´∀`)
よし、読み直そう(笑)
「失はれる物語」
「私の頭が〜」
メモしときます_φ(・_・2022/11/11
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幼馴染の兄に担がれ運ばれる私は、木から落ちて死んでしまった。幼馴染に押されて落ちて即死したのだ。
兄は泣きじゃくる妹をなだめて冷静に死体の処理を考え、怪しまれないように隠ぺい工作する。それを淡々と解説する私。未練など微塵も感じさせない落ちつきぶりで兄妹の行動を実況している。
ありえない現象なのに蠢く本能が脳を刺激してこの設定を許容してしまいます。
兄妹は突然の出来事に常軌を逸して正常な判断能力を失い、あやかしの入り込む隙間を作ってしまったのかもしれない。そしてあやかしが倫理観を壊していく。
計画性のある犯行じゃないし事故で片付けることもできたと思うのですが、全力でもみ消そうとする4日間。
死体の私は俯瞰できてるのに対して、兄妹は俯瞰できず隠すのに必死で死体に翻弄されている様子が滑稽にみえてきました。兄は楽しんでたようですけど。
上方落語の「らくだ」のように。
思えばあれもホラーっぽい話なんですが滑稽な話に仕上がってました。
そして結末に、思考はフリーズしてしまいました。-
しじみさん、はじめまして!
フォローといいねをいつもありがとうございます。
「結末に思考が“フリーズ”した」…うまい事おっしゃる〜と思いまし...しじみさん、はじめまして!
フォローといいねをいつもありがとうございます。
「結末に思考が“フリーズ”した」…うまい事おっしゃる〜と思いました(*ºωº*)!!
私はあそこにまた○体が増えていく気がしてなりません( ;꒪⌓꒪;)2023/05/15 -
なおなおさん、こちらこそです。
コメントはいろんなところで拝見してましたのではじめましての気がしないのですが嬉しい限りです♪
カゴメカゴメ...なおなおさん、こちらこそです。
コメントはいろんなところで拝見してましたのではじめましての気がしないのですが嬉しい限りです♪
カゴメカゴメで怖すぐる_:(´ཀ`」 ∠):
2023/05/15
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著者プロフィール
乙一の作品






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「GOTH」、もうお手元にあるのですね。
やったー!akiさんのレビューを楽しみにしております(^^)
「GOTH」、もうお手元にあるのですね。
やったー!akiさんのレビューを楽しみにしております(^^)
コメントありがとうございます。
なるほどなるほど、おすすめサンクスです!
面白そうだなぁ...
コメントありがとうございます。
なるほどなるほど、おすすめサンクスです!
面白そうだなぁ、チェックしてみますね。