夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 15698
レビュー : 2023
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471984

作品紹介・あらすじ

夏と花火と私の死体は乙一さんが2000年に発売されたホラー作品です。
乙一さんが16歳の時に書かれたデビュー作品でもあります。9歳の夏休みに友達に殺されてしまう主人公。死体となってしまった主人公の視点で物語が描かれている一風変わったホラー小説です。衝撃のラストも見所のひとつです。

感想・レビュー・書評

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  • 今更読んだ、乙一さんのデビュー作。
    若干16歳で!というのは知っていたけれど、読んでみると改めてすごいなぁと思う。
    文章はこなれていないかもしれないけれど、乙一さんの世界観の原点があり。
    (淡々と紡がれる、ぞわっと不思議に気色悪い世界観…)

    表題作の「夏と花火と私の死体」
    幼馴染の兄への恋心を打ち明け、幼馴染に木から突き落とされて死んだ「私」。
    その死体をばれないように兄と妹が奔走する姿を、死んだ「私」の視点で見る。
    怯える妹と、冷静かつ大胆な行動に出る兄。
    二人の隠ぺい計画は、大人にばれずに完遂されてしまうのか…。

    乙一さんの物語は勧善懲悪ではない。
    妙な余韻と妙な救いを残し、静かに幕を閉じる。
    こんな客観的で冷静な目を、16歳の少年が持っていたのかと思うと、
    なんか話とは別に、それもそれでぞくっとするものがある。

  • 乙一さんのデビュー作。
    これはかなりやるせない気持ちになった。死体の視点から物語が語られるのは面白いが、他の登場人物(弥生、健、緑)が救いようがない酷さ。子供のくせに!早く見つけて!と思いながら読み進めたのに、結局その想いは届かず。(当たり前か…(^_^;))
    読後の気分の悪さが半端じゃない。

  • 量が少なく1日で読了。
    内容はまぁまぁ。あっと驚くような展開ではなかった。
    ちょっと期待はずれ。

  • 「死体になった私」が主人公であること、そしてその主人公がやけに淡々としていることが、すごく奇妙で違和感があり、魅力的だった。
    ただ、この表題作も収録作「優子」も、お話の決着は軽く、雰囲気を楽しむものなのかなという印象。

  • 以前The Bookという、乙一さんが書かれたジョジョの奇妙な冒険のノベライズを読みました。そのとき他の方のレビューで、夏と花火と私の死体の方がジョジョっぽい(背後にゴゴゴやドドドが見えるような雰囲気)ということが書いてあったのを見て、それは読まねば!と思いました。

    スタンドも波紋も出てこないけど(当たり前)、わたしにとってはこっちの方が紛れもなくジョジョでした!(`・ω・´) 夏と花火と私の死体はもちろん、優子も「その血の運命」ってところがまさにでした。


    (´・ω・`) ココカラネタバレアリ〼


    【夏と花火と私の死体】
    魅力的なところがたくさん詰まっていました。殺されてしまった五月ちゃんが淡々と物語を進行させるところ。健くんと弥生ちゃんが死体を隠しているのが、ギリギリのところで見つからないあのスリル。(田んぼでカミナリじいさんに見つかりそうになったところなんて、まさにゴゴゴゴゴという文字がはっきりと頭に浮かびましたw)健くんの異常なまでの冷静な判断力。緑さんは、絶対このお姉さん誘拐犯だろって思って読んでたから驚かなかったけど…健くん似の男の子ばっかり誘拐してたとわかったときにはぞくっとしました。もう登場人物はだいたいおかしい人って感じで、大好きです。16歳のときにこんなものが書けてしまうなんて。

    【優子】
    優子が本物の人間だったとわかったときには、本当に鳥肌が立ちました。旦那様の方がおかしくなっていて、人形を奥さんと思い込んで愛でているものと信じきっていたわたしは、すっかり騙されました。素敵です。

  • 初めて読んだときは衝撃を受けました。
    ネタバレかもしれませんが、主人公は死にます。しかも割と?!とても早い段階で!!
    死体目線で地の文が進み、一番最後に回収された伏線には鳥肌がたちました。
    友人に推せるNo.1です。
    貸したあと返ってこなくて4~5冊は購入してます

  • オチは読めたけれど、この文章を10代で書ける乙一さんってどんだけすごいんだ(苦笑)
    夏の風景と、死体の「私」にまつわるとくに「兄妹」の心理描写が絶妙で、とくに「兄」の性格(というよりセリフや、態度)には空恐ろしいものを感じた。
    お前いくつだよっていう……(苦笑)
    さらに「語り手」である「私」の口調が「生きている」頃から淡々としていて、なんというか人間らしくないというか(まぁ死体なんだけど)そこが一番ある意味恐かったかも。
    主人公が殺されている時点でハッピーエンドなど有り得ないのだけどこの結末は……むしろ妹のその後が気になるところ。たぶん兄はこうなるので、妹は復讐にでも走るのだろうか。それとも……?
    登場人物としては「妹」が人間臭くて好きだった。お兄さんへの切ない(……?)憧れと好意。ままならない自分の立場への憤り。

    ただ物語りが終わったあとはたぶん生きながら一番不運と不幸と絶望に恵まれる子になるだろうなとは最後に思った。そして恐らく「死体」の主人公はそんな「妹」を淡々と描写していくに違いない……そっちのほうが恐い。

  • 黒乙一はグロいと聞いていたので覚悟しながら読みました。そのせいか思ったより不気味な感じがせず、弥生に殺された五月が無邪気に語ることでグリム童話の残酷さを彷彿とさせます。内容は嫌な話だけど文章は面白いです。「優子」は江戸川乱歩の『人でなしの恋』に少し似ていますね。結末は全然違いますが、表題作より「優子」の方が好みでした。

  • ミステリーっぽいホラー。
    後味が悪いし、主要人物が皆頭のネジが外れているのでちょっと苦手だけど、話は面白い。
    でもやっぱり後味悪いって思う自分は、案外道徳的なのかな。

  • 死体目線の物語。主人公が早々に死んでしまうからか、そして動かなくなってしまってからがメインのためか、全体的に淡々としている印象です。これを高校生くらいで書いてしまう乙一さんって一体……。

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プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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