夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 2062
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471984

感想・レビュー・書評

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  • サスペンスではなくどちらかといえばホラー!死体はただいるだけ、死んだことに恨みもない。そのまま話が進むそれが違和感。変なかんじでした。とても変わっていると思います。また作者のお話を読んでみたいですね! 優子についてはよりホラーですね。

  • あまりに無邪気な殺人者、その単語に目を奪われて、ぜひ読んでみようと手に取ったものの、実際に目を奪われたのは健くんの子供らしからぬ動向だったという…。
    子供にしてはよく考えられているようで、だけど危なっかしい兄妹の隠蔽行動には毎回ヒヤヒヤ。
    オチも伏線があるので予想は出来るけれど、トータルで面白かった。
    大人が思う子供の無邪気さはここには無くて、私が感じたのは危うさでした。
    こうであって欲しいという大人の色眼鏡の向こうには、期待を裏切る子供たちの実態。
    殺人の罪深さ、良心の呵責なんてものは、まだこの年頃の子供たちには無縁なのだな。
    悪さを直隠したい、そこに、子供側の無邪気がうまく表現されていたように思います。
    罪を犯す子供は、きっとこのような感覚なのだろうね。
    それは、大人には理解できない。
    だからこそ、この作品は読み物として面白い。
    毎年花火を見るたびに、兄妹は今回のことを思い出すのかしら。
    …否。たぶんね。

  • 2編とも陰々滅々とした物語なのだが語り口によって内容の重さが軽減されている感じがした。
    やりきれない話しだが、スッキリした読後感が面白い。

    天晴れ!!

  • 怖かった、ただただ怖かった。何がこわいかというと、これを書いたのが自分と同い年のときの乙一であることだ。どうして、ここまで無邪気な残酷さを描くことが出来るのだろうか。良い作品ではあったが、おそらく二度と読まない。

  • 表紙のイラストが変わったんですね。イメージと違うのでちょっとガッカリです。漫画っぽいのはまだしも五月ちゃんの髪がなぜにキンパなんだ……。
    10代の人間が書いた作品ということを考えれば素直にすごいと思いました。同時に、こんな登場人物を生み出す人間とはお友達になれないだろうなぁとも。死体である私も含め、そろいもそろって頭のネジが落っこちてどこかへいってしまったような人間ばかりです。
    健くんの冷静っぷりの中に歪んだ冒険心みたいなものがあって、それを楽しんでいる姿にぞっとしました。緑さんと健くんのやりとりなんかは本当にもうゾワッとするくらい気持ち悪い。紅いマニキュアが嫌いになりそうです。
    でも一番気持ち悪いのは語り手である死体の私かな。
    感情らしきものが全く感じられないのです。憔悴しきった自分の母親の姿にもう少し何か感じてもいいんじゃないかなぁ、だって子供なんだもの。哀しいとかごめんなさいとか、憎いとか。それすら感じさせない死体の私が一番ゾッとしました。ある意味一番弥生ちゃんが子供らしい癒しポイントですね。
    2作品目の「優子」は、鶏が先か卵が先か、を考えている気分になりました。

  • 面白かった。短く平易でもあるので、一気に読んでしまったし
    それだけの力のある文章であったと思う。
    ただ、どうも事前に様々な評価を聞いて、期待し過ぎたらしい。

    タイトルや設定の目新しさはあり、面白いが
    ミステリー、ホラーとしての迫力は感じられなかった。
    オチも予想出来るものだったし、内容もイマイチだと思った。
    表題作より、『優子』の方がオチは綺麗だったと思う。雰囲気もあった。
    表題作は、キャラクターの魅力がどのキャラにも感じられなかったので
    特に誰に感情移入するでもなく淡々と読んでしまった。
    それが読みやすかったと言えなくもないが。

    確かに、解説で16歳の時に書いたものだと言われれば納得もしたが
    女子なら兎も角男子高校生がこれは書けない、というのには
    同意できなかった。
    友人が子供の頃に書いていた小説が素晴らしく
    何故発表しなかったのかと我がことのように悔しかった経験もあり
    それと比べても、これがそこまで絶賛されているほどの内容だろうか、
    と思ってしまった。

    小学生なのに決断力に溢れた兄や
    警察の捜査の杜撰さ。
    度々死体が見つかりそうになり
    兄妹をピンチに陥れる描写は面白いのだが
    足あとや夜中に抜け出すリスク、真夏に臭いもなにもないなど
    ご都合主義に秘されているところも多い。

    作品自体は良いものであるし、筆者も素晴らしいと思うが
    『ハリー・ポッターシリーズ』や『空の境界』を読んだときと
    同じような気持ちになってしまった。
    内容が読みやすくきっかけを与えるという意味では
    ライトノベルとしての役目を十分果たしているとは思うのだが
    読み手側が賞賛し過ぎて他の作品に手を出さない状況になるのは
    あまり歓迎できないと思ってしまう。

    繰り返すが、作品自体は16歳の子が書いたと思えば
    非常に面白く着眼点も新しい、面白いものであると思う。

  • 小学生の兄妹が、妹の同級生を殺害し、その死体を始末するのに右往左往する夏休み。

    この兄妹にとっては、スリリングな冒険なのだろうが、読み手の私は冷めた視線でいた。

    大人に気付かれそうで気付かれない。
    裏表のある人間味ない兄には、可愛らしさはない。

    従姉の緑さんの恩着せがましいセリフ。

    この作品の“登場人物”に、感情移入する余地なし。


    しかし、本文庫に収められている『優子』は良かった。
    狂人の話ですけど。

  • 知らないで読んだのですが、著者が16歳で書いたデビュー作だったのですね。
    乙一さんの本は何冊か読みましたが、デビュー作だと気が付かないくらい、
    既に乙一色でした。

    表題作は、殺されてしまった少女の視点で語られるという珍しい作品。
    死体は見つかってしまうのか否か、ハラハラしながら読み進めました。
    兄の健と緑さんは、感情が無いように見えて…と云うか、
    余りにも冷静でそれが恐ろしく思いました。
    ホラーですけど、一番怖いのは人の心なのでは?と改めて思います。
    「優子」も何処どなく情緒を感じさせながらも、
    うすら寒いような怖さがあって、此方も楽しめました。

  • とにかく怖かった。
    読んでいる最中も、読んだ後も、嫌な気分が残る感じ。
    登場人物が好きになれない。
    これは無理でした。

    でも、これがデビュー作とは・・・すごいですね。

  • 主人公死亡が、あまりにも早い。
    そして五月の死体を隠す理由が「お母さんや緑さんを悲しませたくない」という、かなり信じがたいもの。でも、これは死体を隠す兄妹がまだ小学生ということで成立している。
    広がる田園風景。老人たちのゲートボール。子供たち主催の花火大会。当時、乙一さんはこんな所に住んでたのかな?と、想像しながら読み進めた。

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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