夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 16221
レビュー : 2062
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471984

感想・レビュー・書評

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  • これが乙一さんのデビュー作なのか!!ってぐらい話が面白くて先に進めてしまいます。語り手が死んでしまった五月ちゃんなのと最後まで分からなかった緑さんの本当の正体。ちょっとびっくりでした。
    一緒に収録されていた優子も旦那さんがおかしいんじゃなかったのか!と最後に驚き!!
    本当読み進めるのがわくわくする1冊でした

  • 中田永一から入り、最近乙一作品を読み始めています。
    言わずと知れたデビュー作。

    殺された「私」が、「私」を殺した友達と、ひそかに思いを寄せていた彼女の兄に処理されている様を語っているのはなんとも言えない怖さがあります。もちろん冒頭ですでに殺されてしまっているのだから、報われることもないわけで。
    私はどちらかというと勧善懲悪を好む傾向にあるので、このラストはあまり好きではない種類ではあるものの、思わず唸ってしまいます。何よりも怖いのは人の心だと改めて気づかされる。
    狡くて救いのない、怖さ。

    もう一作の「優子」も別の種類の怖さが残る作品でした。だんだん物語の真偽が分からなくなってきて混乱します。
    静かで悲しい、怖さ。

    そんな怖い作品二作が収められている本書ですが、1番怖いのはこの作品らを、わずか16歳という若さで書いていることでしょうか。
    驚きしかありません。怖くて、他の作品がとても楽しみです。

  • 圧倒的なスリルと不思議な世界観で、量が少なかったこともあり一気に読み終えてしまいました。乙一さんの作品は別名義の中田永一さんのほうから入ったのですが、作風の違いにびっくり。不思議感は共通するところがありますが…
    おもしろかったのですが、読み終わったあとに胸焼けのような、多少不快なもやもや感の残る作品。爽やかな読み味ではないです。心に、悪い意味ではなく、消えない傷というか、溝のようなものがつきました。乙一さんマークですね。この感じはどこかで…と思ったら、伊坂幸太郎さんのモダンタイムスを詠み終えた後に似ています。
    伊坂さんや乙一さんの書くホラー系、またはグロテスクな描写は、日常から一歩踏み外したらすとん落ちるような位置にある気がして、とても強烈です。
    本のタイトルになっている「夏と花火と私の死体」の舞台は、夏の田舎の村です。それこそ日本人ならほとんどの人がさっと思いつくような、どこかのテレビドラマででてきたような夏の田舎。
    日常から一歩踏み外すと、本作のような世界がそこには広がっている。
    木登りをしていて殺されてしまった子供、押入れや乾田というとても身近に思える場所に隠された死体、そして夜の真っ暗闇を”死体を抱えて運ぶ”二人の子供…
    二つのつながっているワードに違和感を覚えますが、どれも、ひょっと見渡してみると存在していそうで、それがまた気持ちの悪さと緊張感、一体感を生むのだと思います。
    オチにも戦慄。
    もうひとつの小説「優子」、解説も含め、薄いのにとても心に残る本でした。
    乙一さんの本をどんどん読んでいきたいと思いました。

  • 作者・乙一が17歳の時のデビュー作。

    ホラー小説(?)というものを初めて読みましたが、このジャンルはどうやら自分には合わないみたいです(^_^;)

    「17歳」というのに惹かれてつい読んでしまいましたが、読み始めてから、これは失敗したなぁ、と。

    でも読み終わってみると、気持ち悪さの中の心地よさというか、何というか……、不味いけどたまに食べたくなる、みたいな感じを受けました。もちろん良い意味で(笑)

    ……しかしこれは心臓に悪い。

  • 夏と花火と私の死体。
    夏といえば花火!
    花火といえば死体!
    ・・・こんなふうにはならないけれど、この作品はそうおもわずにはいられないような必然性を持っているように思った。

    この本はなんといっても語り手が死んでいる
    という点がよく注目される。

    そう、語り手はすでに幼い理由によって殺されていて
    自分が死体であり、生きていないままならない身体をもっていることを自覚している。
    ・・・にも関わらず、たんたんとふつうの登場人物であるかのように情景を、心情を語っていく。

    この本には、「死」という概念はあまり書かれていないように思う。
    「幼さ」や「拙さ」しかなぜかつたわってこない。

    ここでいう幼さ、拙さは多分、登場するメインの3人が幼馴染とその兄妹という狭い仲にあること、
    兄への憧れともつかぬ恋心、
    お姉さん、に対する恋
    このこのこと好きかも、なんていう初恋、
    なんとも片思いな恋心が関わってくる。
    しかし、これらは本当に恋だけれど、これが真実の恋や愛憎劇というのでもない。・・・・



    乙一がこれをかいたときが16才と聞いて戦慄なう。

  • ブックオフで100円購入。
    石垣に登ろうとどーしたこーしたの部分はすっ飛ばした。なくてもいいあそこは。
    一冊丸々の物語かと思ったら二編収録されててびっくりした。
    緑ちゃんが彼らの犯行を知っていたというところから面白くなってきたぞとワクワクしたのに。
    どんでん返しでもなんでもない。

    「夏と-」の次に収録されていた「優子」の方が面白かった。
    愛する妻を亡くした悲しさのあまり、人形を妻だと思い込んで話をしている政義を救おうと清音は人形を焼くが、人形だというのが清音の妄想というあたりがなかなか。清音の狂気も垣間見える。

    書評は十二国記の小野不由美さん。「夏と-」の書評をしてらして、書評だからあたりまえだけどべた褒めで、それはないよ不由美さんって感じだった。「他の人もこう言ってた」なんてさ。これを書いたのが16歳の高校生だったからって、「16歳の割には」っていう前提があっての評価じゃいけないと思うのだ。

  • 本のタイトルに"夏"と書かれているので、読んでみた。

    まず、語り手が斬新。そして、結末も予想外でした。ただ、語り手があまり報われないのが残念です。

    個人的には優子って作品のほうが気に入ったかも。

  • 友人に薦められ読み始めた乙一の本。

    デビュー作になるが、何よりこの作品を執筆した当時16歳だったそうだ(発表は17歳)。

    半信半疑だった読書前、すっかりハマっていた読書後。

    16歳にボコボコにされたような、26歳、夏の私の思い出・・・。

  • 部屋とワイシャツと私のオマージュだと思ってました。死体からの視点って本当にぶっ飛んでるなぁ〜っと思います。普通常識から死体は考えない。私はどちらかというと「優子」のほうが好みです。こっちこそ江戸川乱歩の「人でなしの恋」のオマージュか?どっちが嘘を吐いているのか(どちらが正気なのか)最後までよく分かりませんでした。

  • 夏と花火と私の死体・優子の2作が収められている。①夏と花火と私の死体は殺された少女(五月)が殺された後もわたしとして一人称で語り続ける。わたしと、死体を隠そうとする健と弥生の兄妹の物語。独特の視点から描かれた世界感(しかも作者が16歳で書き上げた作品)は驚愕に値するも、そこに何かトリックがある訳ではない。トリックと言う観点で言えば②の優子であろう。清音は政義が妻(優子)が亡くなったショックから...だが真実は...(ネタバレにならないように)。本作以降、多くの読者を魅了する乙一の驚愕のデビュー作。

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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