スクランブル (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472165

感想・レビュー・書評

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  • 女子高で起きた殺人事件を発端にして6人の女子高生の生活を6方向から見ながら物語は進んでいく。
    面白いのは、事件が中心にあるのか、ないのか。。。

    多分、実際に身近(校内)で殺人事件が起こったとしても、直接の関係者でもなければそれを生活の中心にもってくるような人はいないだろう。
    しかも、大小さまざまな事件(出来事?)で彼女たちは精一杯なのだ。
    そういった意味ではとても現実的な目線だと思う。

    しかし、純粋にミステリを読みたい人には「何ウダウダしてんだ、さっさと事件を解決しろいっ!」とじりじりとするかも知れない。
    しかも解決するのは15年後、メンバーの一人の結婚式の場面においてだ。

    私立の女子高というのは、経験していない者にとっては未開のジャングルのように思いも付かないような雰囲気をもっている。
    その中で彼女たちが学校や友達とどう関わり、どう感じ、どう育ったか。
    とても生々しく描かれているかと思う(私も未経験なので…)


    短編集だと思って読み始めたら、6章に分かれた長編だったので、結局のところ読み通してしまった。
    事件の解決というより、彼女たちのそれぞれの個性も面白いし、正直な気持ちの変容に読み入ってしまったという感じ。

  • いろいろと主人公というか、メインキャラがいっぱい出てくるんだけども、イマイチ追いつけないというか、誰がどうだか分からん。
    お夏とマナミはキャラ被ってないか。同一人物、ではないよな。。洋子とラビもなんか被ってるし。
    ていうか読み込み甘いわ!作者の気持ちになって考えましょう、この時の飛鳥の気持ちを述べましょう、くらいに読まないとダメなんかな。
    そんなこんなで、読者のミスリードを誘うためのモブキャラばっかり気になってしまった。エンジェル様仕切ってた女の子のすごい何かある感とか、結局放置だけど、気になるー。

  • 短編集に見せかけた長編。
    少し古いと感じられるところもあるが、それが著者の味だと思う。

    真相は当然吟味されるべきもので、警察の手を逃れられたのかはイマイチ納得できない。

  • 主役の子らの会話のテンポが好き。

  • うーん。

    難しい。
    若竹七海は大好きな作家さんなのだがいかんせん非常に寡作。

    と言う訳で新しい作品を見ると、
    (といってもブックオフで見るので新作ではないんだけど)
    やもたてもたまらなくなって手に取る訳だ。

    しかし反面、ジュヴナイル作品が非常に苦手で、
    この本は若竹作品であるにも関わらず塩漬けにしており、
    久しぶりに手に取った。その間おおよそ1年以上。


    スタートは快調だった。
    女子校出身者なのでこの感触、たたん!とスムースに入ってきたし。
    いるよいるのよねぇこういうグループ。
    ワンピースとかじゃないけど、男勝りなジョシ、清楚な美少女、
    お笑い系、知性派(眼鏡率高し!!)、ちょっと影ある系などなど。わかるわぁ。

    少し古めかしい感じもそれも悪くない。
    自宅に電話ってあんた、携帯でしょうよスマホでしょうよ。
    なんて半分古くささを楽しめたから。

    そうして時を経て結婚式にて、花嫁が犯人だと言うことが明かされつつも、
    6人のメンバー達の誰がその花嫁なのかが明かされない引っぱり具合!!

    いいですね、まるで東野圭吾の名作中の名作、
    (と、あたしが勝手に決めつけている)
    「私が彼を殺した」「どちらかが彼女を殺した」ばりの
    張り切り具合で読み進んだ訳です。


    ところが。


    あのね〜、視点の変換は悪くないです。
    でも、イチイチ6名の目線で転換するし、
    あだ名と下の名前と名字が交錯するし、
    個性をしゃべり口調で分断する手法で脳味噌の別の部分が疲弊しはじめる後半。

    というか、アリバイだけで犯人が分かるんだったらもう、
    どう考えてもこの犯人、警察に捕まってるってば。



    からっとした底意地の悪い若竹節は健在なのに、
    どうにも間延びしたテンポに終始いらいら。

    そうして最後のオチがこれまた、まさかの驚天動地。
    注:あまりのくだらなさにあたしが椅子から崩れ落ちたために
    私を基軸にした天地の逆転、それだけの意味です。



    いや〜〜〜!
    1年もまってこんなの、遠距離恋愛でそれこそ僻地に行った彼をまち続けて
    貞操を守ってきたのに、戻ってきた彼が上下Gジャンで、
    ついでにGジャンの肩を変に切り裂いていたくらいにショックだったですよいや本当に。

    若竹先生、崩れ落ちてこけたあたしの膝に、心を込めて絆創膏を貼ってくれませんか。
    えぇできれば、ココロにもね。

  • 自分から見た自分と、周りから見た自分はちがうんだなあと。まあ、イヤなところも弱いところも人にあんまり見せるものじゃないからなんだろうけど。

  • 頁数の割には読むのに時間がかかっちゃいましたが、つまらなくはなかったです。最後は描写にすっかり騙されました!

  • 再読。
    すごく面白かった。以前読んだ時はそんな印象なかったし、内容も全く覚えてなかったのに。

    名門女子高で起こった殺人事件。
    連作短編のような長編で、仲良し6人組に順に焦点が当たり、毎回小ネタのような推理あり
    ミステリーというよりほろ苦い青春小説。

  • 2003年12月9日読了

  • モチーフが女子高だからか、そこまでくどくどしない感じのミステリーでした。わりとあっさりめ。

著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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