スクランブル (集英社文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472165

感想・レビュー・書評

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  • 高校時代を思い出しました。

    分かりそうでわからない犯人にやきもきしながら、読みました。
    ラストがこういう終わり方もあるんだなと考えさせられました。

    事件の真相がどうこうじゃなくて、その事件によって生じたことと(その事件を取り巻く人たちの青春)に焦点があったような気がします。

    ミステリでありながら青春小説でもあると思いました。

  • 再読。初読の時は特にいいと思わなかったけど、今読んでみると秀逸だと思った。

    これは、ミステリではあるけれど、どちらかというと青春小説ですね。犯人や謎がどうの…というのがメインではないよね。
    自分たちの世界以外にも世界はあるのを知っているくせに、それを馬鹿にして、自分たちの世界で完結させようとしてしまう彼女たち。そういう年頃なんですよねえ。良くも悪くも微妙な、ボーダーライン上にある。
    それを抜けて──15年経って、やっと真実がわかるというのは当然のことなのかもしれない。私も、今になってわかったことがたくさんあるもの──思い出したくもないが。(笑)

    ちょっと(イヤかなり)ネタバレ↓


    唯一本当の犯人がわかっていた人間というのが、初読のときは意外だったのだけど、彼女が「持ち上がり組」でああいう性格で立場だったというのも当然といえば当然なんだろうな。

    ラビは、飛鳥に向かって犯人の名を口にはしないという。
    「あたしに断罪の資格なんか、ないからさ。~中略~そいつはずっと背負っていくんだ。誰にも告げられない罪を。~中略~犯人を楽にしてやらなくちゃなんない義理なんか、あたしにはないね」
    そのとき宇佐は飛鳥が犯人だと思っていたからそういったのだと思うのだけど。もし、もし宇佐がそのとき犯人=飛鳥だと思っていなかったら、彼女はどう言っただろう?犯人をマナミや夏見、サワだと思っていたら同じ答えになったかもしれないと思うけど、他の世界の人──クラスの持ち上がり組の人が犯人だと思っていたら?教師だと思っていたら?
    彼女の口からは違う言葉が出てきたのではないか…と思う。

    あとさ、どうでもいいんだけど、最近の結婚式って仲人立てないことが多いから、大抵の人はダマされる気がする…;; 私、仲人がいる結婚しきって出たことないもん。だから、仲人がどこに位置するのか知らない……。ええ、もちろんダマされたさ!それに、金屏風に座っているのが誰なのか、最後の方までわかんないんだもんなー。もちろんそこがミソなんだけどさ。

    ↑ネタバレここまで

    夏見、宇佐、飛鳥はキャラがはっきりしてるけど、マナミ、洋子、サワは微妙ですねえ。夏見とマナミは表面的に非常に似ている気が。表面的に同じようになってしまうのはわかるんだな。なんだかんだいって微妙に似通うんだよね、特にツルんでる子同士は。だから、その分バックグラウンドを出さないとキャラ分けがはっきりしなくなってしまうのだと思う。マナミも洋子も、自宅での描写がでてきて初めて違いがわかってきたもの。これは、作者がとかいう問題ではなく、事実として、ね。逆にいえば、そういう部分までよく書けてるともいえるのかも。
    ただ、この話でこの長さ(一編が)だと、バックグラウンドを多く書くと蛇足的でだれるので仕方ないところか。

    私も女子高だったんですよねえ。ただ、県立だったし中学や大学は併設されていなかったので、「持ち上がり組」「アウター」みたいな枠はなかったけど。
    そのせいもあって、非常に共感を覚える…というより、痛い、痛いよ!まさに今自分が30歳で、結婚式場にいる彼女たちとほぼ同じ年齢で、同じ年のころを振り返って読んでいるので…あまりにも自分にハマり過ぎてて痛すぎる。思い当たることばっかりで、今振り返ると、なんて何もわかってなかったんだろうと顔から火が出ますわ(苦笑)
    彼女たちみたいに、過去を振り返って、外側から物事を見ることはできるようになったよ。でも、まだ冷静に懐かしく思い出すことはできない──良いことも悪いことも。だから、同窓会には出られないし、出たくない。
    いつか良いことも悪いことも懐かしく笑えるようになったら、同窓会に出られるかなあ。それはいつのことだろう…。
    最後、夏見と宇佐だったかな?卵の話をするでしょう。あれがとても沁みました。まだキツいね。

    ところで、『ぼくのミステリな日常』で箱根に旅行した女子高生の話が出てくるんだけど…もしかしてこの子達?『ぼくの~』が手元にないから確認できないんだけど…。文庫出てたら『ぼくの~』も買おうかなあ。

  • 女子校で同じ文芸部だったメンバーが、卒業してから15年後、その中の一人の結婚式で再び一堂に会する。15年前に起きた殺人事件の犯人は、金屏風の前にいる花嫁だということが冒頭で言われるけど、その花嫁が誰なのかは書かれない。
    章ごとに語り手が変わり、その語り手が犯人でないことが明らかになる。つまり章が進むごとに犯人が絞られていくわけだけど、推理物をそこそこ読んでいれば、「最後の一人になっても何か一波乱あるんだろうな」と言うのは分かるかな。
    面白いなーと思ったのは、章ごとにも小さな事件が起きていて、それが解決されて次の章へ進むということ。
    語り手が変わり、女子高生たちの気持ちがそれぞれに語られているのも良かった。
    高校生ってもう大人なのに、制限されたまま学校に押し込められている窮屈な感じが、それぞれの登場人物の目から描かれている。

    再会の場を卒業から「15年」としたのは、この話が書かれた当時まだ「時効」があったからと気付いたときは「なるほど」と思った。

  •  学園ミステリしかも舞台はバリバリの女子高というだけで、あんたはお呼びじゃないよと言われているようで、いささか敷居が高い。まあしかしお嬢様学校といったって内情は、というわけで主役級の夏見やマナミの言動は抱腹絶倒で楽しめる。文芸サークルの6人(夏見、マナミ、洋子、サワ、飛鳥、ラビ)が各章の主格となり、校内で起きた殺人事件をそれぞれの視点で順に推理するという趣向で、各章では付随して校内で起こるちょっとした謎とその解決もされており、日常謎解き短編プラス全体の長編推理という二重構造になっている。加えて、全体が6人のうちの誰かの結婚披露宴でのそれぞれの回想という形式になっており、冒頭に大胆にも犯人は金屏風の前にいると開示されている。しかしそれが誰かは最後までわからず、おおっとひっくり返されるという仕掛けにはうならざるを得ない。

  • 結婚披露宴の最中、女子校文芸部の仲間たちがそれぞれ回想を始めます。その内容は殺人から日常の些細なことまで様々ですが、これら全て15年前の事件が影響していることが次第に判ります。
    そして、最後に連作短編集ならではのあっと驚く仕掛けが施されています。
    登場人物があだ名や本名で呼ばれるので誰が誰だか把握するのに苦労しましたが、トリックは素晴らしいですし、女子校独特の世界観や思春期ならではの青臭さが丁寧に描かれています。青春ミステリーの傑作と言えると思います。

  • 久方ぶりのスペシャルヒット!短編連作、学園ミステリーは大好物!!恩田陸や辻村深月系列作品が好きな人はぜったいオススメ間違いなし。

  • 1995年1月。結婚披露宴会場。
    高校時代を同じ新国女子学園文芸部で過ごした私たち6名がここに顔を合わせた。エスカレーター式の学校で、高等部からの編入組《アウター》として阻害されてきた 彦坂夏見、貝原マナミ、五十嵐洋子、宇佐春美。そしてエスカレーター組でありながらも馴染めなかった 沢渡静子、飛鳥しのぶ。
    招待席で、そして金屏風の前で、彼女らはそれぞれ何故か15年前の学生時代を思い出していた。15年前に学校のシャワー室で17歳の女性の死体が発見された、それからの数ヶ月間の日々を―――。
    『スクランブル』(夏見):死体発見のざわめきの中、宇佐が盗難事件の犯人として疑われたこと。
    『ボイルド』(マナミ):クラスの中心的女生徒が文芸部員たちの目の前で階段から転がり落ちたこと。
    『サニーサイド・アップ』(洋子):スポーツ大会の最中、養護室で後輩が薬物入りお茶を飲まされたこと。
    『ココット』(静子):一緒に図書当番をしたのを最後に、同級生が私服姿でひき逃げにああって死亡したこと。
    『フライド』(飛鳥):修学旅行直前、級友達が班分けでもめている中で1人が「エンジェルさま」で妙な予言を言い出したこと。
    『オムレット』(宇佐):図書館で1冊の本が紛失し、文化祭での文芸部の展示内容が合致したことから文芸部員の中に犯人がいると疑われたこと。
    1980年、そしてエピソードとして1995年の彼女らの現在を間に挿入し1つの流れとなった連作短編集。

    連作短編というのは若竹さんのお得意技ではありますが、確かに巻末解説(佐々木譲氏)のとおりこの作品は当てはまらないかもしれませんねぇ。17歳の少女(しかも生徒ではない)の死が大きな軸として存在している以上、長編…なのかなぁ?短編として分けてしまうと少々内容が薄くなってしまう面もあるし…。
    舞台が女子高で、好奇心旺盛な女子生徒が推理しようとする、というとつい「優しい密室」(栗本薫)を思い出してしまうのですが、ちょっと雰囲気が違います。大人への反発、自尊心、不安といった学生時代のゆらぎ(…というかイタさ/苦笑)は同じなんですが、この6人の間での友情や尊敬や苛立ち…そんなものまでがとても露にされている。”毒”が強い若竹さんですが、今回は懐かしいイタさ、かな?愛すべきともいえるくらいに感じられます。…まぁ、そう思えるっていうのは私がその時期を過ぎてるからなのかもしれませんが。 真っ只中な人にはちょっと苦しいかもね;

    各章のタイトルはすべて卵の調理方法です。卵=半熟を連想しました。15年前の彼女たちになぞらえてるのかな…?それともラストにあるように『これから殻を破る』という意味合いなのかしら。
    久しぶりにもう一度、いや、何度も読みたいと思った作品です。オススメ。

  • 女子高で起きた殺人事件を発端にして6人の女子高生の生活を6方向から見ながら物語は進んでいく。
    面白いのは、事件が中心にあるのか、ないのか。。。

    多分、実際に身近(校内)で殺人事件が起こったとしても、直接の関係者でもなければそれを生活の中心にもってくるような人はいないだろう。
    しかも、大小さまざまな事件(出来事?)で彼女たちは精一杯なのだ。
    そういった意味ではとても現実的な目線だと思う。

    しかし、純粋にミステリを読みたい人には「何ウダウダしてんだ、さっさと事件を解決しろいっ!」とじりじりとするかも知れない。
    しかも解決するのは15年後、メンバーの一人の結婚式の場面においてだ。

    私立の女子高というのは、経験していない者にとっては未開のジャングルのように思いも付かないような雰囲気をもっている。
    その中で彼女たちが学校や友達とどう関わり、どう感じ、どう育ったか。
    とても生々しく描かれているかと思う(私も未経験なので…)


    短編集だと思って読み始めたら、6章に分かれた長編だったので、結局のところ読み通してしまった。
    事件の解決というより、彼女たちのそれぞれの個性も面白いし、正直な気持ちの変容に読み入ってしまったという感じ。

  • 女子高が舞台で、このような世界もあるのかと思うほど女子生徒同士の人間関係は複雑。自分にはないものを持つ他人を羨んだり、将来に不安を抱えたり、青春時代を思い起こさせる物語。

  • うーん。
    なんかわざとこういうスタイルにしているのかもしれないけど推理がなんの客観的証拠もなくてそれぞれの想像の中でだけ進んで行くってのがなんだか馴染めなかったなぁ。
    あとそれぞれの登場人物が苗字で呼んだり名前で呼んだりあだ名で呼んだりって誰が誰なのかわかりづらくて登場人物に魅力を感じられなかったし感情移入できなかったなんだか残念な作品でした。

  • ガイド本の粗筋紹介を読んで、気になっていた作品。金屏風の前に犯人がいることに気付くオープニングから、では一体それが誰なのかってのが気になって、どんどん先が読みたくなる展開。仲良し6人組の、それぞれの目線から次第に明らかになっていく真相、っていう流れも秀逸で、リーダビリティも高かったす。ただ、被害者の人物描写は一切なく、実際、被害にあったのは外部の人間なんだから仕方ないけど、哀惜の念を感じにくかったのはちょっと残念。総じて面白くて、新年一発目の読書としては及第点でした。

  • パッとしない。ミステリーというより青春群像劇か?読み終わってから数週間経ったけど動機とかオチとか覚えてない。女ってめんどくさい。

  • 80年代の匂いプンプンだったけど、けっこう楽しめた。

  • 登場人物が多すぎてなんか全員の輪郭がぼんやりしてる、、、というのが読み終わった最初の感想。色んなエピソードがあって、登場人物の特色も書いてあるんだけど、どうしてもそれぞれの顔が浮かんでこない。

    ドラマとか劇でハッキリ区別がつく状態ならこれでいいのかもしれないけど。

  • 15年前の女子校時代に起こった殺人事件と目の前で繰り広げられる結婚式。何者かになりたいのに何者にもなれず、弱気な自分を隠して仲間とつるんでいた高校時代。結婚式で久しぶりに集まった仲間に囲まれ15年前の事件の回想をする中で真犯人が突如明らかになる。今だからわかるってことはたくさんある。

  • 若竹七海の長編ミステリ、十数年振りの再読。
    30代になった6人の女性が、高校時代に起こった校内殺人を巡る出来事を回想する内容で進行して行くのですが・・・
    所謂“本格”とは少し趣が違いますが、よく出来たミステリだと思います。
    読んでて楽しい一冊・・・私的には若竹七海の作品のなかで一番だと思います!
    ・・・って、そんなに若竹女史の作品読んでませんが・・・(^_^;)

  • 文芸部員同士はアダ名で呼び合い、それ以外からは苗字で呼ばれてるので最初は誰が誰やら全く分からんかった。飛鳥(苗字)とラビ(宇佐)だけは覚えやすかった。途中からは一気に読めたので再読したらもっと楽しめると思う。

  • 短編集に見せかけた長編。
    少し古いと感じられるところもあるが、それが著者の味だと思う。

    真相は当然吟味されるべきもので、警察の手を逃れられたのかはイマイチ納得できない。

  • なんで犯人が警察から逃げ果せたのか全くわからんのですが…

  • 女子高の生徒って、こんな感じなんですかね。友達に居たら面白かったろうなぁ。

  • 主役の子らの会話のテンポが好き。

  • 高校で起きた殺人事件とそれにかかわる諸々の事件。
    果たして犯人は誰なのか?

    現在と過去とが交互に語られながら、次第に犯人の姿が明らかにされていく形。

    青春っていう感じがしてよかったなぁ。

    登場人物が多かったせいか、キャラクターを把握しきれなかったような気もする。

    紹介されている本でおもしろそうなものがあったので読んでみたいと思う。

  • 最初、登場人物の名前とキャラが一致しなかったり、先生の性別までわからなかったなんて、トシのせいだけだろうか?
    1980年の高校生。自分とイメージがダブるな。今考えてみれば、お互い辛辣なことを言い合う友だちもいたっけ。最後の学生生活だったから余計なつかしい。あの頃の自分にはこんな年のわたしなんて想像つかなかった。
    ラストがよかった。

  • うーん。

    難しい。
    若竹七海は大好きな作家さんなのだがいかんせん非常に寡作。

    と言う訳で新しい作品を見ると、
    (といってもブックオフで見るので新作ではないんだけど)
    やもたてもたまらなくなって手に取る訳だ。

    しかし反面、ジュヴナイル作品が非常に苦手で、
    この本は若竹作品であるにも関わらず塩漬けにしており、
    久しぶりに手に取った。その間おおよそ1年以上。


    スタートは快調だった。
    女子校出身者なのでこの感触、たたん!とスムースに入ってきたし。
    いるよいるのよねぇこういうグループ。
    ワンピースとかじゃないけど、男勝りなジョシ、清楚な美少女、
    お笑い系、知性派(眼鏡率高し!!)、ちょっと影ある系などなど。わかるわぁ。

    少し古めかしい感じもそれも悪くない。
    自宅に電話ってあんた、携帯でしょうよスマホでしょうよ。
    なんて半分古くささを楽しめたから。

    そうして時を経て結婚式にて、花嫁が犯人だと言うことが明かされつつも、
    6人のメンバー達の誰がその花嫁なのかが明かされない引っぱり具合!!

    いいですね、まるで東野圭吾の名作中の名作、
    (と、あたしが勝手に決めつけている)
    「私が彼を殺した」「どちらかが彼女を殺した」ばりの
    張り切り具合で読み進んだ訳です。


    ところが。


    あのね〜、視点の変換は悪くないです。
    でも、イチイチ6名の目線で転換するし、
    あだ名と下の名前と名字が交錯するし、
    個性をしゃべり口調で分断する手法で脳味噌の別の部分が疲弊しはじめる後半。

    というか、アリバイだけで犯人が分かるんだったらもう、
    どう考えてもこの犯人、警察に捕まってるってば。



    からっとした底意地の悪い若竹節は健在なのに、
    どうにも間延びしたテンポに終始いらいら。

    そうして最後のオチがこれまた、まさかの驚天動地。
    注:あまりのくだらなさにあたしが椅子から崩れ落ちたために
    私を基軸にした天地の逆転、それだけの意味です。



    いや〜〜〜!
    1年もまってこんなの、遠距離恋愛でそれこそ僻地に行った彼をまち続けて
    貞操を守ってきたのに、戻ってきた彼が上下Gジャンで、
    ついでにGジャンの肩を変に切り裂いていたくらいにショックだったですよいや本当に。

    若竹先生、崩れ落ちてこけたあたしの膝に、心を込めて絆創膏を貼ってくれませんか。
    えぇできれば、ココロにもね。

  • 青春小説であり、ミステリでもある連作短編。
    軽い感じで読めて面白いです。
    吉田秋生さんの「桜の園」を思わせるマンガチックなやり取り。女子高の描写がいいですね。

  • 自分から見た自分と、周りから見た自分はちがうんだなあと。まあ、イヤなところも弱いところも人にあんまり見せるものじゃないからなんだろうけど。

  • 4

  • げ・・・しまった・・・なんか読み飛ばして大事なところ読みきれてなかった気がする・・・最後にあるはずの感動とか納得が、「あるはず」ってのはわかったけどなかった。しくったー。
    「依頼人は死んだ」が意外に面白くて、これも$1だったから即買いだったんだけど、即読みするべきではなかったか。

    ただ、普通に推測なしで読んでも、6人の女子高生だった女が女子高生だった頃を思い出して、構内であった殺人を思い出して、一人で頑張って結果出したと思ってキリッてして失敗して馬鹿にされて笑い話っていう、そういう流れx6でも全然面白い。
    欲を言えば6人の名前とキャラがなかなか一致しなかったから、もうちょっとキャラ付けを濃くしてくれればよかったのだけれども、それを抜いても、6人もいれば読み手はどれかには共感できるのではないだろうか?
    それにプラス、「仲良し6人組」だけど「親友6人組」ではないだけあって、やっぱり誰かは誰かが苦手だったり疎ましく思っていたり、「あー、あるある」が随所に散りばめられてると思う。

    エピソードは6人それぞれに焦点を当てた6章だけど、それぞれ校内の小事件を絡めつつ殺人事件の解決を進化させつつ時間を経たせつつ、長編としても十分に面白いと思う。

    また、時間をおいて内容を忘れた頃に初心に戻って読もうと思う。

  • 中高一貫教育の私立女子高の閉鎖的な独特の価値観世界観の中で起きた殺人事件。未解決のまま15年が経ち当時者も三十路になって久しぶりに仲間の披露宴で顔を会わすことに。祝いの席なのになぜか15年前の事件当時のことばかり思い出してしまう。列席者がひとりずつモノローグを語り、当時の出来事が綴られる形式を取ってあるので文学賞の選考では短編連作と捉えられたこともあると解説にありましたが、語り手が章ごとに変わるだけで、長編小説です。高校生の自意識過剰な感じと学校という独特の閉鎖社会の描かれ方には、読みながら自分の学生時代などを思い起こして、ああ面倒だったなぁなどと思い出し、懐かしく思いつつ、無事に通り過ぎられて良かったという気持ちになりました。敵役はわかりやすかったのだけれど主人公の女子高生たちが誰が何という名前だったのか区別がつきにくく、時々遡って確認しても飲み込めず、結局中盤までやや混乱したまま読んでしまいました。最後には犯人も明らかにされ推理もされ、意外性もあるし伏線もきれいに張ってありスッキリ。でも動機が弱い(このあたりの補強で不自然で独特の女子高の世界観を作ってあるのかも)。そこを納得するくらい書き込んでしまうとそもそも15年も謎のままだったことがおかしくなるし仕方ないのかもしれません。各章に卵料理の名前をつけたり、とても丁寧に作り上げられたお話だったので、余計に動機のところの物足りなさを感じてしまいました。技巧的なミステリが好きな方に特にお薦めです。

  • 頁数の割には読むのに時間がかかっちゃいましたが、つまらなくはなかったです。最後は描写にすっかり騙されました!

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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