- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087472226
作品紹介・あらすじ
カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。
感想・レビュー・書評
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面白い。
人は何故山に登るのか!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんかのサイトで読むべき文庫のランキングにあって。古い作品ばかりのランキングだったけど、気になって読んでみた。正解だった。山を題材にした作品は濃いのが結構多い気がするけど、これもかなり濃い。グイグイひきこまれる。まだ上巻なのに
2018.1.8 -
(上下巻あわせての感想)
学生時代に持っていた”自然に対する畏怖の感情”を思い出しました。
大自然の中で、宇宙と空と自分と大地が渾然一体となっているところは圧倒されます。
渾然一体になる瞬間って、神様と一瞬触れ合っている瞬間なんだろうな、とおもいます。
そういう体験をしたであろう人の魂に魅せられてしまう感覚もわかる気がします。
そうなってしまったら、主人公のように、自分でエベレストに答えを見つけにいくしかなんだろうな。
圧倒されました。
20160229 -
マイベスト3確定の大作。一気呵成の筆力はさすが夢枕貘。
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上下巻を読んだ。男のロマン、夢、プライド、愚かさ、惨めさ、などなど心を揺り動かすすべてが詰まった作品。読後感は最高レベルに感動するものがある。たとえ低山でも登山経験があった方がより共感できる。
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下巻まで読了した感想です。
山岳小説の名作に挙げられるだけあって、とても読み応えありました。
簡潔に要約すれば、結局世界一の頂きを目指す男達の話なのですが、幾つものエピソードが重層的に構成されていてなかなかに複雑で楽しい。
また、登山における常識や道具などについて、適宜作中で解説されるので、登山未経験者でもスムーズに読み進められるのも良いです。
幾つかの謎が物語を牽引している点や、時間軸をばらして再構成する手法など、一流のミステリーのような側面を持った小説です。
それでいて、最終的には「山に登ること」の一点に物語が集約していくため、やはりこれは一流の山岳小説なのです。
この小説を読むと高所登山がなぜ恐ろしいかが分かりますが、それ以上に山に取り憑かれて生きることの怖さ(ある意味では幸福)が存分に味わえます。 -
エベレストの最初の登頂者は誰か?今でも論争になる伝説の登山家がいるらしい。その逸話だけでもおもしろい。
標高8000メートルで消息を絶ったその伝説の登山家のカメラが見つかった?
上巻は山岳小説らしさもありながら、探索のミステリー要素やネパールの旅情要素もあって読ませる。
見方を変えると、完全燃焼しきれない中年カメラマンが未練がましくヒマラヤや女性への思いを燻らせたり泥棒に合ったりする話にも思えるけど。 -
壮大なスケール感を見せつけられる。ネパールで見つけた一つの古いカメラ。そこからみえる色々な者の人生
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夢枕獏の「陰陽師」シリーズは好きだが、山岳短編集の「呼ぶ山」は好みでなかった。新田次郎の山岳小説は面白いと思ったが、「孤高の人」は魅かれる要素がなく上巻でやめた。一般評価は高いにもかかわらず。この流れから察するに、「神々の山嶺」は私の好みでない可能性が高いと思われたが、予想に反して面白い。共通して言えるのは、登山家が好きになれないということのようだ。「孤高の人」の加藤文太郎も「神々の山嶺」の羽生丈二も。だから、登山家が主人公の小説が好きではないのかも。新田次郎で面白かった山岳小説は、「剣岳<点の記>」と「八甲田山死の彷徨」であり、どちらも主人公は登山家ではない。登山家である羽生丈二は物語上重要人物ではあるものの主人公ではない。納得。わかりやすい好みだった。
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山岳小説で外せない一冊に挙げられる事が多いので読了。
映画も見たけど、映画よりは小説の方が良い。
著者プロフィール
夢枕獏の作品





