神々の山嶺 下 (集英社文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 226
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472233

感想・レビュー・書評

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  • これはしばらく余韻を引きずる事になりそう。

    まるで私も一緒にエヴェレストに登っているかの様に息苦しくなってしまいました。

    あぁ、この人たちはどうして山へ行ってしまうのだろう。

    酸素が薄い中で深町が自分自身へと問い掛けているシーン、とても生々しくて
    思わず「もう良いじゃない」と言ってしまいたくなりました。
    羽生の手記も同様に凄まじいものを見てしまったとガツンとやられました。

    作者があとがきで『書き残したことはありません』
    『全部書いた。全部吐き出した』
    と書いていますが、
    その心ちゃんと受け取りました。と伝えたい。

  • 山岳小説を読むのはほとんど初めて。

    タイトルからしてただ山に登るだけのストーリーかと思っていたが、人間ドラマが濃密に描かれた、人の生きざまを描いた作品。

    ネパールのカトマンドゥ、怪しげな古道具屋で主人公があるカメラを手にとったことで物語は動き出す。

    そのカメラは、かつてエヴェレスト登頂に挑戦して帰ってこなかったイギリスの登山家、ジョージ・マロニーのカメラと同じ型のものだった。

    そのカメラを通して、羽生という山に生きる男と出会い、主人公は羽生に惹かれていく。

    本作品の発刊後、ジョージ・マロニーは遺体で発見されたのだが、カメラは実際見つかっていない。
    マロニーはエベレストの初登頂を果たしたのかどうか。
    そのカメラのフィルムには、真実が写っていると言われている。

    上記のような史実をミステリー要素として組み込み、上下巻のボリュームでもさらさらと読めていく。
    発刊されたのは20年以上前だが、気になることは特にない。

    羽生というキャラクターは実在した日本人の登山家をモデルにしたと言われている。

    カトマンドゥの町の熱気、高山病、標高5000mより上の登山環境、ベースキャンプの様子など、緻密に描かれており、特に高山病の描写(幻覚、幻聴など)は読んでいるこちらまで苦しくなる。

    「エヴェレスト南西壁冬季無酸素単独登攀」、人類が成し遂げたことのないことへ挑戦する羽生と、それをカメラで追う主人公。

    最後に羽生が残した手記が心に刺さる。

    「ありったけのこころでおもえ。想え。」

  • 物凄い熱量を持った小説でした。手記が圧巻。想え。

  • 圧巻の一言。

  • 圧倒された。
    独白って読むのしんどいんだけど、この作品はすごく効果的だったし、山で一人で登っている感がすごく伝わってよかった。

    こう言う作品って最後が難しいと思うんだけどすごく相応しい最後だった。

    2018.1.10

  • 人が死んだ時、何の途上であったかが重要だ。心に響いた。

  • 「ヒリヒリする山」、8000メートル級の山稜が持つ意味をこれ以上に的確な表現した言葉があるだろうか。マロリーの「Because it's there.」のように、登攀者に余計な言葉は要らない。最善を尽くしても山嶺を望めない、神に愛されているか否かが支配する世界。

    「エヴェレスト南西壁冬季無酸素単独登攀」という人類未踏に挑む羽生と、山に魅せられた者として後を追う深町。一つひとつの文章が躍動的で時に息苦しい。「ヒリヒリした山」が読者に伝染する。画家がキャンパスに命を刻むように、登攀者が山に命を賭けるように、著者は魂を削って本書を描き上げた。

    トレッキング程度の登山しか嗜んだことはない私だがが深町の語る「濃い時間」を味わってみたくさせる。

  • 幻覚や幻聴、雪崩、吹雪、落石、全ての描写にやられる。読書中ずっと、死がすぐ隣にいる。読み終わって山から生還するかのような安堵。

  • 下巻も面白かった!
    クライミングシーンの緊張感に飲み込まれ、更に、幻聴幻覚のリアル感がすごすぎて、手に汗握るどころかこちらまで息が出来ない感じ。
    8000mを超える山に登るということがどういうことか、身を以てしりました。(身を以てないけど)
    こんなリアル体験ができる小説はそうそうないね。圧倒的な迫力に、もう、へとへとです。

    それと、1999年に実際にマロリーの遺体が発見された(!)ので、ストーリーを事実にあわせて変更したとのことで、単行本と文庫本にはラストシーンに違いがあるということがあとがきに書かれていました。
    で、ネットでその違いを調べようとしたらなんと、つい一か月前の日付で「2016年に神々の山嶺、映画化決定!」という記事を発見!
    びっくりしました~、運命感じちゃった。
    実際にエベレストにも行くんだよね?!羽生の役が務まる肉体派俳優ってダレだろう??
    他のキャストも含め、いろいろ楽しみです。

    (何故山に登る?との問いに)
    「そこに山があるからじゃない、ここに、おれがいるからだ」
    ・・・羽生丈二、かっこよすぎる。

  • 山の魅力、山の怖さを
    存分に堪能出来る骨太の作品。

    羽生が山に挑む姿には狂気さえ感じる。

    ネタバレしたくないから、書きたい事が書けない(笑)

    とってもボリューミーな本だけど
    山の事だけでなく、複雑に色んな話を描いているので知らなかった事が沢山!!でした。

    とにかく、迫力満点!! 力強く、また悲しいぐらいに山を愛する伝説的クライマーの生涯。

    オススメしたいですm(*_ _)m

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著者プロフィール

1951年、小田原生まれ。「上弦の月を喰べる獅子」で第10回日本SF大賞を受賞、「神々の山嶺」で第11回柴田練三郎賞を受賞。平成11年4月朝日新聞に「陰陽師(おんみょうじ)」を連載、陰陽道ブームの火付け役となる。著書に「魔獣狩り」シリーズ、「闇狩り師」シリーズなど。

「2019年 『キマイラ20 曼陀羅変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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