神々の山嶺 下 (集英社文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 227
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472233

感想・レビュー・書評

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  • すごいよ、これ!

  • 誰しもが憧れるのは羽生のような生き方だが、悩み葛藤しながらもあがき続ける深町に同年代の男として共感できた。自分も何かに対して「現役」でありたいと強く思った。

  • なんというか・・・物凄く引き込まれる。
    街の温度や匂いまで伝わってきそうな感じ。そして極限状態での男達の心理・・・鬼気迫るものが。行ったことのない場所、体験したことのない状況にも関わらず。

    一台のカメラから始まり、偶然それを手にした主人公。
    彼の目を通して描かれる孤高のクライマーの生涯・・・。
    映画化されるらしいが・・・要注目ですね。

  • 2014.07.19読了。
    今年23冊目。

    ひさしぶりの夢枕獏作品。

    面白かった!

    カトマンドゥで偶然エベレストで遭難したマロリーのカメラを見つけたところから物語が動きはじめる。
    カメラとそのフィルムを持っているであろう、羽生という男との出会い。そしてそこから彼の山屋としての人生を調べ始める深町。
    そして深町を通して私は山に生きた羽生の人生を見ることになる。

    前半はマロリーのカメラをめぐる話。
    これはこれで面白かった。
    そしてネパールという国を見てみたいと思った。

    でもやはり面白いのは後半!
    羽生のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂への挑戦。

    エベレストの恐ろしさ、厳しさ、雄大さ、そして美しさがこというほどに伝わってきた。
    夢枕獏氏は本当にそういう描写がうまい。
    自分がそこにいるような感覚になれてしまう。

    不器用な羽生の生き方、羽生の山に対する想いに胸が熱くなった。

    深町を助けたシーン、そして深町がカメラ越しに最後に捉えた羽生。

    登頂して無事戻ってきますように!と深町と一緒に祈りながら読んだ。

    そしてラストでまた感動。
    最後まで羽生という男に魅了されっぱなし。

    読み終わった後の切なさと喪失感。


    しばらくは余韻に浸ってしまいそう。

  • 上巻にも増して面白かったです。ついにエヴェレストに登り始めましたが羽生はスイスイ登りますが深町はどんどん遅れていき、高山病に掛かりながらも登っていたとこに事故が起きたシーンは忘れられません。その後の展開もドキドキし続けました。

  • 普通に生活していると、すぐそばにある死は感じない。しかし、ヒマラヤはちょっとのミスと運で命が奪われてしまう場所だ。
    この小説を読んでいるとそんな疑似体験ができる気がする。ただ、怖いことばかりではなくヒマラヤの荘厳な姿も目に見えてくるようだ。
    昔、登ったことのある北アルプスのことを思い出した。
    強いけれどさわやかな風か吹いている。
    羽生は言葉通り山になってしまった。
    多分、最後には自分を許せたのだと思いたい。

  • 下巻を読み始めて上巻を読み終えたときに大きな読み違いをしていたことに気付く。

    僕は上巻を読み終えて本作品を
    「本書はこのカメラをめぐる物語である」
    と評した。

    下巻を読み始めて早々に気付くが
    マロリーを巡るエピソードはこの作品の核をより際立たせるためのスパイスに過ぎない。

    本作品は羽生丈二という孤高の天才クライマーが
    前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑むを描いた物語である。

    読者である我々は主人公である深町誠というフィルタを通じて、
    羽生丈二という男の生い立ちを知った上でその挑戦に同伴することになる。

    そこで目の当たりにする生涯を山に費やした羽生という男の姿は
    山をのぼる意味を通じて生きている意味についての問いかけてくる。

    あとがきにある通りの「ど真ん中」な物語は果てしなく崇高で、泥臭く、そしてカッコいい。

  • ふるえるぞハート、燃えつきるほどヒート、
    刻むる血液のビート(ややパクリ)

    熱い。漢なら確実にシビれる。

    羽生、深町両者の生き様が、圧倒的な迫力で迫ってくる。
    もーね、安穏な生活してる自分に喝を入れたくなる。
    ほんでもって、読んだ後、力尽きた感じになります。

    感激して漫画も読んでみたら、原作とほとんど同じで
    これも読みごたえがあった。ラストは漫画のほうが好き。

  • 久しぶりの獏さんの作品で上下巻を合わせると結構な厚みがあるのですが、特に下巻の展開が面白く、あっという間に読み終えてしまいました。
    昔は獏さんの『キマイラシリーズ』や『我狼伝シリーズ』を読み漁った時期もあり、本人曰く「エロスとバイオレンスとオカルトの作家」との事ですか、本作品は本格山岳小説ながら描写が秀逸で思わず物語に引き込まれました。
    特にヒマラヤのエベレスト登頂を描いた圧倒的な臨場感は、作者自らがヒマラヤに登った際に高山病や幻聴を経験したのではないのかと思い、フィクションながら非常なリアリティを感じました。
    登山イコール人生(男の生き様)だなと思い、本作に登場する羽生丈二の壮絶な生き様に圧倒されました。 おすすめです!!!

  • またもやドキドキ、ハラハラしながら一気読み。
    中身が濃すぎて読み終わってからしばし呆然としてしまいました。
    主人公 羽生のモデルとなっている森田勝がそのまま動いているような錯覚に陥る。エベレストの美しさと厳しさの描写がすごくよく書かれていて、最後の羽生の登攀シーンは、手に汗にぎりつつ、胸がぎゅっとなるような切なさでした。
    漫画の方も読んでみたい。

  • 皆さんがはまるだけあって、本当に面白かったです。そこに山があるからではなく、そこに俺がいるから登るんだって…カッコよすぎ!誰もやったことがないことをやりたいという気持ちは研究にも通じます。羽生さんみたいに前のめりに研究する人が最近は少ないような…

  • ヒマラヤに行きたくなった。

  • 柴田錬三郎賞、解説:北上次郎
    グルカ◆シェルパの里◆母の首飾り◆山の狼◆氷河へ◆アイスフォール◆灰色のツルム◆真相◆頂へ◆神々の座◆山狼伝◆未踏峰

  • 神々の(上)レビューご参照

  • 複数感を平行に読破で残していた1冊。たかが半年ぶりだし、内容も濃いので余裕。

    伝説の登山家、羽生を追ってネパール入りしたカメラマン深町と元羽生のアンザイレンだった兄を登山で亡くした岸涼子。マロリーのものと思われるカメラは取り戻したが、本当の目的はカメラではなかったはずだ…。

    ということで、登ります。しかも単独登攀なので、本の真ん中辺りからはひたすら自問自答が続く。また、極限状態で思考がままならなくなるあたりも、経験がなくともわかるように描かれている。

    上巻に比べると、資料をたくさん織り交ぜると言うよりは、とにかく力技でグイグイ押すタイプの話になっているが、内容の濃さと登場人物を絞り込んだことで、長編と感じさせないスピード感があるであろう。

    Wikipediaによると、モデルとなった森田勝という人のエピソードとは相当変わっているようではあるが、これがまた別の山の話に移っていたら、こうはならなかったであろう。

    作者も「全て書ききった」と書いているが、本作の圧倒的なパワーは一読する価値があるであろう。「作家には15個の椅子があるが、今ひとつ空いている。少し前まで『新田次郎』という作家が座っていた椅子です」には笑った。

  • ヒリヒリする…
    山の中で独りという体験は何物にも代え難くクセになる。その気持ちは痛いほどわかる。

    全てが自分自身にかかってくる…そのなんとも言えない陶酔感。
    でもダメなのだ…と思う。
    帰ってこなければダメなのだと思う。

    とにかくヒリヒリしました。

  • 2018.4.1(日)¥305(-2割引き)+税。
    2018.9.4(火)。

  • 夢枕獏渾身の一作。

  • 中学生の時叔父に借りた。
    借りパクされたので買い直したくらい、気に入ってる本。

  • 面白かった

    山岳小説+ミステリー
    二人の漢の熱い物語

    いよいよ下巻です。
    下巻では羽生が人生をかけて目指していたものが明らかになります。
    「エベレスト南西壁冬季無酸素単独登頂」
    その羽生に対して、深町が同伴できるところまで上って写真をとろうとします。
    そして、いよいよ出発。
    二人の運命は?
    といった展開。

    下巻では冬山の厳しさが伝えられてきます。
    二人の登山の描写がメインの展開です。
    登山を知らないので登山道具の名称や使用技術が理解できませんが、その過酷さがひしひしと臨場感もって伝わってきます。
    さらに、その描写に圧倒されます。
    彼らの人生そのものが、山に登ること、自問自答していくことにより明らかになっていきます。
    そして、クライマックス。
    熱いものがこみ上げてきます。

    これは、すごい
    とってもお勧め

  • 上巻参照

  • 上巻に同じ

  • 40

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。

    熱いです。今回3回目の読了になりますが熱量が下がらず読めます。山岳小説の金字塔と言ってもいいのではないでしょうか。映画化の話しを聞いて一抹の寂しさを覚えました。何となく遠くなってしまうような・・・。
    マロリーのカメラの行方を軸にはしていますが、メインはあくまで羽生の単独行の激しい歯ぎしりの聞こえるような存在感であります。筆者も巻末で書いていますがこれ以上の加筆や練り込みは不必要だろうと思う位全力投球の本です。山岳小説好きであれば絶対に読んで欲しいです。

  • 最後の深町の山が感動。

  • たいへん熱い本でした。
    ただひたすらに男が山に登る話でした。
    いろんなものを捨てて山に登っていました。
    山に登るために生きているような、違うか、物語の中では、山に登るということは生きることなのだ、と語られていたような
    それくらいストイックな登山小説でした。
    登攀 が とうはん と読むのを初めて知りました。

    この羽生や深町は空想上の人物だけど、マロリーは実在の登山家。
    物語の序盤でマロリーのことをググったらまさかのこの小説のオチがかいてあるページにたどり着いて早々にネタバレでああああああああってなった経緯もあり、終着点は見えていたけどそれでも壮大で物語の展開が気になってのめりこんだ。
    面白かった!
    読んだ後しばらくは登山の世界ではーとかヒマラヤではーみたいなことを口走りがちになった笑
    深町も羽生も、正直人としてあんまりすきじゃないけど、なんだかんだでかっこいいと思った

  • 2016.11.19
    熱のこもった文章とストーリー。
    筆者の人間性まで見えた気がする。
    あまり好みではないが大作だ。
    これを映画化は無理だろ〜と
    どの程度別物になってるのか見てみたい気もする。
    ♪olafur arnolds late night tales

  • 大満足。ただの山岳小説ではないのが良い。
    もちろんエベレスト登頂を目指す本格山岳小説ではあるのだが、史上初のエベレスト登頂の証拠品のカメラの謎を追うミステリーであると同時に、物語の大半は一人の天才クライマーに魅せられた男の、壮絶なまでの自己の内面との対話だ。
    その自己の内面との対話が実にリアル。
    物語のクライマックスも、間延びすることなく一気に終息。映画みたいな出来すぎの終わり方ではあったが、そこがまたいい。
    2016/11

  • これは最高。しびれる山岳描写。羽生さんの手記は強烈なインパクト。

  • 良書だと評判であったので、読もうとは思っていたが、読むのが遅くなってしまった。
    そのうちに映画化もされてしまった。
    メディア化された作品は、図書館に行ってもほぼ貸し出し中であることが多いが、本書は文庫で上下巻揃って置いてあったので、迷わず手に取った。
    夢枕獏氏の本は『シナン』しか読んだことはないが、一気に読める言葉選びと、本の題材に対して謙虚な姿勢であり、好印象の作家だ。
    本書も一気に読んでしまった。
    感情移入をするあまり、主人公と同じ場所で涙ぐんでしまった。
    特に、羽生がエベレストに上ったことを売名行為だと後に評価した人間に対し、深町(主人公)がそれは違うと否定する場面である。
    一番好きな登場人物は、名前は失念したが元グルカ兵の男だ。もうだめだ!というときに現れ、主人公たちを助けてくれる。言うこともやることもかっこいい。

    登山小説の新たな原典(だったような)となった、と解説であったが、今度は新田次郎の登山小説も読んでみたい。

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著者プロフィール

1951年、小田原生まれ。「上弦の月を喰べる獅子」で第10回日本SF大賞を受賞、「神々の山嶺」で第11回柴田練三郎賞を受賞。平成11年4月朝日新聞に「陰陽師(おんみょうじ)」を連載、陰陽道ブームの火付け役となる。著書に「魔獣狩り」シリーズ、「闇狩り師」シリーズなど。

「2019年 『キマイラ20 曼陀羅変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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