光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • (2007)
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本棚登録 : 10524
レビュー : 1285
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472424

感想・レビュー・書評

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  • 2017/9/5

  • 常野一族の第一作目。特殊能力を持つ人々が身を隠しながらも自らの役割、生き方について考え、時に悩み、時に世界を救いながら物語は進む。第一話目の光紀の話は泣いた。彼はまだよく自分の能力を把握していないが、本能で人を助けたのだと思う。そして家族でも友人でも大切だと想う人と没交渉になってはいけない。身につまされる。中盤から要所要所で出てくるツル先生。彼は長老みたいなものか。色々な事象を確認し修正できるもの見過ごすしかないもの等水の様に対応していく。子供たちと暮らしていた山での話は切なく悔しい。全話心揺さぶられる。

  • 学生時代に読んだ筒井康隆氏のSF物を思い出した。

    東北のある地域に昔から関わりのある常野一族は、とても不思議で魔法のような力を持っていた。
    驚くべき力を持ちながら、どの人も温厚で物静かな人柄が滲み出ている。
    いつの世も、世間とは異なる人種は生きにくいものだと改めて思い知る。
    とても切なくやりきれない。

    今は各々が別々の場所に住んでいても、いつかは帰りたい場所・常野…。
    みんなが無事帰ってくることをツル先生がずっと待っていてくれる!
    今年もあの懐かしい丘の上に立っているはずだ。
    ラストの「遠回り」に泣けた。
    例え遠回りでも、いつか帰ってくるんだよ。

  • 不思議な能力を持つ「常野」と呼ばれる人々、彼らは普通の人々に埋もれてひっそりと暮らす。 私も「しまう」ことができればいいのになあ。 最後のツル先生の涙に私も泣きそうになった。

  • 穏やかで知的で権力への志向をもたずふつえの人々のなかに埋もれてひっそり暮らす人々。丁寧に選ばれた言葉で綴られた文章が美しい。

  • 本のタイトルでもある光の帝国が一番印象に残った。残酷で暗い内容だった。この話がその後の話と繋がっていくところが面白かった。
    つる先生がキーパーソン。

  • 温かさと怖さが入り混じった不思議な話だった。

  • 何年も前に手にして以来、繰り返し読んできた物語。私の初恩田陸さん本。短編集で、話の並び順も素晴らしい。幸せな話にも辛い話にも、もやのようにうっすらとした悲しさが覆う。その加減が絶妙で、常野の人たちを魅力的に見せていると思う。

  • 不思議なファンタジーでした。

    自分の能力やその意味を知っている人、能力に気づきながらコントロールできずに戸惑っている人、ようやく力に気づき始めた人…登場する常野の人たちは、このあとどうなっていくのか? 『しまう』ってなに?『裏返す』ってなに?

    爽やかなんだけれど、疑問符だらけの、なんとも言えない読後感でした。面白い。続きを読みたいです。

    そして、不思議なパワーがありそうな東北に、も一度行ってみたい気分になりました。

    遠野物語も、遅ればせながらそろそろ読むべきだろうか…。

  • ずっと気になっていたタイトル。
    『蜜蜂と遠雷』でフェアが組まれていたので、この機会にと思い、手に取る。

    いやあ、なんて濃密な短編集!
    一話一話が、しっかりしている。
    あとがきまで読んで、恩田陸の中には幾つかの話をしっかり書こうという意気込みがあったのだということがわかった。

    冒頭「大きな引き出し」は私の好きなタイプの話で。
    様々な古典をしまいこむ春田一家の不思議な力に憧れてしまう。
    そして、分かりやすい結末なのに、なんだか感極まってしまった。
    おじいちゃんの感想、反則っす。。。
    人は忘れることで正常を保ってもいる。
    春田一家のこの力は、自分に不幸をもたらしたりはしないのだろうか。

    「オセロ・ゲーム」はそれとは全然テイストが違っている。
    ハッキリと見えない敵意?のようなものを読んでいると、『Q&A』を思い出した。
    裏返すか、裏返されるか。
    この能力に一体何の意味があるのだろうと思いながら、突如として来る緊迫感。
    いや、裏返されるな、裏返されるなー!
    恩田陸の言うように、これだけで長編小説を書いてもめっちゃ面白そう。

    後半になるにつれて、前半で登場した人物が上手く絡み合ってくれる。
    常野一族の能力ばかりがクローズアップされがちだけれど、在りし日の常野にもっと触れたい。
    そして、光紀のその後も読みたい!
    ……と思わせた一冊でした。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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