光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.79
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  • (2007)
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本棚登録 : 10526
レビュー : 1285
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472424

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な力を持つ、「常野」と呼ばれる一族の不思議な話を集めた短篇集。
    年齢も性別も違う主人公達の様々な物語です。
    面白くてすぐに物語にどっぷり浸かってしまいました。
    後半になるとちょっとした繋がりが見えたりして嬉しかったり。
    「光の帝国」ではホロッときてしまいました。
    ツル先生、悲しいです。

    ひとつひとつが読み終わるたびに溜息が出てしまう、そんな話ばかり。
    暖かいのに切ない。
    でもすごく優しい。
    なんだか読み終わってしまうのが勿体なく感じてしまいました。

  • 常野物語と呼ばれるシリーズの第一作である
    この作品は、「特殊な能力を持っている一族」という
    一つのテーマの中で、多くの群像劇が繰り広げられ、
    徐々に各短編の登場人物や出来事間の関連性が
    明らかになっていく。

    過去の話もあり、能力バトルもありでなかなか
    一つの世界の中でバリエーションに富んでいる。

    あとがきで作者はこの作品に関して
    「手持ちのカードを使いまくる総力戦」と表現していたけれど、
    恩田陸の想像する世界はひとつなぎになっているほうが
    壮大さが増すので、一つのテーマ内に
    躊躇なく詰め込んでくれたほうがよい気がする。

    むしろ一話完結の話が尻切れトンボになりがちな
    恩田陸作品はいっそのことこの常野物語のように全てつなげて
    伏線としてすべての話を活用しきってしまえば良いのに。

  • 豊崎由美の『こんなに読んで、どうするの?』(ブックレビュー集。去年の暮れからちびちび読書中)でこの作品の続編『蒲公英草紙』のレビューを読んで、自分の誤解を知り(文庫を何度か見てたけど、タイトルと表紙から違う内容かと思ってて手を取らずにいたのでした)年末に購入。
    『風の十二方位』を出先で読了した為、持って行ってた本の中から(軽いので書籍じゃなく文庫を持っていってました)チョイスして読み始め、翌日の夜に読了。◎!

    東北地方にあるという「常野-とこの-」の人々は昔から特殊な能力を持っていた。
    人々の記憶や思い出、書物などを「しまう」能力や遠くの出来事を察知する「遠耳」、未来予知する能力や長寿など…。そういう人々を取り上げた短編連作集がこの本でした。
    読み進めて行く内に、「常野」という言葉は土地を指し示すものだけじゃなく、在野に散った一族一人一人を差す言葉でもあることに気付く。
    ひっそりと普通の人々の間に生きる彼等だが、時には時代に翻弄され残酷な境遇に陥ってしまう事もある。特に、タイトルにもなった『光の帝国』から『国道を降りて』までに通じるエピソードには思わず号泣してしまいました。

    ただ、これら連作集を読んでいると、どうやらこれから一つの物語へ向かって行く流れが見えて来て、個人的には「この先を読みたい…!!」と思ってしまいました。

    それとは別に拝島一家の行方も気になる…!!
    この一家の能力は前述の能力とは別モノに思えるので…うむむむ…!!

    続編の『蒲公英草紙』もすごく読みたい!あー文庫まだ出てないけど、いいや書籍でも!
    はぁ…出先で買ってくればよかったよ…。とほほ

    + + +

    ネットで調べてみたら第三作目『エンド・ゲーム』も発売済みらしい!
    …しかも、これ、前述の拝島一家の話みたい…(汗)ひえーっっ
    二冊一気に買っちゃいそうだぁーっ

    + + +

    あ!!「光の帝国」の文庫、表紙が新装されているー!!
    …こっちのほうがずっとずっとカッコいい…。。
    いいなぁ…うらやましい…(爆) 2009.01.

  • 大きな引き出し | オセロ・ゲーム | 光の帝国 | 国道を降りて…

  • 2019.9.29読了 一気読み。ひっそりとした日常に生きる常野の一族の時代と空間を超えたつながりに心が震えた。楽しいことも辛いことも表裏一体で不可分なものとして受け入れ生きている。それらが、意味のあることとして次のステージへとつながっていくことを、目をつぶらずに生きていけば感じることができるのだろうか。

  • 大好きなSFもの。短編的な話がたくさん詰まっててどこかで繋がっている感じがする。けど繋がりはそこまで明確じゃなくて、「あの時出てきたあの子ね」とは思うけど毎回新しい一面を見せられてるからそれぞれがそれぞれの人生を歩んでいる感が伝わる。『新世界より』が読みたくなる感じ。ふぁーって一気に読めたから、読めた分早く次作読みたい!

  • 私が行く中古本屋では5冊買うと20%OFFになる時があるので、買いたい本が4冊しかない時でも、100円のものを1冊足せば、4冊買うより安くなるという按配。
    勿論100円要員として良さげな本はリストアップしているのだけど、この本はそんな訳で買ってきた本で、かなり黄ばんでくたびれている。これまで何人もの人の手に渡ってきたのかもしれないな。

    東北のどこかにある"常野"という場所に住んでいた特殊な能力を持った人々の数奇な暮らしや歴史が語られるが、これがなかなか面白い。
    既に一族が離散した後、現代の世界の中でその能力とともに密やかに暮らす姿が描かれるかと思えば、昔から伝承されてきた古い民話のような趣で、かつて一族にあった穏やかではない歴史が語られる。
    変幻自在でお話し毎に一定しない語りのテイストは、読んでいて飽きず。
    でありながら、一族の物語としてうまいこと繋がっていて、最後の話はそれまでとまた趣きが異なるものの、この本の締めとこれからの更なる続きを思わせて、良い感じ。
    私としては、SFチックに絵が浮かんできた「オセロ・ゲーム」や「草取り」がお気に入り。作者があとがきに書くように、拝島暎子が夫を取り戻す話を読んでみたいかな。
    ということで、「蒲公英草紙」や「エンド・ゲーム」も100円要員に仲間入り。

  • 最初は意味が分からず、不思議な話だなーと思いながら読み進めました。
    様々な特殊能力を持つ常野の人たちの物語。表題の「光の帝国」が一番好きです。
    連作短編集で、前出の物語との関係があるお話もあり、前に戻ったりしながら楽しく読みました。

  • ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ ) *˚‧✧

  • 正月休み中に読めた本は...これ一冊。(さぼりすぎだぁ、5冊くらい読むつもりだったのに)

    なかなか良い短編集でしたね。現実生活では非科学的な物を一切認めない私ですが、不思議なお話は大好きなんですよね。特に最後の「国道を降りて」。泣けてしまいました。
    今の世の中は殺伐としていますが、繋がりを大切にしていくことは大切ですね。

    あと春田一族の『しまう』能力...すっごく欲しい。 

    書評としては★4くらいかな。
    このシリーズもあと2冊?出ている様なので年度中になんとか読みたいものです。

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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