光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.79
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  • (2005)
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本棚登録 : 10465
レビュー : 1280
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472424

感想・レビュー・書評

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  • もちろんタイトルから入ったけれど、想像とは全然違って、特別な能力を持った常野の人たちの日常の中での出来事を綴った短編集だった。
    その中でもタイトルとなっている「光の帝国」は戦中の物語で、それぞれ自然にというか自分の意思とは関係なく何かを背負っていて、それでも生きて少しずつ前に進んでいたのに、時代のせいか、その背負っているもののせいか、子どもも大人も悲しいことになってしまう。
    敵(?)も同じ人間だとは信じたくない、酷い結末。
    そして「光の帝国」というタイトルが付けられていることそれ自体が、胸に迫るものがある。
    こんな残酷さはこれまでの歴史の中でも普通にあることだったのだと感じて怖くなってしまうくらい、淡々と物語が進められていくことが恩田陸さんの特徴なのかなとも思った。
    でもその中にも確実に光があって、光は消えてしまったかのようで、でもちゃんと続いていることが最後の作品に描かれている。
    恩田陸さんの作品を読むのは『蜜蜂と遠雷』に続き2作品目。
    その最後の「国道を降りて…」の全体の雰囲気は『蜜蜂と遠雷』に通じているというかむしろその中の一部分ではないかと錯覚するほどだった。
    この物語が最後にあることで救われる。

    私はどうしてもBUCK-TICKから離れられないから、BUCK-TICKもそうなのだよね、という部分をフレーズに挙げておこうと思う。
    だから、手放せないのだ。

  • 私が1番好きな本です
    常野物語シリーズは読み応えありまくりで大好きです

  • 大好きなSFもの。短編的な話がたくさん詰まっててどこかで繋がっている感じがする。けど繋がりはそこまで明確じゃなくて、「あの時出てきたあの子ね」とは思うけど毎回新しい一面を見せられてるからそれぞれがそれぞれの人生を歩んでいる感が伝わる。『新世界より』が読みたくなる感じ。ふぁーって一気に読めたから、読めた分早く次作読みたい!

  • 私が行く中古本屋では5冊買うと20%OFFになる時があるので、買いたい本が4冊しかない時でも、100円のものを1冊足せば、4冊買うより安くなるという按配。
    勿論100円要員として良さげな本はリストアップしているのだけど、この本はそんな訳で買ってきた本で、かなり黄ばんでくたびれている。これまで何人もの人の手に渡ってきたのかもしれないな。

    東北のどこかにある"常野"という場所に住んでいた特殊な能力を持った人々の数奇な暮らしや歴史が語られるが、これがなかなか面白い。
    既に一族が離散した後、現代の世界の中でその能力とともに密やかに暮らす姿が描かれるかと思えば、昔から伝承されてきた古い民話のような趣で、かつて一族にあった穏やかではない歴史が語られる。
    変幻自在でお話し毎に一定しない語りのテイストは、読んでいて飽きず。
    でありながら、一族の物語としてうまいこと繋がっていて、最後の話はそれまでとまた趣きが異なるものの、この本の締めとこれからの更なる続きを思わせて、良い感じ。
    私としては、SFチックに絵が浮かんできた「オセロ・ゲーム」や「草取り」がお気に入り。作者があとがきに書くように、拝島暎子が夫を取り戻す話を読んでみたいかな。
    ということで、「蒲公英草紙」や「エンド・ゲーム」も100円要員に仲間入り。

  • 名前だけ聞いた事のあった常野シリーズ。
    読み始めたらとにかくら止まらない!
    ちょっと不思議な能力を持った常野の一族の短編なんだけど、色々な能力を持ってる人が出てくるのが面白いのは勿論、その人達が短編ごとにちょっとずつ他の短編でも係わってたりするのも面白い。
    ぶっ飛びすぎなファンタジー感もないので、サラサラと読めるのもまた良い。

  • 最初は意味が分からず、不思議な話だなーと思いながら読み進めました。
    様々な特殊能力を持つ常野の人たちの物語。表題の「光の帝国」が一番好きです。
    連作短編集で、前出の物語との関係があるお話もあり、前に戻ったりしながら楽しく読みました。

  • ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ ) *˚‧✧

  • 記録

  • 小説を読み終えた後に改めて『光の帝国』というタイトルを見ると、それだけで心に響く。登場人物や物語、さらには読んだ時の感動を内包していることを感じるからだ。
    本書は、常野一族をめぐる10話の連作短編集だがそれぞれにリンクしており、長編小説と捉えても良い。
    常野一族はそれぞれに特殊能力を持っている。自分にそんな能力があったらと誰もが一度は想像したことがあるだろう。だが彼らは「権力を持たず、群れず、地に溶け込んで」という主義で、私欲のために使うこともなく誇示したりもしない。登場人物はみな理知的で道徳的で優しい。本書では、能力故の苦悩や奇跡、そして出会いや別れなどが描かれている。
    私自身、彼らに関わっていきたいとそう思える作品。将来きっと何度か読み返す日が来るだろう。

  • シリーズで読むべき

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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