赤目のジャック (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473209

感想・レビュー・書評

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  • 中世最大の農民暴動「ジャックリーの乱」を独自の視点で濃密に描く、西洋歴史小説の傑作。ではあるのですが、ちょっとドギツイ。

  • 動物的とも悪魔的ともいえる粗雑にして卑猥な集団心裡。その生々しい表現の怖さに、目を背けたくなる。オビで「中世最大の蛮行」と銘打つだけのことはあるかも。

  • とっても好きな作家ですが・・・
    これは・・・




    読んでて胸糞わるくなります。

  • 「英仏百年戦争」の最中のフランスでの出来事です。
    当時のフランスがいかに疲弊しきっていたかがよく分かります。

    解雇された傭兵たちに荒らし尽くされた農民たちの怒りは至極もっともなことだと思います。略奪・放火・強姦の限りを尽くされ、領主は何も守ってくれなかった…
    ジャックが現れ、ジャックの言葉に共感、もしくは洗脳され、暴徒(狂徒)と化した農民たちが叛乱を起こす気持ちもわかります。
    でも…主人公のフレデリの葛藤ももっともなところであり、その葛藤こそが人間の本質であり、人間を人間たらしめている部分ではないのでしょうか。
    (フレデリが豹変した際の心理描写のツメが甘かったのが残念)

    どの時代においても、暴力は暴力しか生みません。
    それだけに人間の本質を描いた作品であると思いますが、もっと心理描写に頁を割いてほしかったのが本音です。

  • まだ人権も何もなかった時代。拠り所をなくした人々がいとも簡単に理性を失って残酷なことをしてしまう。平和な現代の日本にいると、全く想像もできない状況、人々の心理かもしれないが、人間には誰しもこのような状況に追い込まれてしまう弱さがあるのでは?と考えさせられた作品。
    戦争って、こんなことが日常になってしまうということ、平和を守ることは、思いやりを持つことなんだと痛感した。

  • 子供に読ませられない。

  • 十四世紀半ばの北フランス。百年戦争の果てない戦乱に蹂躙され、疲弊しきった農村に一人の男が現れた。人心を惑わす赤い目を持ったその男・ジャックに煽動された農民たちは理性を失い、領主の城館を襲撃、略奪と殺戮の饗宴に酔いしれる。燎原の火のように広がった叛乱はやがて背徳と残虐の極みに達し…。中世最大の農民暴動「ジャックリーの乱」を独自の視点で濃密に描く、西洋歴史小説の傑作。

  • 中世フランス最大の農民暴動「ジャックリーの乱」。初耳です。浅学非才申し訳ない。
    残念ながらエロ本かとつい出版社を確認してしまうような場面が大変多い。仏革命も残虐だったし、一揆で理性を失った群衆がどれだけのことができるかという描写ならいいが、それだけじゃないので辟易。デカメロンを模した構造は面白かったけれど、内容がどうも。

  • おもしろかった! 内容がアレなので万人にオススメはできないが、中世フランスを舞台にしたフィクションとして楽しめました。

    まずは目次を読んでみて、拒否反応が出なければいいんじゃなイカ?

  • まずもって、どうしてこんな不愉快な要素しかない題材を書こうと思ったのか。
    描かれるのは、衆愚の、強奪、虐待、殺戮、強姦、食人…ありとあらゆる倒錯と悪徳の熱狂。いたって普通の一般の人間達の。
    筆致は重くなく、軽快。

    妙ちきりんなSM小説を読んだなあ、という読後感。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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