プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473292

作品紹介・あらすじ

極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ-。熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家…不思議な宿につどう奇妙な人々がくりひろげる、笑いと涙のスペシャル・ツアーへようこそ。

感想・レビュー・書評

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  • H30.12.5 読了。

    ・原作を読む前にBSテレ東のドラマを観た。そのせいか仲蔵オーナーが榎本明さんで、黒田が菅田俊さんのイメージで読んでしまった。やっぱり浅田さんの任侠物は人情味あふれていて好きですね。はやく続きが読みたい。

    ・「善悪と大小は別物。」
    ・「ヤクザっていうのは、損なものですね。あんな偉い人でも、世間から評価されることはない。」

  • 会社の方からお借りしたので読んでみた。

    物凄い文章力があるし、話のてんほも良く、面白いのに進まない(^◇^;)

    これは多分自分が老眼のなり始めということもあると思うが、プツプツと途切れる話が、自分にはどうも合わないのと、小説家の先生木戸さんが、どうしても自分は受け入れられない(T-T)

    あと三冊借りてしまっている。。。
    少し憂鬱だぁ。。。

  • 昔だなぁと思った。
    暴力描写と女性蔑視。如何に愛が裏にあったとしても、今の時代感覚ではユーモアにもエンタメにもならないなと感じた。

    逆に、極道の親分の方が人としてできている。『善悪と権力の大小は別物』という言葉で、本質的な人の特質を見抜くところに痺れる。
    混乱やパニック、日常と異なる価値体系に触れることで、普段の常識を離れることができ、本質が見え、絶望を吹き飛ばし、関係を変えられるというメッセージも受け取る。

    ドタバタと、色んなものがごった煮になっていた。
    こちらも、佐藤優の紹介で、人を侮ること、侮られないとあくせくすることが描かれているとの触れ込みだったが、この巻では、そこまで感じられず。次巻以降の展開を待とうと思う。

  • 不器用だけど一生懸命生きてるんだ!みたいな登場人物の面々。少しホロッときて、でも、がんばれー!と言いたくなる。
    そして…あちらこちらに ぷぷッ が散りばめられて。

    そりゃドラマにもなりますよねー。

    パート2 秋は何がおこるのかな?

  • シリーズ作品なので、これから徐々に厚みが出て、もっと面白くなりそうな予感。
    ホテル従業員の言葉使いにくすりと微笑むところもありナイスでした。それぞれのキャラが立っている。ナイスでした。

  • 【読間】40ページ時点。
    浅田次郎が“わりと好きな作家”になってからも、
    極道もののユーモアミステリ?的な触れ込みから敬遠してきたシリーズ。

    読み始めてみたら…。
    主人公(?)の作家さん、軽~く人間のクズでやんの(笑)。語り口が軽妙なために嫌悪感こそ抱かなくて済んでるが、感情移入はできそうにもなさそう(苦笑)。

    それなのに!
    先が気になって読むのが止まらなくなる予感がするあたり、

    続刊が何冊も書かれた人気シリーズ

    たるゆえんなのかも?

    ホテルに着いた彼らに何が待ち受けているのか?楽しみ♪


    【読了】
    面白かったぁ。
    作者あとがきの通り、二泊三日で読み終えた(笑)。

    義理と人情に生きる任侠の男…木戸の親分、格好良し。(平成のヤクザに果たしてそんな侠気があるかどうかというリアリティは別として)

    一番好きなのは……、

    深夜の宴会場で以外な侠気を魅せる支配人と、「見込んだ通りの男だぜ」と彼を称える木戸の親分、 の場面。

    ★4つ、8ポイント。
    2018.02.06.古。

    人間のクズとしか思えなかった作家さん…
    なんだかんだで清子が“惚れた女”だったことと、
    不器用な愛情表現であった(らしい?)富江への言動に、
    ほんのちょっぴり、心動かされた。

    でもね…それでもやっぱり…愛情ってか、思いやる気持ちってかは、相手に分かるように伝えてこそナンボのもんだと思うんだけどな。

  • 2泊3日の奥湯元あじさいホテルの旅

    ヤクザが経営し、懲役がえりが訪れ、へんてこな従業員が不器用に世話し、まがいものの調度品で飾り立てられたこのホテルがどうしてこんな安息をもたらすのだろう

    チェックインの時、抱えていた心のわだかまりや悩みが
    チェックアウトの時には、もう一度やり直してみるか、頑張ってみるかと生きる希望に変わっている

    「来るもの拒まずの任侠。片っ端から来るもの来させておいて、収拾がつけられないじゃないか」
    というセリフが文中にあるが、まさにその通り、何でもありのドタバタ喜劇、いや喜劇というより人情劇というべきか

    主人公の木戸孝之介、今や蝶よ花よの人気売れっ子作家
    売れっ子とはいえ、義母の富江や愛人の清子への乱暴な言葉遣いや暴力に初めは辟易、いくら30年前の出版とはいえ問題じゃなかろうかと思ったが
    全て子どもの頃に母に出て行かれたコンプレックスから来ていたのか
    愛情をあんな形でしか表現できない不器用で孤独な男だったのかと納得した

    あとがきで、『木戸孝之介』という名前は、20有余年にわたって浅田さんが使われていたペンネームだということを明かされていた
    読んでいて木戸孝之介が浅田次郎とダブって見えて仕方がなかったのも著者の狙いだったのかもしれないと思った

  • 明るく描かれていましたが、
    主人公の「僕」のDV加減には少々いかがなものかと思いました。
    が、そんなこんなも含めて
    諸手を挙げで楽しませてもらいました。

    audibleは
    ナレーターの方のパフォーマンスによるところも大きいのですが
    最高でした!
    何度、吹き出したことか。。。。
    浅田先生の本は、楽しいんですね。

    「夏」に始まって「春」まで
    プリズンホテル、寄らせてもらいます。

  • 「奥湯本あじさいホテル」
    ここは任侠団体専用ホテルであり、「プリズンホテル」と呼ばれる。
    叔父が経営するこのホテルにやってきた作家・木戸孝之。
    様々な事情をかかえるホテル従業員。
    「プリズンホテル」と知らずにやって来た宿泊客。
    なかなか面白かったのですが、木戸の言動がどうにも…
    好みでないというよりも、嫌気がさすというか…
    第2弾にも木戸が登場するのか?
    手を出すかどうか、迷ってます。

  • とにかく読みやすい。
    大作って感じではないけど、てんこ盛りかつ軽快で面白い!さすが浅田次郎先生。
    それぞれが足りないところをそれぞれが補い、支い合って人の営みがまわっていくのって温かくて素敵だな。
    あじさいホテル、通称プリズンホテル。
    こんな頑張りがいのある職場で働きたいなぁ。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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