R.P.G. (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.21
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本棚登録 : 9917
感想 : 803
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473490

感想・レビュー・書評

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  • ネットの中で擬似家族を演じる父親に、憎しみを抱き殺した一美。家族の歪みが引き起こした事件に、中盤から後半にかけて怒涛の展開を繰り広げる。登場人物が多くてこんがらがるが、面白くページをめくる手が止まらなかった!

  • 「火車」以来、久々に読んだ宮部みゆきさんの作品。
    友人からの勧められて購入、読了。

    うーん、正直まあまあだったかな…
    ミステリー作品として、このくらいの驚き具合の作品はもう読み飽きたかなぁという感じ。

    「RPG」という名前も含めた、どんでん返しのプロットだけでは良作とも思えず…
    かと言って、ネット上での仮装家族という設定、人間模様だけでは面白いとも思えず…
    どっちも中途半端な作品だったかなぁという感じ。
    おそらく、作者としては前者をメインにした作品だとは思うのだけれど。

    2001年の作品としてはそこそこ新しかったのかな?
    ある程度小説を読み慣れた人には、少し物足りなさが残ると思う。

    <印象に残った言葉>
    ・ちか子は心のなかで呼びかけた。集中治療室に横たわる中本の様子は、どうしても想像ができなかったから、捜査本部の呼び出され、初めて中本に会って、彼の説を聞かされたときのことを思い出し、そのときの顔を思い浮かべた。お見事でした。(P231)

    ・彼らは本物じゃないよ。あれもお芝居だ。(P285 武上)

    <内容(「Amazon」より)>
    住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。殺人に関わりが? 虚実が交錯し、見えてきたものは…文庫書下ろしミステリー!

  • 帰省した際に本棚の奥に発見したので再読。

    内容はすっかり忘れていたものの学生時代に読んだときは、それなりに満足した作品のはずなのに今読んでみると、物足りませんでした。

    ネット上で擬似家族を演じていた4人のうち父親役を演じていた男性が殺害される。
    また、その男性のかつての不倫相手も殺される。

    テンポのよい展開は素晴らしいですが犯人は分かってしまう上、その犯人の感情の吐露を読んでも幼稚で短絡的、としか感じられませんでした。

  • ネットで簡単に他人と繋がれるからこそ、息抜きにもなるし、現実での生活をくすませる要因にもなる。
    自分が疑似家族を築くことになったら、それはそれでおもしろそうだけど、たしかに「自分の家族」がそれをやっていたとしたら。なかなか考えものだなぁ。

  • 宮部みゆきさんデビューしました☆
    主に取調室で、2つの殺人事件を解決してゆく過程が展開されてゆきます。
    この本の初版は2001年で、ネット環境もネットにいる人々もすごく進化してると感じています。この本もそのきっかけになっているのではないでしょうか。
    殺された被害者とネットユーザーの数人は、現実に存在する家族とは別に、仮想家族をつくっていました。
    犯人はさておき、この犯行はどうしたら防げたんだろうって考えたとき、ネットのそういう仮想空間が悪いんじゃない、現実を忘れたくなるような、なまぬるい、居心地の良いあやふやな「ファジー」な空間に身をおくことが危険なのだと思います。ファジーは解決方法じゃない。先延ばしにするだけで解決しない。むしろこじれていった鴻上さんの第三舞台のお芝居を思い出しました。ファジーをファジーのままにしておいちゃいけない。しっかり考え、決める意志を持たなくちゃって。それを思い出しました。大好きなお芝居を思い出すなんて渾身のすごいRPGだったからっていうのもあるのかな。現実の関係がどうしても歪んでいるとわかっているなら、自分や相手を傷つけず、離れてみるという選択肢を貫くべきです。
    この作品にでてくるステキな武上刑事「模倣犯」で、石津刑事は「クロスファイア」でそれぞれ主役だそうです。読んでみたいです。
    まとまっていないかな。またまとまったら修正します。

  • 「しまった騙された」と思ったのは登場人物だけではないはず。まさかRPGをRPGしていたとは。騙された人物の心の叫びが痛いほどわかる。そして何度も「この子は頭が良い」と描写されていて、違和感なくその叙述を受け入れていた。2回目に読むと、書いてある言葉の意味を違う意味で噛みしめたくなるだろう。しばらくしてから、また読みたい。

  • ネットにはまっているヒトに。
    現実はこわいけれど、逃げてばかりはいられない。

  • さすがに、十年前ともなるとネットも随分アナログな感じだ。
    事件に絡んでは来るが、無くてもいいのでは…と思うほどの存在でしかない。

  • ゲームのRPGではなく、現実世界でのRPGの話。
    犯人自体は比較的初期にわかったのでそこでの意外性は得られなかったが、色々な人が色々な具合に、RPGをしているのは、なかなかに凄かった。

  • 登場人物がやや多いのにがっつり関わる人が少ないので少しややこしい場面も…
    ページ数少ないのが救いかなぁ。
    久々のミステリーもあって面白かったです。ミスリードがわかりやすいので犯人の検討はなんとなくできますが、描写が独特で読み応えがありました。

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著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『理由』で直木賞を受賞。著書に『龍は眠る』『本所深川ふしぎ草紙』『火車』『蒲生邸事件』『模倣犯』他多数。

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