R.P.G. (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473490

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきさんデビューしました☆
    主に取調室で、2つの殺人事件を解決してゆく過程が展開されてゆきます。
    この本の初版は2001年で、ネット環境もネットにいる人々もすごく進化してると感じています。この本もそのきっかけになっているのではないでしょうか。
    殺された被害者とネットユーザーの数人は、現実に存在する家族とは別に、仮想家族をつくっていました。
    犯人はさておき、この犯行はどうしたら防げたんだろうって考えたとき、ネットのそういう仮想空間が悪いんじゃない、現実を忘れたくなるような、なまぬるい、居心地の良いあやふやな「ファジー」な空間に身をおくことが危険なのだと思います。ファジーは解決方法じゃない。先延ばしにするだけで解決しない。むしろこじれていった鴻上さんの第三舞台のお芝居を思い出しました。ファジーをファジーのままにしておいちゃいけない。しっかり考え、決める意志を持たなくちゃって。それを思い出しました。大好きなお芝居を思い出すなんて渾身のすごいRPGだったからっていうのもあるのかな。現実の関係がどうしても歪んでいるとわかっているなら、自分や相手を傷つけず、離れてみるという選択肢を貫くべきです。
    この作品にでてくるステキな武上刑事「模倣犯」で、石津刑事は「クロスファイア」でそれぞれ主役だそうです。読んでみたいです。
    まとまっていないかな。またまとまったら修正します。

  • 「しまった騙された」と思ったのは登場人物だけではないはず。まさかRPGをRPGしていたとは。騙された人物の心の叫びが痛いほどわかる。そして何度も「この子は頭が良い」と描写されていて、違和感なくその叙述を受け入れていた。2回目に読むと、書いてある言葉の意味を違う意味で噛みしめたくなるだろう。しばらくしてから、また読みたい。

  • ネットにはまっているヒトに。
    現実はこわいけれど、逃げてばかりはいられない。

  • 初の宮部先生作品でした。文章が読みやすく一気読みでした。途中で犯人が何となく分かってしまいましたがそれ以外の部分で楽しめました。先生の他の作品も読んでみたくなりました♪

  • 小学生の時に一度読み、今回再読。
    この作品に「R.P.G.」というタイトルをつけたのは本当に凄いと思う。
    犯人は覚えていたけど、細かい部分は完全に忘れてました。
    ちなみに初めて読んだ時は盛大に騙されました。

  • さすがに、十年前ともなるとネットも随分アナログな感じだ。
    事件に絡んでは来るが、無くてもいいのでは…と思うほどの存在でしかない。

  • ゲームのRPGではなく、現実世界でのRPGの話。
    犯人自体は比較的初期にわかったのでそこでの意外性は得られなかったが、色々な人が色々な具合に、RPGをしているのは、なかなかに凄かった。

  • 登場人物がやや多いのにがっつり関わる人が少ないので少しややこしい場面も…
    ページ数少ないのが救いかなぁ。
    久々のミステリーもあって面白かったです。ミスリードがわかりやすいので犯人の検討はなんとなくできますが、描写が独特で読み応えがありました。

  • 2021年ナツイチ
    だいぶ昔に読んでいたんですが、
    すっかり忘れていて再購入、再読しました。

    帯は、
    -------------------------
    殺人事件の被害者は、
    ネット上で
    疑似家族を作っていた。
    交錯する現実と虚構。
    衝撃のラストが待つ傑作ミステリー!
    -------------------------

    序盤は「クロスファイア」と「模倣犯」の登場人物が出てきて、これも忘れていて、誰が誰だかわかりませんでした。苦笑

    この本、初版は2001年なんですね。
    インターネットやパソコンが少しずつ浸透し始めるころ。
    ネットの掲示板やチャット内で、
    疑似家族(父、母、姉、弟)を演じて交流していたうちの一人、父親が現実世界で殺害される。
    物語の大半は取り調べ室でのやりとりです。

    疑似家族の母、姉、弟が事情聴取を受け、
    それを別室から父親の本当の娘(実子)が見る。
    父親を殺害した犯人は誰なのか。

    とても異様な光景でした。

    当時は、姉や娘と同年代だったため、
    そちらに感情移入していたと思いますが、
    今は、母親(疑似家族と現実世界の妻)に感情移入していました。

    とにかく父親が薄気味悪い。
    本当の家庭では表向きはマイホームパパ、
    裏では若い女性と浮気を繰り返し。
    現実世界の家庭がうまくいっていないからと、
    虚構の家族をインターネット上で営む。

    とにかく設定が薄いというか、
    背景や人となりが語られないため、
    その性格がまったく理解できないんです。

    なんで浮気繰り返すの?とか。
    奥さんに対してどう思っていたの?とか、
    本当の娘(一美)に対して、
    どうしてそんな行動をとったの?とか。
    死人に口なしなんですけどね。

    あなたの言動で、
    本当の家族も
    他人の人生も大きく影響を与えて壊したんだよ、と。

    渇望感、承認欲求、
    現実世界で埋まらない、満足できない部分を
    別の世界に求める、というのは
    今でもあると思います。

    そう考えると、20年以上前の本なのに、
    今でも変わらないという部分にぞっとしました。

    あとがきに、
    「ルール違反をした」と書かれていますが、
    どの部分か知っている方、
    よかったら教えてください^^;
    再度見たんですが、わからず;

    細かい部分は回収されずに終わりますし、
    色々消化不良で評価低めの方も多いと思いますが…

    私は一気読みして、気晴らしになりました!

  • 登場人物が多くって読みにくかったなぁ。本題に入るまでが長すぎて、たぶん色々と伏線もあるのだろうけどとっちらかりすぎて。ファンタジーじゃなくってミステリーの宮部みゆきさんはまどろこしかったなぁ。後半の畳み掛けが全てが明らかにならないジレンマでかなり半減。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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