天使の骨 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.63
  • (42)
  • (52)
  • (107)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 485
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473537

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お終いからの始まり。
    再読。

    王寺みちるの感傷旅行は傷だらけの天使に囲まれてはじまり、その数を少しずつ減らしながら、彼女の生きる糧を探し当てる物語。天使のような久美子と出会うためのひたむきな歩み。

  • 前作からは大分マイルドになったと感じるのは旅のせいかな。様々な出逢いを繰り返していくから連作短編集を読んでいるようにも感じる。
    前作よりも本作の方が好みです。

  • 前作『猫背の王子』を読了した時とは違う感覚が襲ってくる。『猫背の王子』の時の王寺ミチルはセクシーで芝居に生きる、かっこいい人だった。芝居を失ったミチルさんはただの人でしかない。けど、芝居という心の拠り所を失ってしまったミチルさんがまた息を吹き返した時、作品に力強さを感じた。私が好きな王寺ミチルは芝居をし、たくさんの女性をたぶらかす。そんなミチルさんが好き。

  • 人には絶対に捨てられないもの、あきらめられないものがある。登場人物はみんな孤独で強い。

  • 陳腐な言葉になってしまうが、出会いが生きる希望を取り戻させることは往々にしてあるのだと気付かされる。
    中山可穂の本には中性的で儚く、生と死の狭間にいるような、それでいて人並み外れた芸術的センスを持ち、美しくて人を惹きつける女性が出てくるが、本書のミチルは私の実在の知り合いをどうしても思い出してしまう危うさがあった。

  • 「いつかまた、どこかの劇場で」
    「劇場は、人生よりも美しい。そうだよねフランソワ?」

    前作に続いて一気に読了。

  • ミチルが随分と好感の持てる人物になっていた。
    物語もそれに合わせて、穏やか。

  • 「死ぬのはこわくない、(中略)わたしは薔薇の花がこわい、あのひとのくちびるを思い出すから」とか、めろめろにされながら読みました。この人の小説は、読むとすごく毒されます。でも、時々衝動的に読みたくなる中毒性……。

  •  旅先の人々の優しさがとてもよかった。
     迷子になった時いろんな人がわたしを目的地に辿り着かせようと懸命になってくれる、というのミチルさんの感想がとてもよい。
     破滅してそのままおわりだと思っていたミチルさんがまた芝居に戻れるのは、とても夢があるなあと思う。今ごろ戻れていたらいいな。

  • H27.6.28読了。
    今作は痛々しさが少なく、穏やかに物語が進む印象。猫背の王子の続編。
    毎回主人公が似ているからか、どの本もなんだか同じだなぁ。面白いんだけどね。

    そうか、ハンカチはこんな風に誰かの涙を拭えるように持ち歩くものなのだなぁ。

全58件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山可穂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×