- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087473582
感想・レビュー・書評
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(2015/1/3読了)
シリーズ第3弾。今作では、ホテル側の人達よりも客達の話が主になってます。その客達はカタギだけで、同時進行している話のテーマは全て、命の大切さを語っています。
偏屈な小説家の素直な顔がかなり表にでたりして、ちょっとまとめにかかっている感がありました。
あと1冊でシリーズ完結。この流れのまま行っちゃうのかな?
前2作では、本編と解説の間に作者のホテル人風の挨拶があったのだけど、今回はありませんでしたね。
ドラマ化されているらしいけど、最終巻を読み終えるまで、その情報は見ないことにしました。解説で雨宮さんも書いてますが、私もキャスティングを考えて楽しんでますので。
(内容)
阿部看護婦長、またの名を“血まみれのマリア”は心に決めた。温泉に行こう。雪に埋もれた山奥の一軒宿がいい…。大都会の野戦病院=救命救急センターをあとに、彼女がめざしたのはーなんと我らが「プリズンホテル」。真冬の温泉宿につどうのは、いずれも事情ありのお客人。天才登山家、患者を安楽死させた医師、リストラ寸前の編集者。命への慈しみに満ちた、癒しの宿に今夜も雪が降りつもる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生きることの意味と重みをズシンと感じる、この一冊。
マリアと平岡医師を隔てるものが、一番印象的でした。「生きる義務」と「死ぬ権利」が同居するのは難しいと思うけど、それでも一緒に生きるという選択肢もあっていいと思う。
解説の雨宮塔子さんも、著者に負けず劣らずのよい文章を書かれています。 -
世の中が豊かになるにつれて子供の成長は早くなったが、心の成長は、貧しい時代に育った自分達に比べて7つ8つも遅れている。ー黒田親分から花沢支配人へ
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なんというこてこてな展開なのか!しかしここまでくれば、もう言う事はないのかな、と。成長しているのかなんなのかよく分からない小説家に比べて、元ヤンキーの真っ直ぐさに惚れる。
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2014.7.14読了
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楽しく読ませてもらいました。
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感想を書くのが読むペースにのに間に合わない。
なんともしあわせな状況です。
すっぽりと冬の気配にに包まれて人気のない季節、おなじみプリズンホテルに今回やってきたのは、「血まみれのマリア」の異名をもつ看護婦長、世界的に有名な登山家、自殺を決意した中学生、患者に懇願されて安楽死を補助した医師、リストラ寸善の編集者、そして我らが偏屈小説家とまたまた一筋縄ではいかない面々である。
自分を癌だと思い込んだめんどくさい仲叔父や、あくまで愚直にホテルマンの仕事をこなす支配人も相変わらず。
雪深い静かな宿で、人々は何ものにも代えがたい経験と感動を手にしてこの地を去る。
小説家と同伴の美女 清子の複雑な関係にもついに大きな起点が訪れる。
思い切り泣いて思い切り笑える人間ドラマをどうぞ。
プリズンホテルシリーズ全4作品中、最高傑作だと思っています。
なんといっても木戸先生と清子の物語がシリーズ中クライマックスを迎えるのが本作品。
愛の言葉も知らずに生きてきた小説家は、愛してやまないたったひとりの女性にも想いを伝えられないもどかしさと葛藤しながら、ついにひとつの結論を出すのです。
併せて展開される、命を救う看護師と命の終わりに向き合う医者の背中合わせの関係の描き方もすばらしい。
生命の終わりと始まりの季節にふさわしい、強さと優しさにあふれた物語に自然と涙がこぼれます。 -
自分の気持ちを素直に伝えられない不器用さ。
いろいろな登場人物がいるから感情移入しやすいな。 -
シリーズ三作目。今回は死について色々と書かれているけど、決して暗いわけではなく、一作目・二作目に負けず劣らず面白い。残り一冊で終わってしまうのが悲しい。
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笑いと涙の傑作。3巻目、お気に入り。