オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)

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レビュー : 257
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473735

作品紹介・あらすじ

人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる-。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • そこは奥羽山脈の一角、大牛郡・牛穴村。
    人口わずか三百人という超過疎化にあえいでいる村の青年たち
    (平均年齢少々高め。笑)は、起死回生を賭けて立ち上がる──

    中でも唯一、東京の大学を出てUターンしてきている青年会会長
    米田慎一の仲間からの信頼は厚く、彼の言う"大学時代の友人がいる
    東京の代理店を雇って仕事をさせる"というアイデアに、一同希望を託します。

    そこで米田慎一は、それまで一度も村を出たことがない同級生
    富山悟(37歳・独身:"オラ東京さ行くだ"が日頃の口癖)を伴って
    大学時代の友人を訪ねるためにいざ東京へと向かうのですが.....

    過疎のあえぎに"村おこし"を図ろうと奔走する牛穴村の青年たち。
    ストーリーはこのあと、牛穴村にとっても読んでるこちら側にとっても
    予想外の意外な方向へと発展していくことになります。
    これがなかなかの冷や汗もので...!(笑)
    結末が気にならないわけがありません。

    こちら「オロロ畑でつかまえて」は
    東京に看板を掲げる倒産寸前の"ユニバーサル広告社"が主体になった
    ドタバタユーモアなお仕事小説だったのですね。
    この先に続くシリーズもあるのだとか...。

    素朴でユニークな牛穴村の青年たちの、面白おかしい場面から始まり
    始終そちらに引っ張られっぱなしだったのがことさら楽しかったせいか
    牛穴村とはもうこの先繋ってはいかないのね...と知ると
    なんだか寂しすぎる...と思ってしまったのでした。

    悟さん、いいね♪
    オロロ豆もちゃ~んと一役かってくれたし
    牛穴村に幸あれ! ^^

  • 第十回小説すばる新人賞受賞作。井上ひさし氏が選評で「文章は軽妙にしてユーモアに満ち、話は風刺の力に溢れて爽快であり、近ごろ稀な快作である」と絶賛しただけあって、ドタバタのユーモア小説で、ほんとうに気持ちよく笑えました。

    タイトルが「オロロ畑でつかまえて」なので、何を捕まえるの?ってずっと気になりながらも、別の線で話が進見続けるので、あれ?と思っていましたが、タイトルからして伏線だったんですね。
    途中にも伏線はられてたのに、気がつかず。
    最後に、おっきな夢と希望を見させてもらえ、やられた!うまいなぁと思いました。

    萩原浩さん、いいなぁ。
    ユーモア小説の二冊目「なかよし小鳩組」と軽ハードボイルド「ハード・ボイルド・エッグ」に、サイコ・ミステリ&警察小説の「噂」も読んでみたいな。

    P119
    思い出してください。自分以外に誰かが、この世に存在することだけで、かけがえのない喜びを感じていた日のことを。

  • この本のタイトルを見ると思い出してしまったのが
    「ライ麦畑でつかまえて」だったので
    もしかしたらこの作品と似ているのかと思ってしまいました。
    「ライ麦畑でつかまえて」は読んだことが無いですが、
    青春小説に対してこちらはユーモア小説だったので
    全然違うタイプでした。

    荻原さんの作品が好きで何冊か読んでいますが、
    この作品がデビュー作となりますが
    古臭さの雰囲気は微塵も感じることがなく、
    過疎化と高齢化社会を上手く混ぜて村おこしを
    ユーモラスに描いているストーリーでした。

    村人達の個性がかなり強いと思いますが、
    これにも負けず手を組んだ広告会社の社員達も
    個性の強い人達が多いので、この人達の行動、会話だけを
    読んでいるだけでもくすりと笑えてしまいます。

    せっかくの村おこしも成功するかと思いきや、
    実在しない物をPRに使ったことによって四苦八苦してしまうのは
    残念なこどですが、目に見えてダメだと分かって
    実行してしまったことが
    またユーモアがあって面白いです。
    けれどこの村おこしをしたことによって、
    最終的には村の良い所がより分かり、その後もそれぞれに良い道が
    開けたのでサクセスストーリーとまではいかないですが
    結果オーライだったように思えました。

    奥羽山脈の麓にある秘境という設定で独特な方言と訛り、
    そしてヘラチョンペ、オロロ豆という特産物。
    舞台設定と思いつつも特異的な名前にも
    荻原さんの得意とするユーモラスが散りばめられていて
    これが原点なのだと感じました。

    少し独特な訛りなどの所は読みにくい部分がありましたが、
    とにかく頭を空っぽにして楽しみたい時に読むには
    お勧めな作品だと思います。

  •  超過疎化にあえぐ牛穴村のある日の青年会。そこで慎一が提案したのは、広告代理店を利用しての村おこしだった。慎一はかつて通っていた大学の友人が勤める、東京の広告代理店へ向かうのだが……。

     荻原さんはデビュー作から荻原さんらしかったんだなあ、と思いました。出てくる登場人物たちそれぞれに、味や特徴があって個性的なのですが、それでいて語り口は、三人称の観察するような文体なので、まるで自分が喜劇やコントを見ているかのように思えます。

     それでいて、笑わせるポイントが狙いに来てる感じがしないのもすごいと思います。普通なら文章をオーバーにして、笑わせようとするところも、あくまで登場人物たちの自然な言動で笑いを誘ってくるのが、荻原さんのユーモアの魅力ではないでしょうか。

     小説の展開としては、もうちょっと書き込みがほしかったように思います。デビュー作ということで、枚数指定があったのかもしれないですが、話の展開が早く、全体的にちょっとあらすじっぽくなっているような気がしました。

     あるいは、今の荻原さんがこの小説を加筆・修正したら、またものすごい作品になるかもしれないですね。

     第10回小説すばる新人賞

  • H29.3.19 読了。

  • あらすじ
    人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる-。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。

  • 村おこしのために村人と広告代理店の人達がてんやわんやとするお話。肩の力を抜いて読める一冊。

  • 最初はちょっとオロロな感もありましたが、最後、カメラマンの写真のくだりでグッときました。

  • オロロ豆食べたい。
    マリアンさんが素敵。
    庭にないものはない。
    欲張るな。
    背伸びをしたら疲れる。

    更にひと言でまとめると、「今あるものを見つめ直そう」と言う気持ちになりました。

    今、手元にあるもの。
    すぐそばにある存在。
    それらが大事なんだな、と。

    背伸びをするのも悪いことではないけど、背伸びって疲れちゃいますよね。

    等身大の自分でいることって大事。

    そういう気持ちにさせてくれました。

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著者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。『砂の王国』『花のさくら通り』『ストロベリーライフ』『海馬の尻尾』『極小農園日記』など著作多数。

「2018年 『それでも空は青い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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