月曜日の水玉模様 (集英社文庫(日本))

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  • 集英社 (2001年10月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784087473742

作品紹介・あらすじ

一般職OL兼名探偵・陶子さんの周りで起こる、不思議な“事件"の数々。月曜から日曜まで、丸の内の一週間は謎だらけ。爽やかでちょっとほろにがい、お仕事ミステリの傑作。(解説・西澤保彦)

みんなの感想まとめ

日常の中で起こる小さな事件を描いた短編集で、主人公の陶子が鋭い観察力を駆使して謎を解決していく様子が魅力的です。月曜日から始まる一週間を通じて、彼女と調査員の萩のコンビが織りなすストーリーは、軽快であ...

感想・レビュー・書評

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  • 『毎日、毎日、乗り降りを繰り返す通勤電車の中で出会う、数百、数千の人達。彼らの一人一人はいったいどういう暮らしをし、何を考え、どこへ向かっているのだろう?』

    このレビューを読んでくださっている方の多くは毎日の通勤・通学に電車を利用されているのではないかと思います。もちろん、お住まいの地域によってもその事情は異なるとは思いますが、その時間を”痛勤”と捉えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか?そんな”痛勤”で、あなたの”あるある”を当ててみましょうか?

    『毎朝乗る電車も車両もおおよそは決まってくる。すると当然、乗客にもなんとなくお馴染みの顔ぶれが出てきたりする』。

    どうでしょう?人の習慣というのは恐ろしいものです。しかし、そんな風に”お馴染みの顔ぶれ”になってもお互いが挨拶をすることはありません。それはある意味当然です。たまたま同じ時間、同じ電車の同じ位置に乗り合わせている他人同士だからです。でも、そんな他人も毎日見ていると思った以上に意識するものです。『何を考え、どこへ向かっているのだろう?』ということは分からずとも、どんな傾向の服を着ているというようなことが自然と印象付いてきて、普段と異なる身なりだと、あれ、今日はどうしたんだろう?と気になってもしまいます。

    さて、ここにそんな他人のことがとても気になる一人のOLがいます。『観察が細かい』という、そのOL。この作品は、そんなOLが、通勤電車で毎朝見かける〈彼〉について『見たところ、彼が所有する背広は現在三着』、『ネクタイの推定保有数は全部で五本』と意識していく物語。そんな〈彼〉の『鮮やかなイエローの地に黒の水玉』模様というお決まりの『月曜日』のコーディネートを意識するその先に、身近なミステリーを解決していく一人のOLの姿を見る物語です。

    『窓の外にはぼんやりとはっきりしない曇り空が見える。朝っぱらからうっとうしいことこの上ない』と不機嫌なのは主人公の片桐陶子。その原因は『目の前で、一人の若い男が気持ち良さそうにすうすう寝入っている』ことにありました。『ほんの何日か前までは…彼のことがこの上なく愛しく思えていた』という陶子は、『ただただ小憎らしいばかりの存在と化し』たその男を見ます。『陶子が〈彼〉の存在に気づいたのは、半年ばかり前のこと』でした。『毎朝乗る電車も車両もおおよそは決まってくる』中で『いつも同じ車両の同じ席で、この上なく幸せそうに眠りこけている』その男を意識する陶子。『彼が所有する背広は現在三着』、『ネクタイの推定保有数は全部で五本』と、男の身なりを頭で整理する陶子は特にネクタイについて『多くは無難な色と柄なのだが、中に鮮やかなイエローの地に黒の水玉などという、かなり目立つ代物もある』と思います。そんな陶子は『毎週月曜日のぼんやりした頭で…ふと視線を落とすと目の前に派手な黄色の地』を目にし、『そこに散る、規則正しい黒の点々』を見て『何だか以前にもそういうことがあったような』と思い『それが〈月曜日専用〉であることに気づ』きました。しかしそれよりももっと大切なことにも気づく陶子。『彼は決まって登戸駅で下車する』、『つまりは彼の真正面に立ちさえすれば、登戸から代々木上原までの約十五分間、柔らかなシートにゆったりと腰を落ち着けることができる』という『大変な発見』に喜ぶ陶子。『二日に一度、あるいは三日に一度くらいの割合で、陶子は〈彼〉の恩恵に浴するように』なり、男のことを『愛しの君』と思うようになりました。しかし、『ある日を境に、状況が一変し』ます。登戸に到着するも『まるで目覚める気配がない』ある日の男は結局、『代々木上原に着いてしま』いました。『知ぃらないっと』と思い電車を降りた陶子は千代田線の行列に並びます。すると『あのう…』といきなり声をかけられた陶子。それがあの男であったことに驚きます。『少々お聞きしたいんですが、こっちの列は何なんでしょう?』と訊く男に『この時間は始発が二本続けて来る…』と行列が分かれることを説明する陶子。『なるほど、なるほど』と頭を下げた男を見て『今日だけなんでしょうね、千代田線に乗るのは』と心の中で思う陶子。しかし『結論から言えば、陶子は翌日も翌々日も、少しばかり不機嫌な朝を迎える羽目にな』ったという結果論。すっかり『〈愛しの君〉から〈卑劣な裏切り者〉へと転落を遂げた』男。そして、陶子は職場で起こった『ビル荒らし』事件をきっかけに、そんな男とまさかの再会を果たします。そして…と展開するこの短編〈月曜日の水玉模様〉。シリーズ化もされていくこの作品の主人公・片桐陶子、そして憎めない相棒のように彼女の周囲に出没する萩広海(はぎ ひろみ)の出会いを通勤電車の”あるある”にも絡めてサクッと描いた好編でした。

    「小説すばる」に、1995年4月から1998年7月に渡って連載された7つの短編をまとめたこの作品。“陶子シリーズ”として、加納さんの代表作の一つともなっています。そんな7つの短編の主人公の片桐陶子は丸の内に勤めるOLという設定であり、そんな彼女の身の回りに起こる身近なミステリーをサクッと解決していくというのが基本的なストーリー展開です。OLが主人公ということで当然に舞台は会社のオフィスということになりますが、今から25年前のオフィスの状況がどんな様子であったかを垣間見れるのが、この作品の隠れた魅力だと思います。まずは、仕事道具です。『昨日筒井さんに頼んだワープロのフロッピィ、どこにあるか知ってる?変換ミスがあってね、ちょっと直してもらいたいんだけど』という自然な会話。恐らく今の時代に過去をそれっぽく振り返って書いた場合には、”フロッピー”は登場させても”変換ミスを直してもらいたい”という表現は出てこないのではないかと思います。細かいですがその時代にリアルに書かれた物語だからこその生きた表現だと思いました。また、そんな次元を超えて驚いたのが『ちょっと咳き込みすぎて、胸が苦しいけど…』、『それはいかんなあ…さすってやろうか?』という男女の先輩・後輩の会話のシーンです。オフィスの中での”えっ!”と思うようなその発言に対して『セクハラ発言に対してはどんな仕返しをしてもいい…』と続くそのシーン。『どんな仕返しをしても』という以前に、このような発言がオフィスで出ること自体、違和感しかありません。他にもこういったセクハラ発言がサラッと登場するこの作品。加納さんもわざと特異なシーンを描いているはずがなく、25年前のオフィスの日常は、まだこんな会話が普通に存在する時代だったんだとある種の驚きを感じさせるシーンでした。

    そんな風にオフィスの日常の中に時代を感じさせる描写が絶妙に登場するこの作品ですが、一方で時代を経ても変わらないものがありました。それが、〈月曜日の水玉模様〉の陶子と広海の出会いの場ともなった通勤電車です。陶子が通うのは町田から代々木上原を経て丸の内という経路。首都圏にお住まいでないとピンとは来ないと思いますがこれは小田急線という90年代には遅延と混雑率で悪名高かった鉄道です。『赤の他人と密着すること数十分』という時間を『背中や後頭部に遠慮なく当たるスポーツ新聞』、『きつすぎる香水や整髪料の匂いや何やら得体の知れない悪臭』、そして『その他のあらゆる不愉快な事態に耐え忍び』という”痛勤”風景は時代が変わっても未だ基本的には改善されていないように思います。『ストレス、イライラ、疲労困憊などといった言葉は、今この状態の自分たちの為にある』という毎日の”痛勤”。そんな『不自然な体勢で延々とおしくらまんじゅうする苦痛』から逃れるには着席は必須です。『まさに天国と地獄』とはこちらもよく言ったもの。そんな”痛勤”場面の描写で、これは上手いと思ったのが、陶子が登戸で降りる男の後に座れるようになった喜びを表した次の表現です。
    『早朝の十五分の睡眠は、ダイヤモンドよりも貴重だ』
    これをうんうん、と頷かれる方の顔が目に浮かびます。そして、そんな風に上手いなあ、と思える表現がこの作品にはそこかしこに登場します。例えば、『薬』の取り違えがあり、陶子の手には自身のものが戻ったものの、広海の手には他人の袋があるという状況で戸惑う広海を描く〈火曜日の頭痛発熱〉の中のワンシーン。ここで登場するのが、
    『辞書の〈途方に暮れる〉という項に、見本として切り取って貼っておきたいような姿であった』
    という絶妙な表現です。これも上手いと思いました。そして、もう一つ。『この上なく幸福な夢を見ていた』広海が『自動車の急ブレーキの音』に端を発し、二人の人物の話し声、そしてパトカー到着ですっかり眠りを妨げられた〈水曜日の探偵志願〉の中のワンシーン。
    『快適な眠りを妨げられるのは、読みかけの本を真っ二つに裂かれるに等しい暴力的な出来事だ』
    本が好きな人ならこの感覚分かりますよね?という、これが小説だからこそ、その感覚がすっと入ってくるこの表現。それに続いて『枕元の時計を見ると、蛍光塗料を塗った針は午前三時半を指し示している』というリアルな本人の動作の描写も相まって、印象的な言葉とともに、身近な日常がとても上手く描写されていると思いました。

    そんなこの作品、上記に少し触れたように7つの短編に、それぞれ月曜日から日曜日までの曜日が必ず付いてきます。しかもそれらは”○曜日の□□□□”と文字数も揃っていて、作品全体として小気味良いリズムを感じさせてくれます(※豆知識としては、この最初の□の七文字を繋げるとある言葉が浮かび上がります)。私的には”○曜日”に何かが起こって、週末に向かって何かが解決されていくというと柚木麻子さんのアッコちゃんシリーズが思い浮かびますが、この作品はそういった曜日間の繋がりはありません。あくまでその曜日に何かしら”事件”が起こる、その様が描かれていく一種のミステリー小説です。しかし、一般的にミステリーというと”人が殺されました。犯人は誰でしょう?”という図柄が思い浮かびます。それに対して加納さんのこの作品が描くのは、もっと微笑ましい世界の上で展開していくミステリーです。『迷子に捕まっちゃったんですう。あたしのスカート、しっかり握っちゃって、離れてくれないんですよ』という〈木曜日の迷子案内〉。『犯行の舞台となったのは、丸の内にあるA社だった。そこで部内会費が盗まれた。集金袋から中身だけがそっくり消えていた』という〈金曜日の目撃証人〉。そして『大型トラックが一台、忽然と消えちゃったんですよ。なんと十トントラックが、積み荷ごとドロンですから』という〈日曜日の雨天決行〉など、『犯行』という言葉が登場しても、その内容、そして種明かしの過程は決して重々しいミステリーではありません。片桐陶子と”助手”の萩広海が、まるでしっかり者のお姉さんと、それに振り回される弟といった風情の中で、サクッと事件を解決していく物語は読んでいてとても心地よいものがありました。

    90年代のオフィスの風景をリアルに描きながら、主人公・陶子と、広海が7つのミステリーを小気味良く解き明かしていくこの作品。陶子が目にする身近な事ごとの背景に、会社や社会の様々な問題をチクッと浮かび上がらせるこの作品。とても読みやすく、あたたかい雰囲気の中に展開する物語は、私たちの身近な日常にこそ、実はミステリーが溢れているという事実を感じさせてくれました。決して怖くないミステリー、身近な日常にある謎解きをサクッと楽しめるその物語は、読後感スッキリな作品でした。

  • 加納朋子さんの作品を初めて読んだ。日常に起きた小さな(?)事件の謎解き。月曜日~日曜日の七つの短編集。個人的には《月曜日の水玉模様》が面白かった。
    金庫の暗証番号、やはりこうして書いておく人いるんだ~と。数字の語呂合わせ好きは多いからね。

  • 再読。面白かった。悲しいことに、この作品もだいぶ前に読んで内容は覚えてなかった。

    片桐陶子と萩広海のコンビが最高。陶子の鋭い観察力と、どこか抜けてるけど仕事は出来る調査員の萩が、身近に起こる事件を解決していく。伏線がいっぱいあって気が抜けない。最後にあーそういう事か、となる。加納朋子さんの作品は"最後でやられた"となるのが多い。

    この作品は20年以上前に書かれたもの。20年前の男女不平等問題、女性の社会進出の事が書かれてて、う〜んとなってしまった。男性と同じぐらい働いてても女性の給料は男性より少ない、女性が社会進出するのはあまり好まれない事など。20年経って少しは改善されてると思うけど、あまり変わってない気もする…。

    陶子と萩がいい感じになって終わった。ほっこりする。萩くん、もうひと押しだ。がんばれ。
    陶子が登場する他の作品『レインレイン・ボウ』もまた再読したい。

  • あれっこれも探偵小説なのか、しかも2001年の思わぬ本棚での出会い、月曜日から始めてそれぞれ違う事件簿の、なかなか感じのいい書き方をする。なんだかシリーズ化出来そうな感じだけれど、キレキレだったよ陶子さん。出来る人間はやっぱりいるんだね。もしも目の前に陶子さん居ると思うと見透かされていると思って落ち着かないかも、益子にはなれないて。萩野の生い立ちがちょっと出てるし陶子さんの生い立ちも悲しみあるし、でも深くは掘り下げないのだね。あの小さい会社のOLじゃあ勿体無いなあ、職場と才能とギャップがね。

  • 去年から読み始めた加納朋子、5冊目。

    東京に住んでいた時、小田急線から代々木上原で千代田線に乗り換えて通勤していた。丁度この本が書かれた頃で、描かれているホームの光景が懐かしい。
    私は日比谷で三田線にまた乗り換えていたけど、この本の主人公・陶子さんは二重橋前で降りて丸の内で働くOLさん。
    そんな彼女が日常に起こる謎を、通勤電車の中で知り合ったリサーチ会社調査員の萩とともに解き明かしていくというお話。
    会社の周りをうろつく不審人物、薬局での薬の取り違え、迷子の女の子、事務所での窃盗、そしてトラックごとの積み荷泥棒…。
    メインの謎解きと関連してもうひとつのプチ謎解きも入れ子になったお話は結構凝った作り。
    月水はほのぼの、火木は会社生活のダークなところを突いて、金土はしんみり、最後の日曜は仕掛けたほうも暴いた方もブラックという感じで、なかなかに変幻自在。

    しかし、それよりも私が気になったのは、頁の端々に現れる女性が働くことに対する様々なコメント。
    『女の敵は女』だとか『職場で要求されるのは、一にも二にも<若さ>なのだ』とか『仕事量では男性の多くに引けをとらなかったにもかかわらず、給料は男性社員の半分程度でしかない』とか『会社内部で<女の子>と言えば、もちろん子供ではなく若い女子社員のことを指す』とかあって、当時の一般職の立ち位置がよく知れる。
    『世間からはオフィスレディなどと持ち上げられ、男性社員皆から可愛がられてはいても、何かが違うという思いを常に味わってきた』というのもある。
    一方、『女子社員の多くは、会社にとって便利であり、時に必要不可欠な存在でさえあるかもしれなかったが、それでも表層的で一過性の関わりしか持つことはない。と言って、それが特に不満だというつもりもない。少なくとも陶子自身は、時折男性社員が気の毒になるほどに自由だったから。出世や昇給や競争という名の枷で縛られていないぶん、物事がよく見えることだってあるだろう』ともあって、陶子さんの心情が微妙なことも垣間見える。
    それ故か、陶子さんは仕事も出来て推理も冴えている割に"デキる女"感が少なく、お話にもスカッと感よりも何となくほろ苦さやもの悲しさを感じさせられるものが多かったが、この本に独特の味付けになっていたように思う。

  • 5度目の読了。心のお洗濯も完了。でももっと読みたい。なんでだろう?控え目な小説なんだけれど、いつまでもこの世界観に浸っていたいなぁなんてちょっと危ない気持ちを抱きつつ、爽やかな幸福感がぷくぷくと湧いてくるのを心ゆくまで味わえました^^

  • 「レインレイン・ボウ」の前作。

    「レインレイン・ボウ」でも主人公だったOLの片桐陶子が主人公の日常ミステリー。
    特に月曜日と木曜日と土曜日がお気に入り。

    この作品に出てくる登場人物みんな好きだなー。
    特に頭が良くて、気が利く萩くんと、
    自分を擁護することも、陶子の母を非難することもせず、
    ただ、黙っていることを選んだ強い祖母の志乃。
    志乃さんは姉妹作「レインレイン・ボウ」にも登場してましたね。
    そちらの作品からずっとファンです^^

    ・月曜日の水玉模様
     大日本リサーチの萩広海との出会い。
     社長室にある金庫にお金を戻す話。

    ・火曜日の頭痛発熱
     病院で薬を取り違えられ、薬を交換しにいったら
     違う名前の男が名乗り出てきて・・・
      
    ・水曜日の探偵志願
     萩の家の近くで起きた事故の被害者と、
     電車に乗り合わせた乗客の声が同じだと気づきその男を尾行する・・・

    ・木曜日の迷子案内
     丸の内名物のワゴンセールで出会った元先輩と
     迷子の女の子につかまる後輩。迷子の親を捜す話。

    ・金曜日の目撃証人
     取引先の社内でお金が盗まれ、
     アリバイの無い女性社員が疑わる・・・

    ・土曜日の嫁菜寿司
     急に決まった大阪への出張。新幹線の中で乗り合わせた女の子たち
     のおしゃべりの中にでてくる、
     ケーキを贈るという方法での告白のなぞを解く・・・

    ・日曜日の雨天決行
     新しい取引先との接待のため、ソフトボールの試合をすることになる。

  • 小説すばる1995年4月号月曜日の水玉模様、8月号火曜日の頭痛発熱、1996年2月臨時増刊号水曜日の探偵志願、11月号木曜日の迷子案内、1997年9月号金曜日の目撃証言、1998年1月号土曜日の嫁菜寿司、7月号日曜日の雨天決行、の7つの連作短編を1998年9月集英社から刊行。2001年10月集英社文庫化。陶子シリーズ1作目。丸の内に務める一般事務職女子の奮闘話。設定が丁寧で事件解決が楽しいです。目からウロコの解決と魅力的な駒子が素敵です。「日曜日の雨天決行」は明らかな犯罪を見逃しているので少し後味が悪いかな。次作も楽しみです。

  • 円熟前の作品。順番間違えて読んでしまった。

  • 席の取り合い・代々木上原での乗替ダッシュ…小田急線を使っている人はニヤニヤしてしまうのではないでしょうか。
    日常ミステリももちろんですが、OL数年目となり、時に理不尽な場面にぶつかりながらもかわしていく主人公のしなやかな強さに、「みんなそうなんだ」と励まされました。

  • 日常的で
    かわいらしくって
    「ふふふ」と笑ってしまうプチ・ミステリーたちを
    平凡だけれど勘は冴えているOLの陶子と
    リサーチ会社に勤めるのんきで気の好い萩くんが解決していく物語です。

    普通に生活をしているあたしたちでも
    なにかの拍子に巡り会えそうな謎の彩りの豊かさが
    なんとも加納朋子さんらしいなあって。
    安心しながら読めました。

    ビル荒らしの謎。
    同僚の名を騙って診察を受ける会社員の謎。
    出来心から尾行してしまった男の謎。
    迷子が掴んで離さないOLの謎。
    などなど。

    ミステリーとして読むには刺激が少ないわりに
    謎解きのきっかけがやや強引ですが
    通勤電車で開くにはピッタリの内容なので
    読書好きのOLの皆さんには気軽にオススメできそうです。

  • 日常ミステリー。短編なのでちょっと時間があいた時に読める。どんでん返し系のミステリーが好きな私には、最初物足りなさを感じていたけど、読むごとにホッコリ。物語に引き込まれた。結構好きかも。

  • 『レインレインボウ』の解説をを読んでこちらを読む機会を得たけれど陶子をヒロインにしての日常ミステリというお話はぐいぐいと引き込まれるというよりは淡々とそして語られる情景を思い浮かべながらゆったり読むという内容だった。よって読了までには読み返しながらで時間がかかった。再読すればもっと心に染みそうな気もする。著者の作品はリンクされてることも多いようなので機会があれば他の作品も読んでみようかな。

  • いつもと同じ時間に乗る電車
    そのいつもと同じ車両で
    いつも出会う人がいる....。

    月曜日の水玉模様。うふふ~♪ そうなのね。^^
    なのにカバーは黄色に黒じゃない。(笑)
    ブルーに白いドットも爽やかで好きですけれど...

    以前読んだ「レイン・レインボウ」の中に少しばかり登場する
    片桐陶子とその助手?が、こちらでは主人公で登場しているとのことで読みました。

    陶子はやっぱりソフトボ-ル部のキャプテンだったという
    だけのことはありますね。ほっとけなくて黙っていられなくて
    冴えた勘でさらりと人助けをしてしまう。

    陶子と萩くんの、友達以上恋人未満かなという関係が清々しくて好きです。

  • 加納さんの日常系ミステリーは久しぶりに読みました。
    どの作品も、必ずすっきりとした解決となる訳でもないし、中にはビターなものもありましたが、目線が優しいので後味の悪さは感じませんでした。
    能天気で太平楽な萩くんと、クールな陶子の組み合わせも良かった。
    どうせなら、表紙は黄色と黒の水色にして欲しかったかな?
    爽やかさがなくなることは確実だろうけど。

  • 気軽に読める日常ミステリー。
    陶子の勤める会社の男性の女性への対し方とか満員電車のこととか謎とは関係なく共感してしまった。
    萩くんの好意に陶子があっさりで、予想外だったけど、これはこれでよし。

  • 「日常の謎派」ミステリ…なるほど。毎日の“相変わらず”の生活が、もしかしたら誰かにとって(自分にとっても)“ミステリ”な生活なのかもしれないのですね。通勤時間がおもしろくなるかも…。

  • すいすいと、澄み渡るような聡明さを感じる主人公がすがすがしい。初め読みづらいと感じたが、気づけば引き込まれていた。

  • 表紙がかわいいのと、題名に惹かれて、古本で購入。軽い日常ミステリー。殺人事件とかは起こらないので、軽く読める(読めてしまう)。たまにはこういうのもよい。

  • OLの主人公と企業調査員の男が、ひょんなことで出会い、さまざまなミステリーを解決していく短編集。

    別に殺人事件が起きたりするわけじゃない。まさに普段過ごしていて、ふつーにあり得ることたち。「普通」じゃ無いかもしらんけど、少なくとも、「あーあるある」と思えるような設定・着眼点、伝え方は見事なのかなと思う。

    主人公と相方の萩クンがもっと深く絡むかと思ったんだけど、意外にあっさりだったのが残念。でもあっさりで終わったからこそ、読後がいいのかもしれない。

    とりあえずカバーが恥ずかしい。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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