- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087473919
感想・レビュー・書評
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貧乏だけど、いや貧乏だからこそ肩寄せ合い皆で生きて行く長屋の面々。市井の暮らしの根幹がここにある。そして誰もが幸せになろうと頑張って行きている。忘れたく無い価値観がこの一冊には詰まっているな。
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とある住職の庇護の下にある長屋の面々。いろんな職の、いろんな家族の、いろんな過去があってどれもイキイキ。特に際立った人もおらず、みんな力を合わせて。大抵ヒーロー的な人が長屋にいるもんだけど、ここでは住職なのか。その住職もヒーローとは程遠い人間臭い人だけれど。 -
証源寺の住職忍専の庇護の下、つつましくも助け合って暮らしているかかし長屋の面々。今はなき、濃い近所付き合いの雰囲気が心地よい。
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和尚が決して万能ではないところが良い。最後の一行の人間臭さが好きだ。
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2011.11.24(木)¥252。
残念2冊買い。
2012.2.16(木)。 -
半村良氏は「戦国自衛隊」などでよく知られているが、SFや伝奇だけではなく、「下町探偵局」のような人情ものでも名著が多い。
この小説は江戸時代。
貧乏のどん底や、世間から身を隠さねばならない人々と、それを見守る和尚のお話。
本当に大切なものは何だろう。 -
ある種の空気を持つ時代劇が嫌いである。ほんのりとして、一定の空気、というより価値観を押しつけてくるような。それは、たとえば「人情」というようなぬるま湯っぽくって、そこに柚をいれるか山椒を入れるか、みたいな話で。
すごく、そういう話なんだけど、なんでこんなに引きつけられてしまったんだろう。
答えはたぶん最終章の、最後の1行にある。自然にあるんじゃなくて、みんなが頑張って維持するからこそ、すてきな世界は維持できるのだなと。
とってもチャーミングな人情時代劇。よかった。