世界青春放浪記 僕が11カ国語を話す理由 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474350

感想・レビュー・書評

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  • 多言語と芸ができれば最強!しかも本職が数学なんて。ユダヤ人のことなども興味深い。なんで日本に来たのかは次の本らしい。気になる。

  • 著者は大道芸で有名人であり、テレビに多数出演しているのでタレントか、と勘違いされそうであるが、どっこい数学者である。本書では、著者の育ったハンガリーの歴史、共産主義の裏事情、ユダヤ人差別、恋愛、数学者との交流等が語られる。凡人と異なる日常世界があまりに新鮮で一気に読んだ。型にはまりたくない、何か人と違うことを目指したい、という人の栄養剤のような本である。紙とペンだけで生活できる数学者という人種がうらやましく思えた。例えば、無一文でも行きたい国の数学関係者に手紙を書き、講演をする代わりに滞在許可を得たり、とか。要するに渡り鳥のように世界中を旅行して生活しているように思える。こういう生き方に心底あこがれる。

  • 自伝。面白い。僕は数学者は大体面白い人だと思っているんだけど、この人はそれ以上面白い人ですな。この人ユダヤ系だって初めて知ったんだけど、親父の話とか壮絶。彼の父はチェスがめちゃくちゃ強いらしんだけど、若い頃国内の強制収容所に入れられたときの話で、収容所長が趣味で10人ずつ銃殺するような人で、ある日親父さんも呼ばれたらしい。列の端から皆が殺されていく中で、数メートル先でドイツ人将校がチェスをやっていたらしい。そこで、そこに行って次の手を教えたら、将校の相手が弱かったこともあって、そのまま試合をすることに。で、勝って機嫌を損ねないように、また負けて弱いからもういいやと言われないように、わざと一戦目を引き分けに持ち込んだ。二戦目の途中についに銃殺の番が来て、ハンガリー人の看守が呼びに来た。将校は何を言っているか、親父さんに聞いた。「ドイツ人とチェスするな、と言っている」と答えると、将校は銃を向けて看守を追い返した。しばらくして銃声が聞こえると、親父の顔色から将校は全ての事情を察し、気に入られた親父さんはそのまま逃がしてもらったらしい。こんな感じで、ユダヤ人についての箇所は特に興味深い話がたくさん。

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著者プロフィール

1953年ハンガリー生まれの数学者。国際数学オリンピック金メダリスト。世界各国で暮らした後1988年より日本に定住。算数オリンピック委員会理事、ハンガリー学士院メンバー、日本ジャグリング協会名誉顧問。

「2019年 『ピーターキューブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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