白夜行 (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (864ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474398

作品紹介・あらすじ

「白夜行」は今やミステリー小説の大家、東野圭吾の長編小説です。
質屋殺しの被害者の息子と容疑者の娘の二人が数奇な運命で結びつきます。もともと連作の短編として執筆された作品が単行本では長編として再構成されており、短編小説ならではの小気味よさと長編小説ならではのダイナミズムを併せ持つ壮大な小説となっています。

感想・レビュー・書評

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  • 【ミステリーレビュー200冊目】最高で最低の深い絆、闇夜を照らす悲しい太陽のひかり #白夜行

    ■白夜行を読むにあたって
    今回再読3回目です。最初に読んだときは何の予備知識もなかったのですが、あまりの衝撃に、すぐにもう一回再読したのを覚えています。

    東野圭吾先生は人の絆を描くのがとても上手な作家です。親子愛、男女愛、家族愛、友情、上司と部下など… ミステリーなので悲劇のつらい話は多いですが、最後には前向きになれる、そんなお話が多いです。

    しかし本作は一切前向きにはなれません。圧倒的にダークな物語です。
    それゆえ、東野圭吾先生の最高傑作という方も多い作品です。かくゆう私も本作が東野圭吾作品の中で断トツの第一位です。

    ※名作過ぎて今更ではありますが、構成などを語っていますので、若干のネタバレの可能性があります。未読の方はご注意ください。

    ■レビュー
    冒頭で悲しい事件が起き、二人の少年少女が不幸に見舞われるところから始まる。その後19年の長きに渡って、二人の人生を読まされることになります。

    それなりに生きづらい人生を歩んでいるんだな…と思って読んでいると、中盤あたりからどうも違和感を感じる。

    この二人には何かある、でもどんな関係性なのかよくわからない。ただひとりひとりが、気丈に人生を歩んでいることは手に取るようにわかる。

    雪穂が結婚したあたりから、明らかに二人がつながっているのがわかる。後ろ暗い関係性なのは間違いない… さらにその後、亮司はより残忍な犯罪に手を染めているようだ。

    しかし、私にはわからない。
    一体、なぜ二人はこんな人生を歩んでいるのか?

    そう、なにより本作では、主人公の二人の場面、会話、心情描写すらも一切ない。周囲の人が様々な不幸に合い、つらい心情を吐露する描写が書かれるのみなのだ。
    そして最後、19年間二人を追い続けた刑事が二人の深い絆を語っていく。

    なんなんだ、この小説は…
    明らかに深い深い愛情の物語なのに、こんなにも憂鬱で、人を落ち込ませる小説はあっただろうか。

    二人の絆が深すぎるのだ。最高に最低な関係性。不幸によって成形された愛情であることが残念でならない。

    しかし、ここまでやれたら「素晴らしい人生を生きた」といえるような気もするんだが…いや、決してそんなことはない。

    ■推しポイント
    圧倒的に人です、人物の心情描写が天下一品。
    ・笹垣
    後悔の念、二人を助けたいという気持ちが手に取るようにわかる。完全に呪われてしまった人物。涙なしでは見られないシーンが多数あります。
    ・典子
    愛情と不安に揺さぶられながらも、芯が強くまっすぐに生きる女性。
    ・一成
    怪物から逃れなければならないとう恐怖感、ありありと伝わってきます。
    ・亮司
    一番ひどいことをやっているが、おそらく心は一番弱く、しかしながら一番努力している人物。悲しい。
    ・雪穂
    最後の一行がすべてを語っています。

    ちなみにドラマも大好きです。綾瀬はるか、山田孝之、武田鉄矢の芝居は必見ですね。ただ必ず先に原作を読むことをおすすめします。ドラマと小説ではアプローチが全く違う(真逆)ので。

    本作は、死ぬまでには読んでほしい名作中の名作です。ぜひ未読の方は手に取ってみてください。

    • shukawabestさん
      shukawabestです。レビュー200冊目、以前のお言葉通り、「白夜行」だったのですね。しばらくブクログを見ていなかったので、今、「おお...
      shukawabestです。レビュー200冊目、以前のお言葉通り、「白夜行」だったのですね。しばらくブクログを見ていなかったので、今、「おおっ」と思いました。僕も本作は3度読んでいて、次読むとき、レビュー書けたらいいなと思っています。300冊目のレビュー、何を書かれるのか楽しみにしています。
      2022/08/27
    • autumn522akiさん
      shukawabestさん、コメントありがとうございます。
      名作は何度も読んじゃいますよね、レビュー待ってますっ

      300冊目も名作を...
      shukawabestさん、コメントありがとうございます。
      名作は何度も読んじゃいますよね、レビュー待ってますっ

      300冊目も名作を再読する予定です!むふふ。
      2022/08/28
  • 東野圭吾さんの大作。
    20年以上前の作品だが作者の100を越える著書の中でこの作品を一位にあげる人が多いのが頷ける作品だと感じた。

    とにかく850頁を越える膨大な作品で、その分内容が濃いのだが、主人公である雪穂と亮司の二人の本人達からの心情や心理描写はほぼほぼ無い。物語の進行中も二人の事実上の接点は見えるにせよその描写は一切無い。
    事件や問題が存在し、それが他の登場人物の目線や推測からこの二人の人物像が作られている。あまり読んだことのない切り口の物語。なので読者も色々な解釈ができるし、それが物語と二人の人物像の奥深さになっている。

    雪穂が襲われた美佳にしたように、幼なき亮司が幼き雪穂の心の解放をしたのだろうと推測できる。もっといえば雪穂は亮司にしか真の心を開けない。

    元々二人は大人の被害者である。
    そしてその二人の関係性は恋人でも友情でも信頼でもなく精神上の強力な依存になったのだろうと感じた。その過去のトラウマからの依存的な二人の関係は、年を重ねる毎に形を変えながら加速していくようにも見えた。
    その精神的な依存が根本にあるから見境なく罪を重ねられる、演技もできる、嘘もつける、動揺もしない、揺るがない。
    その過程を作品タイトル「白夜行」と平行させている作者のセンスが凄い。

    場面場面で考察すればキリがないので省略するが、一場面で数通りかの心理が読み取れ、それが数パターンの推測に繋がる。どう読み取っていいのか?果たして自分の解釈があっているのかもわからない場面もある。

    雪穂は悪女にも見えるが逆にも見える。
    亮司も悪党にも見えるが逆にも見える。

    凄く文学的で、かつ最高のミステリーだと感じた。何度も書かせてもらうが濃くて奥深い。

  • 大阪で起きた質屋殺害事件から19年という年月を追った壮大なミステリ。雪穂と亮司のまわりには犯罪の匂いがぷんぷん。読み始めたらもう、引き込まれて読むのを止められませんでした。大人になってから雪穂と亮司が2人で会うシーンとかは描かれてはいないのですが、最後まで読むと「あーあの時のあれって」と思うことがたくさんあります。
    とにかく2人とも恐ろしかったです。
    雪穂のお店「R&Y」という店名が、2人を強く結びつけている証のような気がしています。

  • 【感想】
    先日、TVドラマ版の「白夜行」を視聴し終えましたので、すぐさま小説も読み直しました。
    初めて読んでから10回くらい読み直していますが、さすがは名作!何度読んでも飽きない面白さがあります。
    (ただ、もし願いが叶うならば、この小説の全てを完全に記憶から消し去って、再度ゼロの状態でこの作品を読んでみたいものです・・・)

    先日ドラマ版のReviewを書きましたが、ドラマ版は桐原亮司・唐沢雪穂の視点で物語が進められているモノです。
    対して原作であるこの小説版は、主人公2人の視点や感情に関する描写はほぼ一切排除され、出来事・事件そしてそれに絡んだ関係者たちの視点ベースで物語は進められていきます。
    そこにドラマで描かれていたような主人公2人の思考や苦悩・葛藤は一切書かれていませんので、小説だけを見れば桐原亮司・唐沢雪穂はかなり無機質で冷酷な人間である風に思ってしまいます。
    そう言うと、「ドラマで脚色されてそう描かれていただけで、本来この2人は無機質で冷酷な人間なのだ」という意見も聞こえてきそうなモノですが、、、
    ただ、本小説の作中随所に見られた2人の表現・台詞などから、彼らは決してナチュラルボーンな悪人ではなく、家庭の環境や幼少の頃の経験が人格形成に大いに関わったことが垣間見られました。

    また、事件を追う刑事の笹垣は、作中で2人の事を「鉄砲エビとハゼのような相利共生」と表現していました。
    確かにこの表現は言い得て妙だと思いますが、2人の間に存在したのは、果たして「利」だけなのでしょうか?
    否、2人の間には決して「利」だけではないエモーショナルな関係もあったのではないかと、個人的に思います。

    そんな2人の関係性を示唆する唐沢雪穂の台詞がコチラ。
    終盤、新たにOPENする店に不安を抱えるスタッフに対し、雪穂が投げかけた言葉です。
    「あたしには太陽なんかなかった。でも暗くはなかった、太陽に代わるものがあったから。あたしはその光によって、夜を昼だと思って生きてくることができたの」
    この台詞こそが、この作品において唯一、雪穂が打算なく本音を打ち明けたシーンじゃないかなと、読んでいて思いました。


    最後に・・・
    この作品を深く味わう為にも、ドラマ版のReviewでも触れましたが、小説とTVドラマの2作品を鑑賞する事をオススメします。
    (決して僕はTV局のまわし者ではありません!笑)
    「白夜行」という作品は、ドラマと小説の2作を見終わって初めて、完結する作品です。
    白夜行ファンでお時間がある方・・・いやない方は頑張って時間を捻出してでも、視る価値がある作品です!!


    【あらすじ】
    愛することは「罪」なのか。それとも愛されることが「罪」なのか。
    1973年、大阪の廃墟ビルで質屋を経営する男が一人殺された。
    容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りしてしまう。

    被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂――
    暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んでいくことになるのだが、二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪の形跡。
    しかし、何も「証拠」はない。
    そして十九年の歳月が流れ……。

    伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。
    壮大なスケールで描かれた、ミステリー史に燦然と輝く大人気作家の記念碑的傑作。200万部突破!


    【メモ】
    p25
    笹垣がドキリとしたのは、少年が階段を降りる音が聞こえなかったからではなかった。
    少年と目が合った瞬間、その目の奥に潜む暗さに、衝撃を受けたのだ。


    p75
    西本文代は否認し続けた。彼女の姿勢には、全く揺るぎがなかった。
    寺崎の死を知って相当なショックを受けているはずなのに、その態度からは迷いが感じられなかった。

    何かを間違うてる。
    俺らは何か、全く違う道に入り込んでしまってるぞ。
    取調べを横で聞きながら笹垣は思った。


    p204
    「あの、俺」唾を飲み込んでから、友彦はいった。
    「俺、何でもする。おまえのためやったら、どんなことでも」
    桐原は視線を友彦に戻した。その顔にいつもの冷たい笑みが戻った。
    「当然や」
    そして彼は少し濁った青空を仰ぎ見た。


    p262
    「選ばれた人間がソシアルダンスを習うんじゃない。いざという時にダンスの一つぐらい踊れるような人間が選ばれていくんだ」


    p316
    「落ちてるものを拾うのと置き引きと、どう違う?金の入ったカバンを、ぼんやり置いとくほうが悪いんと違うか。この世は隙を見せたほうが負けや」
    このセリフを聞くたびに、戦慄と共に、ぞくぞくするような快感も友彦は覚えるのだった。


    p423
    顔全体がぐにゃりと歪んだかと思うと、次にはコンクリートで作ったマスクのように固まった。その顔には暗い影が落ちていた。
    目にはどんな光も宿らず、唇はこの世の全てを拒絶していた。
    ところが桐原のこの変化は、ほんの一瞬のことだった。次の瞬間には、彼はなんと笑顔を見せていたのだ。
    「松浦さんやないか」
    「久しぶりやったなあ、元気にしてるか」


    p436
    大掃除をした後、友彦は桐原や弘恵とささやかな乾杯をした。
    来年に向けての抱負を弘恵から訊かれ、桐原の答えは、「昼間を歩きたい」というものだった。
    「俺の人生は、白夜の中を歩いてるようなもんやからな」


    p539
    「彼女と深く関わった人間は」篠塚は声を落として言った。「皆何らかの形で不幸な目に遭っているんです」

    「僕もまた、不幸な目に遭った一人ということになります。」


    p614
    「テッポウエビはね、穴を掘ってその中で生活するらしいです。ところがその穴に居候しとるやつがおる。魚のハゼです。そのかわりにハゼは穴の入り口で見張りをしとって、外敵が近づいたら尾ひれを動かして中のテッポウエビに知らせるそうです。見事なコンビネーションや。相利共生ゆうらしいですな」
    「ちょっと待ってください」今枝は小さく左手を出した。「唐沢雪穂さんには、そんなふうに共生している男がいるとおっしゃるんですか?」


    p739
    「あの時に摘み取っておくべき芽があったんや。それをほったらかしにしておいたから、芽はどんどん成長してしもた。成長して、花を咲かせてしまいよった。しかも悪い花を」
    笹垣は口元を歪め、酒を流し込んだ。
    「あの事件でわしらがしくじったばっかりに、結果的に、関係のない人間を何人も不幸にしたような気がするんや」


    p815
    「あたしもね、あなたと同じ経験があるの。ううん、もっとひどい経験」
    美佳は驚いて声を出そうとした。その唇に、雪穂が人差し指を当てた。
    「今の美佳さんよりも、もっと若い頃よ。まだ本当に子供。でも子供だからといって、悪魔に襲われないとも限らないのよね。しかも悪魔は一匹じゃなかった」


    p826
    「あたしはね」と雪穂は続けた。「太陽の下を生きたことなんかないの」
    「まさか」夏美は笑った。「社長こそ、太陽がいっぱいじゃないですか」
    だが雪穂は首を振った。
    「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。あたしはその光によって、夜を昼だと思って生きてくることができたの」

    「あたしには最初から太陽なんてなかった。だから失う恐怖もないの」

    • HARUTOさん
      こんばんは
      私もこの前、白夜行を読みましたがとても物語に引き込まれました。
      小説の方には主人公の直接的な描写が書かれてないので、ドラマも見て...
      こんばんは
      私もこの前、白夜行を読みましたがとても物語に引き込まれました。
      小説の方には主人公の直接的な描写が書かれてないので、ドラマも見てみたいです。
      2021/06/13
    • きのPさん
      HARUTOさん
      コメント有難うございます!
      先日レビュー書きましたが、映像版ならTVドラマの白夜行がマジでオススメです!
      全11話とかなり...
      HARUTOさん
      コメント有難うございます!
      先日レビュー書きましたが、映像版ならTVドラマの白夜行がマジでオススメです!
      全11話とかなり長いですが、面白さは保証します!!
      是非ご鑑賞ください(^^)
      2021/06/15
    • アンシロさん
      きのPさん、はじめまして。

      まだドラマは観ていないので、『白夜行』はまだ完結していない状態なんですね!『幻夜』を読んで落ち着いてしまってい...
      きのPさん、はじめまして。

      まだドラマは観ていないので、『白夜行』はまだ完結していない状態なんですね!『幻夜』を読んで落ち着いてしまっていて、油断してました笑。
      時間を捻出してドラマを観てみます(^^)楽しみです!

      フォローさせて頂きました。本棚を参考にさせて下さい、お願いします。
      2023/10/24
  • 著者の代表作の一つ。ミステリ長編。亮司(被害者の息子)と雪穂(容疑者?の娘)の20年に及ぶ物語。不穏な空気を漂せながら壮絶なラストまで読者を惹きつける技量に感嘆。二人の心理描写がほとんどないのも無気味さが増していく。「俺の人生は、白夜の中を歩いてるようなものやからな」。
    数々の不審な事件の背後に二人がいるのは分かっているのに、二人の馴れ初め、動機、最終的な目的が皆目不明のまま、最後まで息詰まる展開でした。モヤモヤ感が残るラストも良かったです。また、70〜90年台の世相描写も懐かしかった。

  • 東野さんの書いたミステリー小説の屈指の名作。800ページ以上あるこの本、内容も重く濃い。だが、全く飽きることなく、もっと長かったとしても読み続けられる。読み進めるにつれて、結末が気になってスラスラ進む。主人公二人の直接的な描写は全然ないのに、東野さんの素晴らしい世界観のおかげか、あっという間に読み終わった。

    主人公の二人が繋がりそうで繋がらず白夜を進む。先が気になってハラハラしてワクワクするが、読み終わった時はなんとも言えない悲しい気持ちで心が痛んだ。再読したくてしたくない、複雑な気持ち。二人には幸せになって欲しかった。だが、東野さんらしい世界観でタイトルもピッタリで全く分厚さを感じさせない本だった。とても奥が深く、面白さも楽しさもあるこの本は東野さんの圧倒的な傑作だと思う。

  •  東野圭吾さん10冊目。850pの辞書のような厚さに躊躇し、気になりながら長らく未読でした。
     文章量の多さもさることながら、内容が濃密で構成も精緻、のめり込む程の充実した読書でした。心揺さぶられ、呆然とすること暫し‥。こ、これはまさしく衝撃的な傑作! 凄い一冊だ! と感服しました。

     1973年、大阪での殺人事件。被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂。いずれも小学生。
     この事件を発端に、19年に亘る不可解な事件の数々が時系列に描かれている印象ですが、亮司と雪穂が何度も見え隠れし、この2人の長い時間軸を根幹とする壮大な物語であることに気付かされます。

     2人の朧げな像は、輪郭さえも焦点化できません。と言うのも、2人の心理描写のない構成で、読み手には(他の登場人物にも)事の真相が伝わらないのです。2人の行動から、徐々に(読み手に)2人が交錯し、その関係性に気付ける構造・展開です。実に巧みです、狡いくらいに‥。希望の見えないダークさも狡く(?)、議論の対象になるかも‥。

     白夜、英語でMidnight Sun。陽の当たらない世界で生きる上で、お互いが微かな希望足り得る真夜中の太陽だったのかもしれません。
     罪を共有した男女の道行きを『白夜行』と命名し、余りにも哀しく切ない物語に仕上げた東野圭吾さんの、その巧妙な手腕に脱帽です。暫く読後の余韻に浸っていたいと思わせる、ミステリーの大傑作でした。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      あゆみりんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      読書はやはり人それぞれ嗜好があって、自分にとっての感動作との出会いがあるからこ...
      あゆみりんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      読書はやはり人それぞれ嗜好があって、自分にとっての感動作との出会いがあるからこそ、やめられませんね。
      こんな巡り合いをまた求めて、自分のペースで読み進めたいと思います。
      今後ともよろしくお願いします。
      2023/05/12
    • あゆみりんさん
      NO Ᏸookさん、おはようございます。
      無理矢理『幻夜』を読ませようとしてしまい、すみませんでした!!
      『白夜行』を読んだ時の衝撃的感動を...
      NO Ᏸookさん、おはようございます。
      無理矢理『幻夜』を読ませようとしてしまい、すみませんでした!!
      『白夜行』を読んだ時の衝撃的感動を思い出し、つい熱くなってしまいました。

      私こそNO Ᏸookさんのようなペースでは読めませんが、ブクログをやっていると読みたい本は増えるばかりで、スローペースで楽しんでいこうと思っています。
      これからもよろしくお願いします(⸝⸝ .ˬ.⸝⸝)
      2023/05/13
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      おはようございます♪
      そんなことはありませんよ〜。
      『幻夜』いつか読みたいと思います。
      またよろしくお願いします!
      おはようございます♪
      そんなことはありませんよ〜。
      『幻夜』いつか読みたいと思います。
      またよろしくお願いします!
      2023/05/13
  • もう、他の方々がとんでもない素敵なレビューをたくさん書いて下さっているので、みなまで言うことはありませんが。

    ドラマが衝撃的ではありますが、原作はまたニュアンスが違うというか。ちょっと印象が変わります。私はドラマ、原作どちらも好きです。山田孝之君が日本で1番好きなこともあり。←
    原作は雪穂ちゃんと亮司君の関わり方が本当に巧みに描かれていて、心理描写がないところもまたっっ!!涙

    なんだろう…もっと、どうにかならなかったのかなぁ。
    東野圭吾さんのお話は、殺人はもちろん最低なことだけれども、でもっ…!って心が捩じ切れるようなところが、それはそれは大好きです。

  • ・・・第一印象、「ぶ、分厚い~」学校の図書館でこの本を見つけた。最初は分厚さに圧倒されて読まなかったけど小説紹介クリエイターのけんごさんの読書が好きになったきっかけの本だったと知り、読むことにしました。そして、読んでみたら止まらないんです!ページをめくる手が。初の東野圭吾だったけど読めました。読んでみたら分かった。この本は物語の十九年を一気に詰め込んだから分厚いのだと。読み始める前は上下巻で分けたらいいのに...と思っていたけどこの本は一冊にまとめるべき本でした。おすすめです!

  • H29.9.24 読了。

    ・東野圭吾の長編小説。まさかの結末にすっきりしない気持ちが残る。事件関係者の中の小学生の男女が30歳ぐらいになるまでを時代背景とともに描いており、小説の中に出てくる黒電話→ポケベル→携帯電話の変遷やガラスのケースに収められた洋物のタバコやブランドスーツやブランドライターなど昭和を思わせる物に懐かしさも感じた。
    ・小説自体は、事件につながる内容が所々にちりばめられているも真相は…。歯がゆい思いをした。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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