白夜行 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.05
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本棚登録 : 28740
レビュー : 2996
  • Amazon.co.jp ・本 (864ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474398

作品紹介・あらすじ

「白夜行」は今やミステリー小説の大家、東野圭吾の長編小説です。
質屋殺しの被害者の息子と容疑者の娘の二人が数奇な運命で結びつきます。もともと連作の短編として執筆された作品が単行本では長編として再構成されており、短編小説ならではの小気味よさと長編小説ならではのダイナミズムを併せ持つ壮大な小説となっています。

感想・レビュー・書評

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  • H29.9.24 読了。

    ・東野圭吾の長編小説。まさかの結末にすっきりしない気持ちが残る。事件関係者の中の小学生の男女が30歳ぐらいになるまでを時代背景とともに描いており、小説の中に出てくる黒電話→ポケベル→携帯電話の変遷やガラスのケースに収められた洋物のタバコやブランドスーツやブランドライターなど昭和を思わせる物に懐かしさも感じた。
    ・小説自体は、事件につながる内容が所々にちりばめられているも真相は…。歯がゆい思いをした。

  • 男と女。彼ら二人の接点や内面は描かれていないにもかかわらず、彼らを取り巻くさまざまな人の視点から、二人のつながりが浮かび上がってくる。一見、明るい太陽の下に生きる女と、暗い夜に生きる男のように思われるが、白夜のような昼とも夜ともいえない時間を、二人だけで過ごすことを選び、その世界は決して周囲の世界と交わらないように感じた。幼いころの忌まわしい記憶を共有する二人は、夜がおわり、朝が来ることを望むことができない世界で、お互いだけを信じて生きていかねばならなかった。二人を取り巻く世界で起こる事件に深く関与する男と女として、冷たい心をもった恐ろしい人間像を想像してしまいそうになった。しかし、幼いころに彼らの心を冷たく閉ざしてしまった原因が、実は身近な大人にあったことが分かった瞬間、彼らの言動の裏にはどれほどの悲しみや苦しみ、憎しみがあり、それを抱え続けなければならなかった現実に、胸がしめつけられるようだった。きっと二人は、誰よりも「愛されたい」と願っていた。自らの欲望を満たすためだけの無自覚で身勝手な大人の行いこそが、何よりも冷酷で恐ろしい。

  • ちょっと長くてちょっと古い。それでも圧倒的な話だった。
    最後に番狂わせとか深く感動することがあるわけじゃなくて、むしろ少し腑に落ちないこともあるので東野作品の傑作!と他人におすすめすることはないですが、東野さんの初期作品で有名な小説、じっくり固めていくこの構成、読んで良かったと思う。特に「疑惑を持って追っていく」立場の登場人物たち(笹垣や篠原や今枝、それと読者への見せ方)それぞれの、現在の状況と認識の書き分けがすごく上手い。

    ほのかに見え隠れする悪意と接点が、どうやって現在から18年前?20年前?の過去につながっていくのか、続きが読みたくて仕方がない。
    でも最後まで読み終えて、途中なんとなく惰性で読む部分があって、なんとなく回収しきれてないモヤモヤしたものが残る。桐原の性癖とか雪穂の最終目標、とか。

  • 10年ぶりくらいに再読。もっとかな。相変わらずとんでもない重さの文庫本で、でもこれを上下巻に分けてしまったら魅力は半減するんじゃないかなと思います。文庫にはあるまじき持ち歩けないほどの重さですし、ちょっと手首がしんどいのですが、東野作品の最高傑作だと思うので我慢です。一番好きな東野作品は別にありますが、間違いなく彼の一番の代表作と言っても良いのではないかと思います。
    主人公ともいえる雪穂と亮司視点のシーンが一切ないことが、より一層凄みのある作品になってます。多分2人がチラリとでも自分の感情や気持ちを語っていたら白けたかもしれません。あくまで限りなく黒に近いグレーで、雪穂と亮司の犯罪を臭わせているだけ。2人の間に信頼関係があるのか主従関係があるのかそれすら想像するしかないですが、雪穂が雪穂でいられるのは亮司の前だけで、亮司が亮司でいられるのも雪穂の前だけだったらいいなと思います。

  • おもしろかった。ひきこまれた。
    最初、なんの話なのかさっぱりわからなかった。章ごとに時代が変わり、登場人物が変わり、混乱した。しかも事件・出来事は解決しないで終わってしまう。何が起きているのか、なんの意味があったのか見えてこない。はっきり言って最初は引き込まれなかったし、つまらないと感じた。読み進めていると2人の男女が浮かび上がってくる。でも2人の一人称の心情や描写はまったくない。他の登場人物からの視点でしか語られない。そんな不明瞭なことが続いていくが、だんだん2人が何をしたのか、どうつながっているのか、なんの意味があったのか見えてくる。パズルが埋まってく感覚にすごい引き込まれた。他人の視点からしか書いていないから想像するしかない、でもそれがまた楽しい。どんどん知りたくなって読み進めた。

  • ドラマを何回も見て大好きな作品だったため本を読んだ。雪穂の「ずっと夜を生きてきた。でも太陽に代わる存在があった」という感じの部分が途中にあったけど、そこで2人の絆の強さを感じた。決して亮司は利用されてないんだなって。。。 あと、ドラマの山田孝之は本の人物像を見事に表現できてると思った。すごく面白い作品だった。

    • nico314さん
      smog1982さん、初めまして。
      フォローありがとうございました。

      この本は、私にとっても、東野作品の中で最も印象に残っています。...
      smog1982さん、初めまして。
      フォローありがとうございました。

      この本は、私にとっても、東野作品の中で最も印象に残っています。
      追っかけ始めた頃に手に取り、強い衝撃を受けて、続けて「幻夜」も読みました。

      辛いことや理不尽なことをもっと凶暴な現実に塗り替えてしまう激しさに、息を止めて読み進めた記憶があります。

      2013/03/14
    • smog1982さん
      nico314さん。こちらこそありがとうございます!

      白夜行も幻夜も、端的に言えば連続殺人事件なのに、恐怖とかじゃなくて、すごく切ない感じ...
      nico314さん。こちらこそありがとうございます!

      白夜行も幻夜も、端的に言えば連続殺人事件なのに、恐怖とかじゃなくて、すごく切ない感じがするのが、個人的に絶妙でした。
      2013/03/15
  • 20年弱に渡り、ある2人の登場人物の周りでとてつもなく恐ろしい事件が続く長い長い物語。
    得体の知れなさをずうううっと最後まで残し、どうしてこうなるんだ?と怖いけれど、でも先を早く読ませたくなる展開が続き
    最後100ページくらいで一気に全てが解消された感じ。
    切ねえぞこれ。

    ちょっとえぐい描写もちょいちょいあるので、苦手な人は
    ご注意。

  • 800ページを越える長編だったが、あっという間に読み終えた気がする。最後は、『あー、そいつが悪いやつやねん』と言いたくなったが、それが作者の狙いか。悪い奴は、捕まって欲しいものだ。

  • 読書に関しては特にこだわりはありません、作家とかジャンルとかね。

    気になった作家やタイトルをメモしておき、ブックオフの100円コーナーにあれば買う→読む。図書館は利用しないです。ハードカバーばかりで文庫本がなく、返却が面倒くさいので。

    今回は人気作家です。
    メモされたきっかけは重松清「疾走」が好きで、あの読後感をふたたびって事でググっていたらひっかかった作品が「白夜行」、この小説だけでなく他にも色々とピックアップしてますので、この文章は何度となく私の感想文の冒頭に登場してます。

    分厚い本で100円とはお得、と思い購入しました。裏表紙のあらすじを読んでみても確かに「疾走」を彷彿とさせるストーリーだなと思い、楽しみにしながら読み進めました。

    分厚い本ですが、どんどん進みます。伏線がはられ、各章毎にうならされるオチ。主人公の男女が気になって気になって基本的に通勤読書なんですが、電車乗り越してしまいましたよ(笑)

    しおりが右から左に進んでいきますが、主人公達の布石もあらゆるところに打たれてます。え、残りのページで拾い上げられるの?って不安が。
    明確な拾い上げ無く、エンディングです。 これが裏表紙にある壮大な叙事詩って意味かぁ~

    「疾走」とは全く違います、ヤフー知恵袋で聞かれても「逆夜行」はオススメしません。いや、単純に面白い小説としては絶賛オススメ中ですが。

    二人の主人公は罪を犯すのですが、愚行ではないんですよね。バカではないんです、むしろ賢いのです、そろばんずくな犯罪なんです、「疾走」のような閉塞感があってないんです。
    そして、二人の主人公は状況からどこかで会い、罪を企て、寄り添いながら白夜を生きているんです、たぶん。だが二人の接点は全く描かれていません。きっとなされているであろう二人の会話も描かれていません。
    あえて描かない選択です、落語家が噺のオチを多弁に語らない様に。

    が、白夜を行かざるを得ない二人の背景が哀しいだけに、質屋殺人事件の全容も含めそこは描いてほしかったかなぁとも思うし、描かないのがこの小説のよさなのかなぁとも思う。いや質屋殺人事件の全容は描かれていますが、叙事詩的と言うか事象を最小限に書いているだけとの印象をうけました。

    著者は松本清張に影響を受けたそうなんですがそれは読んでいて感じました。
    いわゆる社会派推理小説。なぜ罪を犯すのか?うん、これは現在の「砂の器」だ。

    崩れ落ちるウェットサンドの十字架を背負い白夜の道を行く。陽の下を歩こうものなら堅くかたまってくれるものを私たちはそれが許されない宿命。つまづけば崩れた十字架に埋もれ息絶えてしまう。つまづいては駄目なのだバランスを崩したら駄目なのだ完全犯罪でないと駄目なのだ。


    この作品、直木賞にノミネートされましたが残念ながら選にもれました。
    氏のあえて書かない試みは評価されているみたいですが、受賞には至らず。


    砂の十字架を背負った主人公たちに感情移入したいのに作者がそれを許さない。もどかしさ、もやもや感が残る読後感でしょうか。質屋殺人事件の真相が徐々に明らかになるにつれ徐々に感情移入させてほしかったかもね。

    この「白夜行」には続編があるらしい。
    続編と公表されていないような感じもするが、続編らしい。

  • 今まで読んだ中で最も好きな本である。
    私はジグソーパズルをするのが好きなのだが、これはまるでジグソーパズルのようなストーリーだと思う。
    「このピース、何だか分からないけど重要な部分で必要な気がする・・・すごく引っかかる、でも何だか全く分からない・・・」というピースがあり、あるとき他のピースとぴったりはまった瞬間に得られる快感、それと似た感覚をこの本を読んでいると何度も味わうことができる。
    作者は「このピースは実はこういうことだったんですよ!」という明らさまな種明かしはしない。主人公2人以外の登場人物の視点を通して、伏線がどういうことだったのか暗示するのである。その暗示により、頭の中で自分でピースとピースを組み立てる作業をしているような気分になる。
    余りにも引き込まれ、読み終わってから三日間位はこの本の世界観から抜け出すことができなかった。このような本は他に読んだことがない。
    (補足)続けて風と共に去りぬを読むとさらに面白さが倍増する。

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著者プロフィール

東野 圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
テレビドラマ・映画化された作品が多い。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほか、映画化が決まっている作品に2018年11月16日公開予定『人魚の眠る家』、2019年公開予定の木村拓哉主演『マスカレード・ホテル』、同年公開予定に玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』。

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