白夜行 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.05
  • (4780)
  • (3737)
  • (3401)
  • (270)
  • (66)
本棚登録 : 29900
レビュー : 3047
  • Amazon.co.jp ・本 (864ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474398

作品紹介・あらすじ

「白夜行」は今やミステリー小説の大家、東野圭吾の長編小説です。
質屋殺しの被害者の息子と容疑者の娘の二人が数奇な運命で結びつきます。もともと連作の短編として執筆された作品が単行本では長編として再構成されており、短編小説ならではの小気味よさと長編小説ならではのダイナミズムを併せ持つ壮大な小説となっています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • H29.9.24 読了。

    ・東野圭吾の長編小説。まさかの結末にすっきりしない気持ちが残る。事件関係者の中の小学生の男女が30歳ぐらいになるまでを時代背景とともに描いており、小説の中に出てくる黒電話→ポケベル→携帯電話の変遷やガラスのケースに収められた洋物のタバコやブランドスーツやブランドライターなど昭和を思わせる物に懐かしさも感じた。
    ・小説自体は、事件につながる内容が所々にちりばめられているも真相は…。歯がゆい思いをした。

  • 男と女。彼ら二人の接点や内面は描かれていないにもかかわらず、彼らを取り巻くさまざまな人の視点から、二人のつながりが浮かび上がってくる。一見、明るい太陽の下に生きる女と、暗い夜に生きる男のように思われるが、白夜のような昼とも夜ともいえない時間を、二人だけで過ごすことを選び、その世界は決して周囲の世界と交わらないように感じた。幼いころの忌まわしい記憶を共有する二人は、夜がおわり、朝が来ることを望むことができない世界で、お互いだけを信じて生きていかねばならなかった。二人を取り巻く世界で起こる事件に深く関与する男と女として、冷たい心をもった恐ろしい人間像を想像してしまいそうになった。しかし、幼いころに彼らの心を冷たく閉ざしてしまった原因が、実は身近な大人にあったことが分かった瞬間、彼らの言動の裏にはどれほどの悲しみや苦しみ、憎しみがあり、それを抱え続けなければならなかった現実に、胸がしめつけられるようだった。きっと二人は、誰よりも「愛されたい」と願っていた。自らの欲望を満たすためだけの無自覚で身勝手な大人の行いこそが、何よりも冷酷で恐ろしい。

  • ちょっと長くてちょっと古い。それでも圧倒的な話だった。
    最後に番狂わせとか深く感動することがあるわけじゃなくて、むしろ少し腑に落ちないこともあるので東野作品の傑作!と他人におすすめすることはないですが、東野さんの初期作品で有名な小説、じっくり固めていくこの構成、読んで良かったと思う。特に「疑惑を持って追っていく」立場の登場人物たち(笹垣や篠原や今枝、それと読者への見せ方)それぞれの、現在の状況と認識の書き分けがすごく上手い。

    ほのかに見え隠れする悪意と接点が、どうやって現在から18年前?20年前?の過去につながっていくのか、続きが読みたくて仕方がない。
    でも最後まで読み終えて、途中なんとなく惰性で読む部分があって、なんとなく回収しきれてないモヤモヤしたものが残る。桐原の性癖とか雪穂の最終目標、とか。

  • ドラマを何回も見て大好きな作品だったため本を読んだ。雪穂の「ずっと夜を生きてきた。でも太陽に代わる存在があった」という感じの部分が途中にあったけど、そこで2人の絆の強さを感じた。決して亮司は利用されてないんだなって。。。 あと、ドラマの山田孝之は本の人物像を見事に表現できてると思った。すごく面白い作品だった。

    • nico314さん
      smog1982さん、初めまして。
      フォローありがとうございました。

      この本は、私にとっても、東野作品の中で最も印象に残っています。...
      smog1982さん、初めまして。
      フォローありがとうございました。

      この本は、私にとっても、東野作品の中で最も印象に残っています。
      追っかけ始めた頃に手に取り、強い衝撃を受けて、続けて「幻夜」も読みました。

      辛いことや理不尽なことをもっと凶暴な現実に塗り替えてしまう激しさに、息を止めて読み進めた記憶があります。

      2013/03/14
    • smog1982さん
      nico314さん。こちらこそありがとうございます!

      白夜行も幻夜も、端的に言えば連続殺人事件なのに、恐怖とかじゃなくて、すごく切ない感じ...
      nico314さん。こちらこそありがとうございます!

      白夜行も幻夜も、端的に言えば連続殺人事件なのに、恐怖とかじゃなくて、すごく切ない感じがするのが、個人的に絶妙でした。
      2013/03/15
  • 10年ぶりくらいに再読。もっとかな。相変わらずとんでもない重さの文庫本で、でもこれを上下巻に分けてしまったら魅力は半減するんじゃないかなと思います。文庫にはあるまじき持ち歩けないほどの重さですし、ちょっと手首がしんどいのですが、東野作品の最高傑作だと思うので我慢です。一番好きな東野作品は別にありますが、間違いなく彼の一番の代表作と言っても良いのではないかと思います。
    主人公ともいえる雪穂と亮司視点のシーンが一切ないことが、より一層凄みのある作品になってます。多分2人がチラリとでも自分の感情や気持ちを語っていたら白けたかもしれません。あくまで限りなく黒に近いグレーで、雪穂と亮司の犯罪を臭わせているだけ。2人の間に信頼関係があるのか主従関係があるのかそれすら想像するしかないですが、雪穂が雪穂でいられるのは亮司の前だけで、亮司が亮司でいられるのも雪穂の前だけだったらいいなと思います。

  • おもしろかった。ひきこまれた。
    最初、なんの話なのかさっぱりわからなかった。章ごとに時代が変わり、登場人物が変わり、混乱した。しかも事件・出来事は解決しないで終わってしまう。何が起きているのか、なんの意味があったのか見えてこない。はっきり言って最初は引き込まれなかったし、つまらないと感じた。読み進めていると2人の男女が浮かび上がってくる。でも2人の一人称の心情や描写はまったくない。他の登場人物からの視点でしか語られない。そんな不明瞭なことが続いていくが、だんだん2人が何をしたのか、どうつながっているのか、なんの意味があったのか見えてくる。パズルが埋まってく感覚にすごい引き込まれた。他人の視点からしか書いていないから想像するしかない、でもそれがまた楽しい。どんどん知りたくなって読み進めた。

  • 主人公たちの基本的な心理描写がないことが、物語全体にが不穏な空気を漂わせていた。あるとしても、断片的で、物語のアクセントになるような、しかしミステリーとしては重要でないことだったりして、もどかしくもあり心地よかったりもする。雪穂に関しては、泣いていたとしても、それは悲しいからなのか?それとも泣く演技なのか?と疑いの目で見てしまう。完全に刑事側の目線で見ていた。一方で、亮司に捜査の手がおよび始めてから、なんとか逃げ延びてくれと、祈る気持ちもあった。同棲していたあの女がバラしたりした時は、悔しい気持ちにすらなった。しかし一方で、捕まってしまうこともある種仕方のないことだと思っているところもあったのかもしれない。白夜に生きることとなってしまった彼らからは影を感じた。その気持ちが捜査の手を伸ばすきっかけとなってしまったのだろう。しかし、本当の気持ちのところはわからない。結局最後まで本当の雪穂はわからない。雪穂と亮司の逢瀬のシーンはごく僅かだし、そこまで感情移入する間柄だったのかと疑問すらある。ぼんやりしたところが多い分想像で補い、この作品の幻想的な雰囲気を作り上げていると思う。だからと言って、雪穂と亮司の逢瀬シーンなどがあったらそれはそれで興ざめする。物語全般的に答えは読者に委ねられているような気がした。大小問わず。

    映画など、鑑賞してみよう。

  • 20年弱に渡り、ある2人の登場人物の周りでとてつもなく恐ろしい事件が続く長い長い物語。
    得体の知れなさをずうううっと最後まで残し、どうしてこうなるんだ?と怖いけれど、でも先を早く読ませたくなる展開が続き
    最後100ページくらいで一気に全てが解消された感じ。
    切ねえぞこれ。

    ちょっとえぐい描写もちょいちょいあるので、苦手な人は
    ご注意。

  • 800ページを越える長編だったが、あっという間に読み終えた気がする。最後は、『あー、そいつが悪いやつやねん』と言いたくなったが、それが作者の狙いか。悪い奴は、捕まって欲しいものだ。

  • 解説を含めて860ページの長編です。
    ガリレオのドラマで東野圭吾さんの作品は知っていましたが、本で読むのははじめてです。

    事件が発覚したその日から、時効になってゆく殺人事件を追い続けた笹垣刑事の渾身の19年が描かれています。
    最初の犯罪からハゼとエビによって9人が亡くなり、3人の女性が酷い事件に巻き込まれます。亮を含めるとしたら10人。
    奈美江さんの犯罪は、実際に起こった事件を思い出しました。
    図書館ですごす二人の小学生が、どうして狡猾な恐ろしい犯罪者になっていったか。
    親が幼女売春の客と売人という事実は、最初の犯罪の前におこっている立派な犯罪。笹垣さんはそこにしっかり辿りつく。
    事件の発覚を避けるために何の罪もない誠実な人々も巻き込まれていったこの一連の事件の本当の加害者は誰だろう。
    白夜を生き続けなければならなかった二人とその軌跡を描くこの小説から、危険を避ける知恵や示唆や教訓を得られる人もいらっしゃるのではないかと思います。

全3047件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

白夜行 (集英社文庫)のその他の作品

白夜行 単行本 白夜行 東野圭吾

東野圭吾の作品

白夜行 (集英社文庫)に関連する談話室の質問

白夜行 (集英社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする