白夜行 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.05
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本棚登録 : 30020
レビュー : 3053
  • Amazon.co.jp ・本 (864ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474398

作品紹介・あらすじ

「白夜行」は今やミステリー小説の大家、東野圭吾の長編小説です。
質屋殺しの被害者の息子と容疑者の娘の二人が数奇な運命で結びつきます。もともと連作の短編として執筆された作品が単行本では長編として再構成されており、短編小説ならではの小気味よさと長編小説ならではのダイナミズムを併せ持つ壮大な小説となっています。

感想・レビュー・書評

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  • H29.9.24 読了。

    ・東野圭吾の長編小説。まさかの結末にすっきりしない気持ちが残る。事件関係者の中の小学生の男女が30歳ぐらいになるまでを時代背景とともに描いており、小説の中に出てくる黒電話→ポケベル→携帯電話の変遷やガラスのケースに収められた洋物のタバコやブランドスーツやブランドライターなど昭和を思わせる物に懐かしさも感じた。
    ・小説自体は、事件につながる内容が所々にちりばめられているも真相は…。歯がゆい思いをした。

  • 男と女。彼ら二人の接点や内面は描かれていないにもかかわらず、彼らを取り巻くさまざまな人の視点から、二人のつながりが浮かび上がってくる。一見、明るい太陽の下に生きる女と、暗い夜に生きる男のように思われるが、白夜のような昼とも夜ともいえない時間を、二人だけで過ごすことを選び、その世界は決して周囲の世界と交わらないように感じた。幼いころの忌まわしい記憶を共有する二人は、夜がおわり、朝が来ることを望むことができない世界で、お互いだけを信じて生きていかねばならなかった。二人を取り巻く世界で起こる事件に深く関与する男と女として、冷たい心をもった恐ろしい人間像を想像してしまいそうになった。しかし、幼いころに彼らの心を冷たく閉ざしてしまった原因が、実は身近な大人にあったことが分かった瞬間、彼らの言動の裏にはどれほどの悲しみや苦しみ、憎しみがあり、それを抱え続けなければならなかった現実に、胸がしめつけられるようだった。きっと二人は、誰よりも「愛されたい」と願っていた。自らの欲望を満たすためだけの無自覚で身勝手な大人の行いこそが、何よりも冷酷で恐ろしい。

  • ちょっと長くてちょっと古い。それでも圧倒的な話だった。
    最後に番狂わせとか深く感動することがあるわけじゃなくて、むしろ少し腑に落ちないこともあるので東野作品の傑作!と他人におすすめすることはないですが、東野さんの初期作品で有名な小説、じっくり固めていくこの構成、読んで良かったと思う。特に「疑惑を持って追っていく」立場の登場人物たち(笹垣や篠原や今枝、それと読者への見せ方)それぞれの、現在の状況と認識の書き分けがすごく上手い。

    ほのかに見え隠れする悪意と接点が、どうやって現在から18年前?20年前?の過去につながっていくのか、続きが読みたくて仕方がない。
    でも最後まで読み終えて、途中なんとなく惰性で読む部分があって、なんとなく回収しきれてないモヤモヤしたものが残る。桐原の性癖とか雪穂の最終目標、とか。

  • ドラマを何回も見て大好きな作品だったため本を読んだ。雪穂の「ずっと夜を生きてきた。でも太陽に代わる存在があった」という感じの部分が途中にあったけど、そこで2人の絆の強さを感じた。決して亮司は利用されてないんだなって。。。 あと、ドラマの山田孝之は本の人物像を見事に表現できてると思った。すごく面白い作品だった。

    • nico314さん
      smog1982さん、初めまして。
      フォローありがとうございました。

      この本は、私にとっても、東野作品の中で最も印象に残っています。...
      smog1982さん、初めまして。
      フォローありがとうございました。

      この本は、私にとっても、東野作品の中で最も印象に残っています。
      追っかけ始めた頃に手に取り、強い衝撃を受けて、続けて「幻夜」も読みました。

      辛いことや理不尽なことをもっと凶暴な現実に塗り替えてしまう激しさに、息を止めて読み進めた記憶があります。

      2013/03/14
    • smog1982さん
      nico314さん。こちらこそありがとうございます!

      白夜行も幻夜も、端的に言えば連続殺人事件なのに、恐怖とかじゃなくて、すごく切ない感じ...
      nico314さん。こちらこそありがとうございます!

      白夜行も幻夜も、端的に言えば連続殺人事件なのに、恐怖とかじゃなくて、すごく切ない感じがするのが、個人的に絶妙でした。
      2013/03/15
  • 10年ぶりくらいに再読。もっとかな。相変わらずとんでもない重さの文庫本で、でもこれを上下巻に分けてしまったら魅力は半減するんじゃないかなと思います。文庫にはあるまじき持ち歩けないほどの重さですし、ちょっと手首がしんどいのですが、東野作品の最高傑作だと思うので我慢です。一番好きな東野作品は別にありますが、間違いなく彼の一番の代表作と言っても良いのではないかと思います。
    主人公ともいえる雪穂と亮司視点のシーンが一切ないことが、より一層凄みのある作品になってます。多分2人がチラリとでも自分の感情や気持ちを語っていたら白けたかもしれません。あくまで限りなく黒に近いグレーで、雪穂と亮司の犯罪を臭わせているだけ。2人の間に信頼関係があるのか主従関係があるのかそれすら想像するしかないですが、雪穂が雪穂でいられるのは亮司の前だけで、亮司が亮司でいられるのも雪穂の前だけだったらいいなと思います。

  • おもしろかった。ひきこまれた。
    最初、なんの話なのかさっぱりわからなかった。章ごとに時代が変わり、登場人物が変わり、混乱した。しかも事件・出来事は解決しないで終わってしまう。何が起きているのか、なんの意味があったのか見えてこない。はっきり言って最初は引き込まれなかったし、つまらないと感じた。読み進めていると2人の男女が浮かび上がってくる。でも2人の一人称の心情や描写はまったくない。他の登場人物からの視点でしか語られない。そんな不明瞭なことが続いていくが、だんだん2人が何をしたのか、どうつながっているのか、なんの意味があったのか見えてくる。パズルが埋まってく感覚にすごい引き込まれた。他人の視点からしか書いていないから想像するしかない、でもそれがまた楽しい。どんどん知りたくなって読み進めた。

  • なぜ、彼は彼女をそこまで守るのか。

  • 主人公たちの基本的な心理描写がないことが、物語全体にが不穏な空気を漂わせていた。あるとしても、断片的で、物語のアクセントになるような、しかしミステリーとしては重要でないことだったりして、もどかしくもあり心地よかったりもする。雪穂に関しては、泣いていたとしても、それは悲しいからなのか?それとも泣く演技なのか?と疑いの目で見てしまう。完全に刑事側の目線で見ていた。一方で、亮司に捜査の手がおよび始めてから、なんとか逃げ延びてくれと、祈る気持ちもあった。同棲していたあの女がバラしたりした時は、悔しい気持ちにすらなった。しかし一方で、捕まってしまうこともある種仕方のないことだと思っているところもあったのかもしれない。白夜に生きることとなってしまった彼らからは影を感じた。その気持ちが捜査の手を伸ばすきっかけとなってしまったのだろう。しかし、本当の気持ちのところはわからない。結局最後まで本当の雪穂はわからない。雪穂と亮司の逢瀬のシーンはごく僅かだし、そこまで感情移入する間柄だったのかと疑問すらある。ぼんやりしたところが多い分想像で補い、この作品の幻想的な雰囲気を作り上げていると思う。だからと言って、雪穂と亮司の逢瀬シーンなどがあったらそれはそれで興ざめする。物語全般的に答えは読者に委ねられているような気がした。大小問わず。

    映画など、鑑賞してみよう。

  • 20年弱に渡り、ある2人の登場人物の周りでとてつもなく恐ろしい事件が続く長い長い物語。
    得体の知れなさをずうううっと最後まで残し、どうしてこうなるんだ?と怖いけれど、でも先を早く読ませたくなる展開が続き
    最後100ページくらいで一気に全てが解消された感じ。
    切ねえぞこれ。

    ちょっとえぐい描写もちょいちょいあるので、苦手な人は
    ご注意。

  • 800ページを越える長編だったが、あっという間に読み終えた気がする。最後は、『あー、そいつが悪いやつやねん』と言いたくなったが、それが作者の狙いか。悪い奴は、捕まって欲しいものだ。

  • 解説を含めて860ページの長編です。
    ガリレオのドラマで東野圭吾さんの作品は知っていましたが、本で読むのははじめてです。

    事件が発覚したその日から、時効になってゆく殺人事件を追い続けた笹垣刑事の渾身の19年が描かれています。
    最初の犯罪からハゼとエビによって9人が亡くなり、3人の女性が酷い事件に巻き込まれます。亮を含めるとしたら10人。
    奈美江さんの犯罪は、実際に起こった事件を思い出しました。
    図書館ですごす二人の小学生が、どうして狡猾な恐ろしい犯罪者になっていったか。
    親が幼女売春の客と売人という事実は、最初の犯罪の前におこっている立派な犯罪。笹垣さんはそこにしっかり辿りつく。
    事件の発覚を避けるために何の罪もない誠実な人々も巻き込まれていったこの一連の事件の本当の加害者は誰だろう。
    白夜を生き続けなければならなかった二人とその軌跡を描くこの小説から、危険を避ける知恵や示唆や教訓を得られる人もいらっしゃるのではないかと思います。

  • 読書に関しては特にこだわりはありません、作家とかジャンルとかね。

    気になった作家やタイトルをメモしておき、ブックオフの100円コーナーにあれば買う→読む。図書館は利用しないです。ハードカバーばかりで文庫本がなく、返却が面倒くさいので。

    今回は人気作家です。
    メモされたきっかけは重松清「疾走」が好きで、あの読後感をふたたびって事でググっていたらひっかかった作品が「白夜行」、この小説だけでなく他にも色々とピックアップしてますので、この文章は何度となく私の感想文の冒頭に登場してます。

    分厚い本で100円とはお得、と思い購入しました。裏表紙のあらすじを読んでみても確かに「疾走」を彷彿とさせるストーリーだなと思い、楽しみにしながら読み進めました。

    分厚い本ですが、どんどん進みます。伏線がはられ、各章毎にうならされるオチ。主人公の男女が気になって気になって基本的に通勤読書なんですが、電車乗り越してしまいましたよ(笑)

    しおりが右から左に進んでいきますが、主人公達の布石もあらゆるところに打たれてます。え、残りのページで拾い上げられるの?って不安が。
    明確な拾い上げ無く、エンディングです。 これが裏表紙にある壮大な叙事詩って意味かぁ~

    「疾走」とは全く違います、ヤフー知恵袋で聞かれても「逆夜行」はオススメしません。いや、単純に面白い小説としては絶賛オススメ中ですが。

    二人の主人公は罪を犯すのですが、愚行ではないんですよね。バカではないんです、むしろ賢いのです、そろばんずくな犯罪なんです、「疾走」のような閉塞感があってないんです。
    そして、二人の主人公は状況からどこかで会い、罪を企て、寄り添いながら白夜を生きているんです、たぶん。だが二人の接点は全く描かれていません。きっとなされているであろう二人の会話も描かれていません。
    あえて描かない選択です、落語家が噺のオチを多弁に語らない様に。

    が、白夜を行かざるを得ない二人の背景が哀しいだけに、質屋殺人事件の全容も含めそこは描いてほしかったかなぁとも思うし、描かないのがこの小説のよさなのかなぁとも思う。いや質屋殺人事件の全容は描かれていますが、叙事詩的と言うか事象を最小限に書いているだけとの印象をうけました。

    著者は松本清張に影響を受けたそうなんですがそれは読んでいて感じました。
    いわゆる社会派推理小説。なぜ罪を犯すのか?うん、これは現在の「砂の器」だ。

    崩れ落ちるウェットサンドの十字架を背負い白夜の道を行く。陽の下を歩こうものなら堅くかたまってくれるものを私たちはそれが許されない宿命。つまづけば崩れた十字架に埋もれ息絶えてしまう。つまづいては駄目なのだバランスを崩したら駄目なのだ完全犯罪でないと駄目なのだ。


    この作品、直木賞にノミネートされましたが残念ながら選にもれました。
    氏のあえて書かない試みは評価されているみたいですが、受賞には至らず。


    砂の十字架を背負った主人公たちに感情移入したいのに作者がそれを許さない。もどかしさ、もやもや感が残る読後感でしょうか。質屋殺人事件の真相が徐々に明らかになるにつれ徐々に感情移入させてほしかったかもね。

    この「白夜行」には続編があるらしい。
    続編と公表されていないような感じもするが、続編らしい。

  • 今まで読んだ中で最も好きな本である。
    私はジグソーパズルをするのが好きなのだが、これはまるでジグソーパズルのようなストーリーだと思う。
    「このピース、何だか分からないけど重要な部分で必要な気がする・・・すごく引っかかる、でも何だか全く分からない・・・」というピースがあり、あるとき他のピースとぴったりはまった瞬間に得られる快感、それと似た感覚をこの本を読んでいると何度も味わうことができる。
    作者は「このピースは実はこういうことだったんですよ!」という明らさまな種明かしはしない。主人公2人以外の登場人物の視点を通して、伏線がどういうことだったのか暗示するのである。その暗示により、頭の中で自分でピースとピースを組み立てる作業をしているような気分になる。
    余りにも引き込まれ、読み終わってから三日間位はこの本の世界観から抜け出すことができなかった。このような本は他に読んだことがない。
    (補足)続けて風と共に去りぬを読むとさらに面白さが倍増する。

  • ほぼ初めての東野圭吾、分厚い白夜行。

    こんなメジャーの作家さんの作品をちょー笑顔で肯定するのはこっ恥ずかしいけどスゲー面白かった。

    伊坂も好きだし東野圭吾も好きだしってなると、どんだけ流行りもの好きなんだよ感じだけれども、結局は人気がある作家さんにはやはり、人気になるだけの理由があるのだなーと思ったわけで。

    まず、やっぱり読みやすい。そして正直、気持ちの良い内容の話ではないのに、本の中がとても居心地が良い。これほどまでに、「ずっとあっちにいたい、仕事行きたくない、早く続きが読みたい。」って状態になったのは久しぶりだったかも。

    作風については、すごく“臭わせてくる”作りだったと思う。
    わざと読者に分かるようにヒントを散りばめてくるので「もしかして~なのか」ってイメージをずっと維持したまま最後まで読んじゃったって印象。
    こういう読者に親切な小説はあまり読んだことが無かったので個人的には新鮮。

    最初から最後まで主人公達が一人称で語らないって構成だったというのもあるかもしれないけれど、神目線でも第三者目線でも一切を断言せずに、状況だけで説明されているような、主人公についての噂話をずっと聞いているような不思議な感じ。

    そしてストーリー。とにかく「白夜行面白いから読んだほうが良いよ」って今更ながら言ってまわりたい気分なんだけれど、いざどんな話なの?って聞かれるとスゲー説明に困る。
    読んで欲しいからネタバレはもちろんダメなんだけれど、そうするとどうやってあの“黒い薔薇”のことを説明すれば良いのか。

    えーと、19年前にある殺人事件が起きて、その事件の担当刑事と、その被害者の子供と容疑者の子供の話で、章を追うごとにその子供達は成長していくんだけれど、いつも物語の中心にその子達はいなくて、ある章では近所の女子高の美人の子で、ある章ではコンピューター会社を運営してたり、ある章では誰かの奥さんだったり、、、そんで一見バラバラに見える各章の人物だったり、出来事だったりは良く見ると繋がっていて、それに気づいた刑事が、、、みたいな良く分からない説明をするハメになる。

    とにかくマジ怖えーよ黒い薔薇。

    そしてオレが小説を読むときの楽しみの一つに、なぜこのタイトルになったのか。というのを想像しながら読む、あわよくばその元になったであろうシーンを見つける。っていうのがあるんだけれども、この「白夜行」ってタイトル、作品のイメージにぴったりで良いですね。

    中華料理屋の回るテーブルの上に置かれた料理を次から次へと食べながら、あれ、この食材はさっきの料理にも使われていたような。とか、この料理の隠し味はなんだろう。とか考えていたら、いつの間にか凄い量の料理を平らげていました。そんな感じの小説でした。

  • 読んでいる時はジグソーパズルをしているような気持ちになった。
    あらゆる出来事が後の章で話が繋がっていき、亮司と雪穂の人生を型取っていく。
    それが面白くて気がついたら100ページ、200ページと読み進められた。
    ラストピースは2人が逮捕されて全てが解明されることによりジグソーパズルが完成としたかったけど、
    そうではないラストと投げっぱなしの登場人物達に消化不良感がある。
    2人の最終的な目的が分からなかったけど、
    雪穂の名前の由来が「『雪』では『穂』は実らない」と捉えたら、
    タイトルに通じるものがある気がして何となく納得。

    主人公の2人の心理描写がなく、2人の周囲の人達の視点からのみで物語が進む。
    そのおかげで読み終わった後も、色々と想像して本の世界へ誘われる。
    直ぐに再読したいけど、ページ数が多くて気後れしている(苦笑)。
    レビューサイトを見てると、自分と同じような感想を持った方は少なかった。
    色々な解釈をされていて、目から鱗なことも多かった。
    作者からの提示が少なくて、読む側の想像に任せられる部分が多いおかげだと思う。


    以前に、ページ数と文体に慣れずに挫折したことがあった。
    だが、最近になってガリレオシリーズをハマって作風にも慣れたところで
    再挑戦した結果、面白く読めたことの達成感が嬉しい。

    著者は否定しているが、連作とされている『幻夜』も読む予定。
    ドラマや映画も観て『白夜行』の世界をどっぷり楽しみたい。

  • 何度も何度も読み返した作品。
    好きなシーンというか、印象に残っているシーンは本当に
    多すぎて、書ききれないほど。今はもう手元にないのですが
    ぜひまた購入したいと思っています。それくらい好きな作品。

    桐原亮司は東野作品の中でも一番好きな男の人かもしれない。
    彼は心に闇をもっている青年で、やっていることもとんでもないですが
    そうならざるを得ない過去があったのです。

    ヒロインの唐沢雪穂は、人並外れた美貌をもつ少女で色んな男性から
    好意をもたれるが、彼女が恵まれていたのはずば抜けた容姿だけ。
    それはそれは壮絶な人生を歩んできており、過去に負った大きな傷を
    抱えながら生きているのです。
    そして、彼女に関わった者は必ず不幸になってしまう。

    表向きは、太陽の光降り注ぐ中、周りの人全ての羨望を集めて、
    まさに華やかな世界の中心で生きているような雪穂。

    対照的に、日の光の当たらないところで、普通の人とはかけ離れた
    生活をする亮司。主婦売春の斡旋、ゲームソフトの偽造に乗り出す
    などの裏稼業を営み、切れ者であると同時にソフトウェアの知識は
    プロ並み。

    しかし、二人が歩んできた道は実はずっと同じだったのです。
    決して交わることはないけれど、二人の間には確かなつながりがあり
    深い絆があった。

    成長した二人が会うシーンなどはないのですが、ところどころに
    雪穂と亮司が確かに繋がっているシーンがあるのです。
    注意して読まなければ分からないほど、本当にさりげない感じで。

    二人の絆は恋愛感情ではなく、友情でもない。
    本当に二人にしかわからないであろうつながり。

    この作品の大きなポイントは、主人公である二人の心理描写が
    極力(一切ともいえる)描かれていないこと。

    亮司と雪穂、それぞれの周りの人物から見た二人の姿を
    描いた物語。

    かなりの長編ですが、それが全然気にならないほど話の世界に
    ぐいぐい引き込まれていきます。こんなに面白い小説があったのかと
    思いました。全て読んでしまうのがもったいない、でも先が知りたい、
    いっそこのまま読むのをやめようか……。

    そんな感情にさせてくれたのはこの小説がはじめて。

    私のまだ数少ない読書経験を語る上で欠かせないのが
    東野圭吾さんですが、この作品はとくに思い入れがあります。

    こんな長いレビュー書いたの初めてだわ。
    ありがとう東野圭吾さん。これからも読み続けます。

  • ずっと昔にドラマで見た白夜行の原作。

    なんとなくの話の展開は理解していたのでページ数あるし
    ゆっくり読むぞーと思いつつ面白くて2日で読了。笑

    主人公の2人が話す場面は1度もなく
    全て周りの人が推測で語る展開。

    幼い2人がただただ可哀想。
    亮司は何故そこまでして雪穂を守るのか…。
    昼間を歩きたいと語った彼はどのような思いだったのか。

    そして最後の最後まで他人を貫きましたね。

    次は幻夜読みます。

  • ページをめくる手が止まらない、止められない。そんな圧倒的なストーリー。
    主人公とも言える2人の主観が一切ないが、物語を読み進めるに従い、ひしひしと伝わってきます。
    個人的には筆者の最高傑作だと思います。

  • 今まで東野圭吾さんの作品はいくつか読んできたが、確かに面白いと思った作品はいくつかあったが正直世間が評価するほど面白いとは思はなかった。
    今回の白夜行もそんなに期待して読み始めたわけじゃなかったけど東野圭吾に対する自分の中の評価が一変した。
    とにかく850ページもあるのに全く中弛みなく読ませる文章力と約20年に渡る物語を凄く上手にまとめている。
    色んなものを背負って生きてきたであろう主人公2人の心情も一切説明することもなく全てを読者の想像に任せているのも良いと思った。
    ただほんとうに何も語らずにああいう最期を迎えた亮司と雪穂の気持ちを思うとなんともやり切れない思いがした。

  • 小説をまた読み始めた最初の小説
    昔テレビドラマになった作品で、小説のほうも読んでみたくなったので読み始めた。

    物語の中心人物の男女の視線でなく、主にその周りの人物の視点で書かれた小説でした。

    ドラマでは最後は絶望感というか、誰も幸せにならない最後だったと思ったが、小説では、刃物で切り落とされた様な感じであっさり終わってしまった。

    いらいろ考えさせられた小説でした。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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