チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 797
レビュー : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474404

作品紹介・あらすじ

遠い未来。惑星ナインへ移住した人類は、人工子宮を活用し、世界に繁栄をもたらした。だが、やがてなんらかの要因で生殖能力を欠く者が増加し、ついに"最後の子供"ルナが誕生してしまう。滅びゆく惑星にひとり取り残されたルナは、コールド・スリープについていた人々を順に起こし始める。時を越え目覚めた者たちによって語られる、惑星ナインの逆さ年代記。第二十回日本SF大賞受賞作

感想・レビュー・書評

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  • 2019年集英社ナツイチフェアで購入。上下巻。

    第20回日本SF大賞受賞作。
    文体が独特で、他の方のレビューを拝見していると苦手な方もおられるようですが…私は好きです。

    ルナの登場からちょっとギョッとしましたが怖くはなく、むしろ何があったんだ?!という感覚で面白かったです。

    終盤になって私にもこの本のテーマが見えてきて、奥深く色々なことを考えはじめました。
    「最後の子供」として生まれたルナの気持ち、人生の意味、そして愛……。
    読んでいるとちょっと切なくなりますけれど。
    登場人物達の感情の変化がとてもよく描かれているな、と思いました。

    下巻に続きますが、結末の予想がつかないので既にドキドキしています。
    ルナ、そしてレイディ・アカリはどうなるのか。

    それでは下巻へ……。

  • 是非、下巻まで読んでほしい。
    はじめは読みやすいんだけど、だんだん謎が多かったりして嫌になってくる。だけど下巻の最終章でレイディ・アカリがでてくるところまで行かなきゃ損!そこが一番面白いと思った。それにそれぞれの短編で考えさせられることが多い。
    読み途中は早く終わらせたかったけど、読み終わるとすごくよかったと気付いた。

  • 読み進めるごとに明らかになっていくナインの歴史。
    そこに編みこまれるそれぞれの女性たちの悲喜こもごも。
    すーっと引き込まれていく物語設定である。

  • 惑星移民系のSFが読みたくてこの作品をチョイス。しかし思っていた様な内容では無く少しがっかりする。(もっとこう波乱万丈の末、目的の惑星に着き、そこでの開拓生活を描いた様なSFが読みたい気分だった)その上この文体!決して否定する訳では無いけど、合う合わないはあると思う。まるで少女マンガを文章で読んでいる様な感じ。しかし惑星ナインの行く末は気になる。下巻へ続く!

  • 惑星「ナイン」は9番目の植民惑星。太陽系からわずか10光年、数十年の航路。移民船にクルーは35名、人工子宮百基と受精卵数万個、航路途上船中で誕生し三百余で始めた植民は数十年でニンゲン社会を作ることに成功し、地球由来の昆虫や植物も混在する環境になったのだが300年後、原因不明の男女双方が妊娠機能ほぼ喪失で二三世代で絶滅が眼前…/受胎能力がいくらかあると期待される女性へのプレッシャー、毎月経血を見るときの「残念…来月に期待」の焦燥/不治の病を救う治療技術が開発されることを願ってコールドスープで未来に逃れた者たちは、救いのない生産完全オートメーションの中の「最後の子供」に直面

  • SFかと言われると未来の話だからSFだけど全体的にはサイエンス・フィクションではないかなあ…。
    最後の子供として生まれたルナ、決して望んで最後の子供になった訳では無い。そのルナの怒りや苦しみが自分がこうなった責任を負うべきであろう先人達への復讐心になる。
    どの話も結構誰にでも刺さるというか、現代的で今ある問題な気もする。
    自分はなんのために生まれて生きているのか、生きていくのか、そのアイデンティティは?それを支えているものとは?
    子供を産むことが特権階級になったマリア、頭が良く惑星ナインの未来を考えられる人間でいることが特権階級のダイアナ、そして生まれた時から特権階級のトモミ。
    レイディアカリがコールドスリープから起こされた時どうなるのか気になる。

    いつか地球にも最後の子供が生まれたりするんだろうか。もしそうなった時に責任を負うのは誰だ?

  • 一人一人の登場人物の思いが下巻へ繋がっていく。
    下巻が気になる。
    文に癖があるという投稿を先に読んだからか、多少表現が気になる点はあったが、リズムがあり私は読みやすかった。

  • 地球を飛び出し遠い惑星に移住した人類は、ひと時繁栄するも、生殖機能の低下による急激な人口減少により、4世紀ほどで滅亡の時を迎える。
    コールドスリープに眠る、それぞれの時代の特権階級の女性と、最後の一人の邂逅を描く。

    私にとっては、最初の方は、(控えめに言って)結構退屈。終末目前の時代では、生殖能力がある者が働くこともなく生活を保障される特権階級で、その「エリート」中の「エリート」の女性の独白・・・生殖の可能性がある者同士の結婚で子どもができないでいると、一方が一方にひどくあたったり、精神的に追い込まれていったり、なんて話は、そら子どもを生むことが至上命題ならそういうことにもなるだろうと思うものの、あんまり共感できないし、読んでて楽しいもんじゃない。

    でも、2人目の人物から後は、各時代を背景とした登場人物と自分との距離感はそれぞれだけど、なかなかに面白く、最後の一人との邂逅の展開も興味深い。

    結局のところ、命の挫折の物語かな。下巻では、さらに核心に進んでいくのでしょう。

  • 私の趣味じゃない。

  • SFなのに人間の本質に迫るドラマがあった。下巻を早く読みたい。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒業。都立高校二年在学中の77年、「あたしの中の……」が、星新一氏の絶賛を浴び、第一回奇想天外SF新人賞佳作に入選、作家デビュー。その新鮮な文体は当時の文芸界に衝撃を与え、後進の作家たちに多大な影響を与えた。81年「グリーン・レクイエム」、82年「ネプチューン」で二年連続の星雲賞日本短篇部門を受賞。99年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞。『星へ行く船』『おしまいの日』『ハッピー・バースデイ』『イン・ザ・ヘブン』『未来へ……』『この橋をわたって』などの小説の他、エッセイ集も多数あり、近年は囲碁エッセイ『素子の碁 サルスベリがとまらない』が話題に。作家生活四十年を超えて今なお、旺盛な執筆活動で読者からの絶大な支持を受け続けている。

「2019年 『新井素子SF&ファンタジーコレクション2 扉を開けて 二分割幽霊綺譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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