エンジェル (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 283
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474763

感想・レビュー・書評

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  • 殺された主人公が、幽霊になって、自分の死の真相を探るお話。

    石田衣良さんの本は初めてでしたが、文章のテンポが良く読みやすかったです。さわやかな文章って感じかな。
    最近、自分の予想を気持ちよく外してくる小説ばっかり読んでたので、ストーリー的に驚きは少なかったです。
    正直、読了直後はピンと来なかった。

    ただ、思い返してみるとこの本の読みどころはそこじゃないよね。
    心を開かず一人で生きると決めたのに愛した男、子の為、兄弟の為に色々なものを犠牲にした男達。
    キャラの人情味とストーリーが、やるせないけど、この世界もそんなに悪いもんじゃないと思わせてくれます。

  • 石田衣良作品の中で一番好き
    石田さんの文章は
    自分と相性が悪いんだけど
    この作品だけは一気に読めたし楽しめた

  • 死者(魂?)の視点から自分の死の原因を探っていくという展開はなかなか面白いのだが、肝心のミステリープロットにあっと言わせるところが無いのが残念。主人公の過去についてはフラッシュバックの部分で丁寧に描かれている割に他の登場人物の描写が浅い。そのためか、周辺人物の(主人公の死にまつわる重要な)行動の動機づけにあまり共感出来ず、感動するべきラストシーンで個人的には盛り上がれなかった。

  • 一気に最後まで読める作品です。
    投資会社の若きオーナーが殺され、幽霊となって真相を追究する作品ですが、どろどろとした感じはなく、ストーリー展開も速く、すんなり物語の中にはいっていけます。幽霊の描写、ストーリーは、映画「ゴースト」を思い出しますね。

  • ファンタジーですね。

  • 殺されてしまった主人公がその理由を探していく話。読みやすくて次の展開が気になる話。

  • 私が今まで読んだ石田衣良作品とはかなり違ったタイプだった。
    こういう作品を書くとは意外な感じ。もしくは、今まで持っていたイメージが間違っていたのかな。
    でも、数冊しか読んでないし、たまたま偏ったタイプしか読んでなかったんだなぁ。
    それに一人の作家が書くタイプを固定しちゃうのも失礼な話か。

    そういえば、姪が本を借りに着た時、乙一さんと石田衣良さんを選択していた。好きな作家だって。
    どうしてそういう組み合わせなんだろう?と思ったけど、もしかしたら姪は石田衣良さんのこの作品から読んでいたのかもしれない。それなら、なんだか納得できる。

    主人公は、自分が死んでいることに気付いた。
    目の前にある歯がぐちゃぐちゃになった自分の無残な死体は、何故埋められてるのだろう。何故自分は死んだのだろう。
    死ぬまでの2年間の記憶が欠落していて思い出せない。
    幽霊の主人公が自分の死の謎を追求する。

    私の石田衣良作品ランキングで1,2位をつけるくらい好きな作品。
    他の長編も読んでみたいな。

  • 幽霊になっても会いたい人がほしいと思った

  • 投資会社のオーナー純一は自分の死体が埋められていくのを幽霊となって眺めていた。
    何故自分は殺されたのだろうか、何もわからないままフラッシュバックのように今までの人生を駆け抜ける純一、しかし自分が殺される前2年間の記憶がすっぽりと抜け落ちていた。
    記憶にない2年間。調べるうちに純一は自分の会社が新作映画製作に巨額の投資をしていることを知る。これ怪しく思った純一は、わずかな手がかりから幽霊であることを頼りに真相に迫ろうとするが・・・

    出だしから幽霊となっている純一、主人公が幽霊という状態だが、荒唐無稽という感じはせずスムーズに入っていけた。
    幽霊である特権を活かして、純一が知りうる情報と読者のそれとが同期しており、真相へ至る理解度を主人公と共に深めていくことができるのは良い点だったと思う。

  • 石井さんらしいとても素敵な小説でした。個人的には、高梨さんが完全な悪、という訳ではなくてほっとしました。

  • この人のさらりとした、状況は目に浮かぶけれど生活感のない、生々しい熱情のない文体に、これほどマッチする小説があったとは、と言いたい。

    へたにドロドロしたものや青春ものを書いても、さらりと読み安すぎて残らない。
    そんな作者の立場と言うかスタンスそのものである「殺されたぼく」が主人公の小説。

    「何故ぼくは死んだのか?」
    死んでからの生とでも言うべき生活を、主人公が送る。
    その描写がとてもさわやかで色鮮やかである。そのイメージが死んでいるがゆえに制約もなく自由で楽しい。

    あたり前のことをうまく説明する作家だけど、そのあたりの制約を外した描写も面白いと思った。

  • ゴーストのようなファンタジー系かと思って読んだら、意外にミステリー色が強かった印象です


  • 死んだ自分。
    死ぬまでの2年間の記憶を探しに旅に出る

  • はじめての石田衣良。どうなんだろう。あと何冊かよんでみようか。

  • 投資会社のオーナー・掛井純一はある日、何者かによって殺されてしまう。
    しかし、彼は幽霊となって蘇ったのだった。
    彼は、自分の死の真相を知るために、ある新作映画への不可解な金の流れを追い始めた…。

    途中、同じような事が繰り返されて飽きる事があった。
    だけど、全体の話はおもしろかった。
    純一は死後の世界を満喫できてよかったと思う。映画館のシーンが好き。
    文緒のかかわり方が意外だった。

  • 投資会社のオーナー掛井純一は、何者かに殺され、幽霊となって甦った。死の直前の二年分の記憶を失っていた彼は、真相を探るため、ある新作映画への不可解な金の流れを追いはじめる。映画界の巨匠と敏腕プロデューサー、彼らを裏で操る謎の男たち。そして、一目で魅せられた女優との意外な過去。複雑に交錯する線が一本につながった時、死者の「生」を賭けた、究極の選択が待っていた―。

  • かわいそうなのはどっちだろうね。

  • 話が難しくて断念しそうになった本。
    読んだけど。
    でも読み終わってみると、
    そんなに難しくはなかったような・・・
    不思議な読後感でした。

  • 空を飛ぶような夢を見ていた主人公は、その中で自分の死体と出会う。無残に歯を砕かれたその顔を見て、主人公はそれが夢で無い事を悟った。しかし、彼には何故かここ数年の記憶が無い為、自分が殺された理由が分からない。その答えを見つける為、彼は生前に行っていた仕事で関わっていた会社等を調べる事にした。その調査の中で出合った女性に次第に惹かれていくが・・・。的な話。

    特に吃驚の結末が待つわけでもなく、内容が二転三転していくわけでもないけど。なんだか、とても面白かった作品。
    王道と言えば、王道な内容だったと思います。石田さんはもっと柔らかい文章を書くイメージがあったので、読んでみて印象が変わりました。

    2008-11-23

  • 自分の死を目撃するところからスタート。
    ラストは切ない現実…。でも、純一はやさしかった。
    生きているうちに、生を楽しもう〜って思う1冊でした。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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