- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087474848
作品紹介・あらすじ
外国人娼婦が共同で住んでいるホテル。そこから、イタリア人の少年が誘拐されたという。しかも連れだしたのは、神尾の恋人、恵子だった。10歳、というそのマリオの年齢に神尾の心の底にあるものがうずいた。少年の背後にあるのはマフィアの掟と白いコカインの闇の道。何かに導かれるように神尾は巻きこまれていく。元一等航海士、神尾修二シリーズ待望の第5弾。
感想・レビュー・書評
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図書館で借りて読んだ。
大水滸ではまった北方謙三作品。
前作があるんだろうなあと思っていたら、神尾シリーズの5作目だった。
それでも、全く問題なく楽しむことができた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神尾 5
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「俺が、天使に見えますか、神尾さん?」
見える・・・!
「僕」から「俺」に変わった秋月くんが!!
しかし神尾は、
「悪魔だよ」
助けなければ、神尾は地獄に戻らなくてすんだのだ。
今回は横浜です。
シリーズも終盤になって、神尾が行き続けなければならない存在が出てくる。
それがマリオくんだ。
例によって、神尾は自分とは関係ないものに巻きこまれていくのだけど、関わると神尾はその中に自分がすることの理由を見つけてしまう。
そうなると誰にも止められないのだ。
マリオという十歳の子供を両親に返したいだけだったはずが、その両親と長男のしなければならないものに神尾は関わり、両親が殺されたあとは長男・ジョバンニを助けイタリアマフィアと戦う!
ジョバンニはまだ十六歳。
弟のマリオはまだ十歳だから外されたとはいえ、ジョバンニだってまだ子供だ。
そのジョバンニが、また神尾の手から零れるように死んでいく。
「恋くらい、しておくんだった」
恋もしたことがなく、死んでいくジョバンニ。
神尾は自分も腹を撃たれ、今度こそ、自分も死ねる、と確信したはずだ。
しかし、地獄に引き戻されたのだ。
秋月くんによって。
すっかり神尾を助けれらる位置まで成長した秋月くん。
四十代になれば、鼻持ちならない弁護士になるだろう秋月くん。
生き続けなければならない神尾のそばに、ずっといて欲しい。
そしてシリーズは最終巻へと続くのだ。