よもつひらさか (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2110
感想 : 231
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474909

作品紹介・あらすじ

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では"黄泉比良坂"と呼ぶ-。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干し…。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えを描く表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。

感想・レビュー・書評

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  • まず、本のカバーの絵に魅了され、更に、古事記にある話のがタイトルなんで、好印象!

    ホラー、ミステリー、ファンタジー要素と盛り沢山な短編集。
    但し、決して明るくはない。
    何か世にも奇妙な物語な雰囲気やん!って思ってたら、何編か、それで映像化されてるみたい。
    (『穴二つ』と『家に着くまで』)
    そういう雰囲気なんで、あれ何か変な感じやな?って思ってると実は!ってのが多い。
    その実は!ってのは、あんまりええ方向に行かんのは、お分かりのはず。世にも奇妙なの世界観なんで。

    何でも、折半も考えてやって!半分にしたら、物の価値が…というか何というか…物ちゃうしとか…

    後出しジャンケンがキツい!
    もう、気付いた時は、遅いやん!みたいな作品多し。

    ゾッと、ゾクっとしたい人は読むと良いかも?

  • ホラー、ミステリーの12編からなる短編集。どれもからくりが面白く、全部が奇妙だったけど、私は特に『ささやく鏡』『家に着くまで』『穴二つ』『よもつひらさか』が怖くて気に入った。12編といったボリュームで読み応えありました。

  • ホラーの短編集。
    ちょっとファンタジー要素もある。
    怖さもじんわりあり、読みやすく、怖いんだけどワクワクすることもできた。
    同じ著者の本を読んでみたい。

  • ずっと気になってた短編集。
    いゃ〜どれも面白かった!
    ホラー、ゾッとする話、ファンタジー、サスペンス、どんでん返しと、内容は盛りだくさん。
    面白い話が多かったので、ベストを選ぶのは難しいが、特に好きだったのは、ハーフアンドハーフと穴二つ。
    どの話にもゴシックな雰囲気がただよっていて、奇妙で洒落さを感じました。

  • 昔読んだ事があったが最近手に入れたので再読。
    ホラーやミステリー、ファンタジーなど今邑彩さんの魅力が詰まった短編集だ。
    今でこそ意外性はあまり感じないが、当時は斬新だったのかと思える。
    トリックや伏線に頭を使い過ぎる事なくリラックスして読めるシンプルな作品が多い。
    父の事が大好きな少女のお話『茉莉花』、奇妙な骨董屋が話す『双頭の影』、タクシーの車内での会話を描いた『家に着くまで』やパソコン通信にハマる男の『穴二つ』など色々な角度から物語が展開されるのも面白い。
    深く考えずに読むと鮮やかに騙される事もあるので、それも気持ち良かった!
    やっぱりこの人の書く話が好きです。

  • '21年7月30日、読了。今邑彩さん、4作目。

    とても、面白かったです。僕は、この人、短編の方が好きみたい。

    ゾッとしたり、ヒヤリとしたり、ゲンナリしたり、哀しくなったり、グロテスクだったり、と…バラエティに富んだ、短編集でした。全体として、高いクオリティだな、と思います。

    「時を重ねて」…哀しい物語、でした。
    「ハーフアンドハーフ」…なんともグロテスク。でも、僕でも結末はわかってしまった。
    「家に着くまで」…サスペンスフルな展開。一番好きかも。

    他にも、「茉莉花」「双頭の影」「遠い窓」などなど、全て、良かったです。

    今邑彩さんの短編集、まだ他にもあるのかな…。

  • 母から借りて読了。
    結構怖かったという印象。

    表紙も独特で、持っているのもちょっと気が引ける感じ(笑)
    個人的には「夢の中へ」が怖いんだけどありそうで面白い。
    表題の「よもつひらさか」「遠い窓」も好きな作品。

  • 全12話の短編ホラー集。いずれもラストでどんでん返しがあり、後味の悪い作品だった。登場人物が迎える結末を予想しながら読み進めるのも楽しいと思う。

    世にも奇妙な物語と親和性がありそうだなと思っていたら、「家に着くまで」「穴二つ」は実際に放映されていた。どちらも動画サイトにアップされていたので観たが、不気味で陰鬱な雰囲気が原作とマッチしていて、再現度が高く素晴らしかった。

    個人的に好きな話は、映像化された上記2作と「見知らぬあなた」。この3作品は、特にミスリードが鮮やかで好き。

  • 表題作『よもつひらさか』を含む12篇が収録された傑作短編集。ファンタジー・ミステリー・ホラーのジャンルの珠玉の短編たち。表題作『よもつひらさか』は、徐々に恐怖が込み上げて来る。『茉莉花』はホラーと思いきや最後にどんでん返しがあるミステリ。特に好きな作品は『ハーフ・アンド・ハーフ』。ラスト3行でとてつもなくゾッとした。『見知らぬあなた』も最後にゾッとするどんでん返し。また、昔の作品(1999年)だけあって、時代の流れを感じる言葉や描写が多かった。

  • 世にも奇妙な物語の原作が2作品。
    「家に着くまで」→「推理タクシー」
    「穴二つ」→「ネカマな男」
    他にも捻りのきいた奇妙な味わいのホラー短編が10編。

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