落花流水 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474985

作品紹介・あらすじ

甘ったれでわがままな7歳の少女、手毬。家族に愛され、平穏な日々をおくるはずだったのに…。17歳、かつては姉だった人を母親と呼ぶ二人だけの暮らし。27歳で掴んだ結婚という名の幸せ。その家庭を捨て幼なじみと駆け落ちした37歳。そして…。複雑に絡みもつれる家族の絆、愛と憎しみ。運命に流されるひとりの女性の歳月を、半世紀にわたって描く連作長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 波乱万丈ってこのことだなぁって思った。
    10年間ごとに焦点を当てていくっていう書き方も面白いし、ややこしい家系図の中でできる人間関係も良かった。でも、家庭教師先の子どもが子どもの時の手毬みたいな感じだから、将来お母さんだと思ってた人が違うかったって知ったら複雑な気持ちになるだろうな。でも、律子みたいに好きなように生きたいけど、人に迷惑をかけないようにしなくちゃためだなぁとも思った

  • わがままで奔放に過ごしていた7歳の手毬の、17歳、27歳…そして67歳までの記録。
    不遇な10代を経て平凡な主婦になり、そして…。流れるように生きる女・手毬の、10年刻みの物語。

    10年置きに人の人生を見つめてみると、20代以降は概ね安定している人もいるのかもしれないけれど、変化の多い人生を歩む人であれば、10年は大きく変わるのには全然短くない期間だと思う。
    この小説は手毬という女性の7歳の頃から67歳までを10年刻みで描いている連作短編集で、手毬本人が語り部であるのはそのうちの一編、残りは手毬に関わる人々が語り部なのだけど、しばらく読まないとその語り部が誰であるのか判別出来ない章もあった。
    人と人の関係は、密なようでいてその実希薄だったりする。
    血の繋がりがあっても縁を切るような関係性も世の中にはあるし、実の親よりも義理の親に多くの信頼を寄せることもあるかもしれない。
    親子、兄弟、夫婦、恋人、友人。人と人の繋がりには様々な関係性があるけれど、繋がり的には濃いようでいて薄かったり、はたまたその逆であったりする不思議な縁の世界がリアルだった。

    自分の人生も10年ごとに見つめ返してみると随分変化してる、と気づいたりした。
    その時の流れや勢いで人生を大幅に変えることだってあるし、安定を望まなければそれはきっと一生続く。
    手毬の人生はまさに「落花流水」で、自分の目の前に落ちてきた運命に身を任せて流れるように生きていく、そういうもの。

    因果、因縁は続く、というのもまたひとつのテーマ。血の繋がった親子が、どんなに不仲であってもどこか似たような人生を歩んでしまうという不思議。
    母を恨みながらどこかで母のような生き方に憧れる。三代に渡って続く因果が、虚しさをはらみつつ描かれている。

    山本文緒さんの小説って、なんかぐぐっと惹かれて最初から最後まで読み終える感じがある。
    それは若い時よりもある程度年齢を重ねればますますそうなるのかもしれない。

  • 姉と呼んでいた人が実は母だった七歳から十年毎の、女系家族の波瀾万丈な、それぞれにとっては当たり前に流れる生活。荒んだ母子暮らしや娘を捨てての駆け落ち、繰り返す再婚等、娘、母、祖母が似て陥る業と、それでも淀まないさらさらとした質感。一見重厚なのに薄い層が折り重なるようなサクサクとした空気が心地好い。

  • ドロドロ期待して買ったけどそんなに面白くなかったな。
    よくできてるとおもうし、中身は壮絶なんだけど、なんていうか響かない。

    マーティルと正弘のその後が気になる。グミがなんで連絡取れないのかも。

  • なんか不思議すぎる人ばかり出てくる話。
    刺激的な人生だなと思う。
    そんな人生もアリかな。

  • 主人公とその周りを語り手にして10年後とに短編を描くという小説。
    小説に現実でありえないとかあり得るとかいうのはあれかもしれないけど、ありえないストーリーでした。一族が揃いも揃って駆け落ちしたり、義理の妹が好きだったり、頭おかしすぎる。。。

  • 母娘三世代に渡る物語。
    家庭環境って大事。

  • やっぱり育ちや家族って、その人の人生に根深く影響していくんだなとしみじみ感じた。愛情不足の中で育つと愛情に貪欲になりすぎて、歪んだ形で外に出てしまうかな。血のつながり以外は全て希薄な人間関係に悲しい気持ちになった。

  • 子が大人になり母になり祖母になる。三世代の女性が「母」と言うものを憎みながら愛を求めながら、付かず離れず生きていく。「手毬」の今をさまざまな人の視点から10年毎に書くスタイルが面白い。

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著者プロフィール

1962年11月13日横浜生まれ。 神奈川大学卒業後、OL生活を経て、87年「プレミアム・プールの日々」でコバルト・ノベル大賞、佳作受賞。 99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞、 2001年「プラナリア」で第124回直木賞受賞。

「2019年 『シュガーレス・ラヴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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