天切り松 闇がたり 残侠 (第二巻) (集英社文庫)

  • 集英社 (2002年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087475074

作品紹介・あらすじ

ある日、安吉一家に現れた時代がかった老侠客。幕末から生き延びた清水一家の小政だというのだが……。表題作「残侠」他、大正ロマンの闇を駆ける義賊一家の大活躍第二弾。 (解説・大山勝美)

感想・レビュー・書評

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  • 近頃は全く聴くことがなくなった、漢とはとか、任侠道、なにわ節全開。
    押し付けることはダメだけども、こういう形で自分を陶冶するという気風も、ひとつの文化なのかもなと思った。

    清水の小正が出てくることで、次郎長を調べるきっかけを得て、次郎長と山岡鉄舟の関係にまでたどり着く。やはりそちらも知りたいと思う。

    長え人生、しっかり男を磨け

    達引 何につけても昔の人間にァ、銭で売り買いのできねえ意地てえもんがあった

    勝ち負けも損得もないのだ。信じた道をまっすぐにつっ走るのが心意気なのだ。

    親に対する恨み憎しみは、おのれの血を蔑むことだ。おのれを蔑めば、人間はただのひとりも生きてはいけない





  • 「男てえのは、理屈じゃあねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、てめえに言い聞かせて生きるもんだ。よしんばお題目にせえ、それができれァ、理屈は何もいらねえ」

    天保生まれの清水の小政、あの清水の次郎長の子分の小政がひょんなことから安吉親分の長屋に
    その小政が松蔵に教えてくれたこと

    「俺ァ、男だ。俺ァ、男だ」
    題目のように口にするはしから、死んだ母親のことや、子供を叩き売った父親の顔や、背中で冷たくなってしまった姉の重みが嘘のように消えて行った

    この当時の人は、辛いことがあっても、「俺は男だ」と歯を食いしばって乗り越え、生きていたのだろう

    母を亡くし、姉を亡くした松蔵が父への恨みを生きるバネのようにしていたその父親までも死んでしまった
    両親の骨壷を前に泣きくずれる松蔵に、犬畜生と人間の違いを教え諭す周りの大人たち

    松蔵を取り巻く大人たちーー安吉親分、寅弥兄ィ、栄治兄ィ、おこん姉さん、常兄ィ、そして永井先生( 永井荷風 ) の何とかっこいいこと!
    松蔵は幸せ者だ

  • 1冊目は昔の語り口調が難しくて、読むのが大変でしたが、2冊目ともなると段々慣れてきました。
    やっぱり泥棒だけど、みんなかっこいい!!特に百面相の恋が良かった。どんなに周りの人に嘘をついても、愛する人のことを大切に想ってた常兄かっこいい。幸せになって欲しい。

    そして最後の話も良かった。目細の安吉親分の愛情の深さを思い知った話でした。そんな親分の下で働いているみんなが自分を持っててかっこいいし、松も成長していくのが分かって良い話でした。

  • 「男てえのは、理屈じゃあねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、て、てめえに言いきかせて生きるもんだ。よしんばお題目にせえ、それができれァ、理屈は何にもいらねえ」


    大正ロマンの時代を駆け抜けた目細の安吉一家の活躍譚第2段。
    この2巻で安吉一家以上に光るのはやはり清水の小政。
    一宿一飯の義理を立てて鮮やかに舞台を降りる様は本当に格好いい!


    「春のかたみに」ではもちろん号泣したし、安吉親分も寅兄ィも栄治兄ィもおこん姐さんも相変わらず素敵だけれど、この中で一番好きな話はと言われたら「百面相の恋」を選んでしまう私は、結局騙りの常兄ィが一番のお気に入りだったりします。

  • 前作もそうだけど、毎度ラスト3ページくらいで目頭が熱くなる。今回ももれなく、電車で朝から泣きかけてしまいました。このシリーズはちょっと休憩入れてまた今度読みます。

  • 天切り松シリーズの第二巻。目安の安吉の中抜きがかっこよかった。そして、清水の小政の漢気もしびれた。

  • 手にとってから20年近く経ちますが、読む度に「しゃんとしろぃ」と小突かれて気付かせてくれます。よくある自己啓発本よりも、どの時代にも通じる生き方を学べるのではないでしょうか。
    多様性の名の下の“男だろ“が禁句の時代ですが、銭勘定星勘定の理屈抜きにした心意気は大切にしたいと思います。

  • 図書館

  • カッコいいぜ
    粋だぜ

  • 天切りシリーズ、浅田次郎最高傑作

  • 天切り松 巻の二。江戸の義侠が大正の世に蘇る表題作「残俠」のほか、目安の安吉、百面相 書生常、玄の前のおこん、黄不動 栄治がそれぞれ主役を務める 4短編など8編を収める。

    さすがにマンネリの様相を呈してきてはいるが、小気味良い下げとお涙頂戴のメロドラマは健在。近いうちに巻三「初湯千両」も読もう。

  • 天キリ松の闇語り。江戸っ子の話し口調が小気味いい、人情話でした。

  • 良いですね。
    第一巻に比べると、ちょっと中休み的な感じもしないではないですが。。。
    余り多くは語りますまい。
    すっきりした義理と人情。男伊達、女伊達。大正ロマン。そんなキーワードに惹かれる人は是非お読みください。

  • 目細の安吉一家は、振袖おこん、説教寅弥、黄不動の栄治、百面相の常次郎、そして本作の語り部松蔵。個性豊かな盗人一家の面々が、義理と人情で筋を貫き通す。(作り話ではあるんだけど)その生きざまは、読んでいて清々しい。

  • 思わず唸る位の語り上手。だけど、ちょっと飽きた。その内、また読みたくなる時が来るはず。

  • 連作短編。

    【残侠】・【切れ緒の草履】
    ・・・“侠”と書いて“おとこ”と読む(笑)。腕っぷし抜群のドン・キホーテか。

    【目細の安吉】
    ・・・親分格好良し♪

    【百面相の恋】
    ・・・その後の二人がどうなったのか。
    気になり過ぎる!!!!!!!

    (ほか、略)
    シリーズものの短編周を2冊たて続けに読むと・・・(つまり、同一世界観の物語を、ほんの数日で10編以上読むことに)・・・さすがに食傷するということに気がつけた(苦笑)。

    好きなシリーズとなったことには違いが無いので、少し間を開けてからまた、続巻を読もう。

    ★3つ、7ポイント半。
    2016.11.18.古。

  • 解説大山勝美氏
    8章からなる文庫本

    幕末、明治、戦争。。
    歴史をもっと知っていれば今作はもっと楽しめると思う。

    フルメンバー活躍の1冊。

    最終章『春のかたみに』
    前作で親を選べぬ子の辛さ、という感想を抱いたが
    今章を読んで考えさせられる。。
    根っからの悪人はいないという事だろうか。。

    松蔵の芯の強さ、優しさを再認識。

  • 大正が舞台の粋な男の心意気小説は好きなのだが、1巻、2巻と連続して読むと飽きてしまう……。
    今回は間に『人体600万年史』(上下巻)を挟んでの読了だったからまだしも、残りの3、4巻も何か明後日の方向にある本と併読したほうがよさそうだな(^^;

  • 残侠―天切り松 闇がたり〈第2巻〉 >> 気に入った台詞、先ず、おこん姉さん「好いた惚れたは人間を正直者にさせちまうのさ」
     『残侠』をようやく読み終えることができた。『闇の花道』に比べると、クラッシック?な文章と、描かれている世界観に慣れたのか『闇の花道』よりも読みやすく、よりダイナミックな展開に、物語に引きずり込まれ、いつの間にか、松蔵の気持になって他の登場人物に接している自分を発見しました。リアリティは後退するが、これまでの話の中で設定された舞台の上で、生き生きと描かれたキャラクターが動き出し、後半に向かって物語が盛り上がって行く。

     闇語りを仕切る天切り松も、絵に描いたような不幸を背負った少年時代は、義理人情を欠くところがあり、自分が愛されていることに気づかなかった。浅田次郎さんは、現代とは異なる厳しさにさらされていた大正時代、哀しみの中にも自らの生きざまを発見し、懸命に生きる人々を描くことで、読者に生きることの意味を問う機会を与えてくれている。

    面白いだけではなく、非常にためになる本で、続編が非常に楽しみだ。

  • ・あらすじ
    粋な犯罪者の話。むかしの時代の話。
    ・かんそう
    粋だね。涙がちょちょぎれるね。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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