自由死刑 (集英社文庫)

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  • 集英社
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本棚登録 : 485
感想 : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475333

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  • 自分で生のタイムリミットを設けた男の話。
    何かを食べるとか、何かをして遊ぶとか。そういう感じに何かを自由に決めるように、それを決めた。
    人間の三代欲求って、食欲・性欲・睡眠欲だけど。その中に加わるように、死への欲求もある、とか。
    なんとなくだけど、読んでるうちに、しのぶみたいな気になってきた。
    喜多善男って、何か放っておけないんだろうなきっと。そんな感じで最後の1週間を(外から見たら)面白おかしく過ごして…そして…彼にはちゃんとお迎えが来たのかな。

    自由って結局なんなの?制約があるから、自由が生まれるってこと?
    生きるのはよくて、死ぬのはダメってことなの?とか色々考えてしまった。どーしても死にたい、というか、段々薄くなって、最後には消えて。「あれ?そう言えば最近見ないよね?」みたいになりたいと思うこともある。
    そう思うことも、自由死刑の一つに入れて欲しいというのは、おかしな話なのだろうか。

  • P109 目に見える茶の間には母とテーブル、コロッケを持った皿と箸しかないが、母の脳の片隅の茶の間には親父も善男もいて、時々憶い出し笑いをしながら、煙草をふかし、爪を切り、新聞をめくり、すかしっ屁をする。

    初島田雅彦。有名なこの本を。
    少し世間の様子と金女酒の選択に時代を感じるところもあるが、軽妙に、そして独特の生死感と偶然のつながりを書いている。文学的だ。最後の死は、こうなるのか、という感じ。

  • 1週間後に死を決めた男の話。
    外科医の父が、食を通じて能動的に自殺したところ、戦争時の反動と美食を口実に、医者としてどうなるか分かった上で、脂と塩、香辛料を摂り続け、最後は覚悟を決めて、牛の脳味噌、豚の背脂、豚の耳、フォアグラ、酒盗、チーズ、キャビア、マグロの目玉、ロマネコンティ、トカイを並べて、脂汗を流し、自ら注射を打ちながら、平らげた後卒倒し、そのまま死んだ話、執拗で恐ろしいが、量の多少はあっても自分にもある欲望だとぞっとする。様々な死をめぐるフェチズムを見せられたような。喜多が水死では終わらず、餓死する様も筆がすごい。

  • 名著再読シリーズ②

    表紙に作者…笑笑
    昔は違ったような⁈
    こういうところはご愛嬌にしても、20年以上も前にこの作品を書ける才能に感嘆。
    性欲、食欲、睡眠欲…
    生きるための欲求と死に欲。
    著者の言う通り、フロイトは正しいと思う。

  • 読みやすい文章だった。終盤の静かな絶望感が好きです。
    死にたい動機がよくわからなかった、というのはもっともでしょうが、個人的には終盤の弟の話で少し萎えた。
    死ぬのに理由づけなんていらんだろ、と喜多善男に関しては思っていた。生きるのに理由はいらなくて死ぬのに理由がいるとは如何に?というスタンスを貫いて欲しかった。
    そう思う程度には、動機がやや弱く感じました。

  • 聖書には登場しそうもない男との一期一会のあとには埋めようもない空しさだけが残った。
    (P.148)

  • 目的に向かう主人公、絡んでくる面々。 面白いんだけど「死にたい」が理解できない分、感情移入出来ないんだな。 最後はすごく痛々しいし。 結局、死ぬのはいいもんじゃないって事。

  • 島田雅彦は昔から好きですが、こういった「なにもない日常」「取り立てて長所のない主人公」が題材のものでも、読み続けられるのは、やはり魅力のある小説だからだと思います。
    「死にたい」という主人公の動機は、最後までわからない。
    読み進めるうちに、「動機がしっかりしていないと、死を望んではいけないのか?」と逆に自問自答を繰り返している自分がいます。
    なんだか不思議です。
    私は決めつけているのかな?・・と。
    不思議な内容ですが、さすが島田先生、面白いです。
    気になるのは、表紙にご自身が登場していることです!

  • 初めて読む作者の本。「7日後に自殺しよう」と決意した30過ぎの男の死ぬまでを追った話。
    深い絶望や苦しみの末に自殺するのではなく、ただ自由に選んだだけだ、という、なんというか初見で共感しにくいスタンスのまんま話が過ごしていく。
    ひょんなことから奇妙な縁でいろんな濃い人々や事件の渦中に巻き込まれていくんだけど、どたばたを楽しむというよりひたすら内省的な描写で、正直、よくわからんなー? と思いながら読んで行った。たぶん3割くらいしか汲めなかった、が、それでも面白かった。読み終わるとまたタイトルの「自由死刑」というフレーズが、よくわからんかったなりに、色々思わされて、面白い。

  • 自由死刑 / 初出 すばる 1996年1,4,7,10月号,1997年1,4,7,11月号,1998年1,4月号,1999年3月号 (「歓楽死のオペラ」 改題 加筆修正)
    自由死刑とは何か?
    解説 (福永信)

    『自由死刑』 1999.6 朝日新聞出版刊 文庫化

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著者プロフィール

1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。
1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、2016年『虚人の星』で毎日出版文化賞、2019年『君が異端だった頃』で読売文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』『悪貨』『カタストロフ・マニア』『スノードロップ』など多数。

「2021年 『スーパーエンジェル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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