機関車先生 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.53
  • (25)
  • (51)
  • (85)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 448
感想 : 41
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475531

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【附属世田谷小学校 図書新聞から 「先生特集」】

    新しい先生は、口をきかんのじゃ・・・。
    舞台は戦争の傷跡の残る昭和三十年代、瀬戸内の葉名島。この小さな島の、生徒わずか七人の小学校に、北海道から代用教員がやってきた。

  • 短いからすぐ読めちゃいます!
    そんなに読み仮名ふってくれんくてもええよ・・・。

  • 久々にこれは、という本に遭った。私が伊集院静氏の作品を読むのはこれが初めてだ。「○○文庫の百冊」だとかこの「夏の一冊」などというキャンペーンに、私はよく乗る。というか、こうでもないと私は本を読まない。

    昔は本の虫と言ってよかったろうと思うほどに私は本と活字が大好きだった。しかし数年前私の力量ではどうにもならないことが人生に起きて以来、私はあの何にでも病名をつけることが大好きな国の医者に、簡単に「失読症ですね」などと言われて、ここまで来てしまった。まさか、この私が、そんな屈辱的なこと、と鼻で笑って認めようとしなかったのがいけなかった。簡単な文に見えるのに、言葉は全て理解できるのに、分からないのである。

    それが、この、2003年夏の「ナツイチ。」の本は今のところどれもスラスラ読める。分かるのである。本が分かる。何が書いてあるのか、分かる。何てステキなことなんだろう。

    文章を書くのには、きっとその分文章を読む必要があると信じて疑っていない私は、小さい頃から所謂こんな厄介なものを抱える前に読んだたくさんの文章の、そのうち頭の中に残っていたものだけに支えられて今まで様々な形で文章を書いてきた。あれが文章と呼べる代物ならば、の話だが。これからはもう、いつかあの蓄積してきた全ての文章が、綺麗に頭の中から消え去ってしまう日のことを心配することも無いのだ。そう思うと、今年の夏は嬉しくて嬉しくてしかたがなく、そんなわけで私の気持ちはこのキャンペーンに便乗して片っ端から文庫本を読み始めた時に、気象庁のそれを待つまでもなく、さっさと梅雨明けを宣言した。

    機関車先生、と生徒達から呼ばれる主人公の吉岡誠吾に、私は確実に恋をした。彼の少しはにかんだような笑顔にも、その隙間からこぼれるような白い歯にも、そして何よりその心に。いつか私はこの瀬戸内海に浮かぶ島を訪れようと思った。彼は私に太陽の光のような、美しい残像を残した。

    私は冒頭に書いたように、伊集院静という作家に興味があったわけではない。この作品が、私の大好きな笑顔をした芸能人によって映画化されることが決まっていなければ、今回だってこの本を手に取ることは無かっただろう。しかしこんな風に、大切にしたいと思う作品に出遭うことは、あるものなのだ。

  • 唖(喋る事の不自由な人)の先生が島の小学校にやってきてーという物語。
    心の美しい唖の先生が周りの偏見に負けず、人々の心を癒していく様は
    べただけれども単純に清清しい。まさに絵に描いたような教師の鏡で
    心温まると同時に、背筋の伸びる作品

    彼がこの島にやってくるまでの苦労や紆余曲折は描かれていないけれども
    口のきけない教師に対する教育の現場の厳しさは想像に難くない。
    がんばってきたんだな、と泣けてくる。

  • 可愛いの☆ヨウと修平の関係が気になります。うふふ♪よし江と素平の関係も気になります。おほほ♪とにかくお話は可愛いんですの(><)風景も人間も物語りも厳しいのも悲しいのも優しく包んでくれるんですの。オススメ。

  •  映画にもなりました。
    島の小学校に口がきけない先生がやってきた・・。
    簡単に言うとそういう話なのですが、
    こころ温まるお話です。
    すごく好きな1冊です

  • 瀬戸内海の小島に赴任してきた教師。病気で口がきけない先生は、たった7人の生徒を
    相手に、授業を始める…豊かな自然を背景に、心の交流を描く感動の物語。
    柴田錬三郎賞受賞作。

  • 機関車先生と葉名島のお話

  • 南の島に行ってひと夏ゆっくりしてきたくなるね

  • ありがちな感動ものかと思いきや、、、素直に感動しました。
    ずっと読んでいたい感じでした。

全41件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊集院静の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×