なかよし小鳩組 ユニバーサル広告社シリーズ (集英社文庫)

  • 集英社 (2003年3月20日発売)
3.58
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感想 : 195
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784087475579

作品紹介・あらすじ

倒産寸前の広告代理店に舞いこんだ大仕事は“ヤクザ・小鳩組のイメージアップ戦略"。離婚そして別居という家庭問題を抱えながら、コピーライター杉山の奮闘がはじまった! (解説・吉田伸子)

感想・レビュー・書評

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  • 「オロロ畑でつかまえて」の第二弾。

    今回はユニバーサル広告社が、任侠の方々のお仕事を引き受けさせられてしまう。これはなんか恐い展開になるのでは...と読み始めには思えたのに、何故かコミカル。何故かほっこりで終わる。何でだ。

    後半の方は、親子愛、人間愛に溢れていたなあ。
    何故か、池井戸さんの「陸王」がチラチラと頭に浮かびましたよ。...共通項がマラソンだからか?

    そして話の終わり方が、想像の余地をたくさん残しすぎだー。みんなどうなったんだろう。でもまあ、次シリーズも必ず読むだろうから、その時までのお楽しみってことにしておこうっと。

    それより何より、まさかの猪熊ちゃんの正体にはびっくりしましたねー!!

  • 前作「オロロ畑でつかまえて」での村おこしの次は、ヤクザ小鳩組の企業イメージ戦略。相変わらずのドタバタ劇な感じだったけど、可愛らしい娘が出てきて程よくじんわり。

  • とある物語の続編のようなんですが、これだけ読んでも楽しめました。
    登場人物のかけあいが面白いです。
    なんだか、漫談を見ているような聴いているような気分になります。
    30代バツ1父ちゃんの、娘との交流がリアルやな~
    20161031

  • 肩の力を抜いて読める作品
    エンタメ力高いなという感想

  • つぶれそうなユニバーサル広告社社員杉山を中心にしたお話。
    今回は小鳩組というヤクザの組の広告を請け負ったことから始まる。
    別居する元妻と暮らす娘早苗もいい味出していてかわいい。
    面白おかしく読める本です。

  • あらすじ
    倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身はヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとには、さらに別居中の娘まで転がりこんでくる。社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすが-。気持ちよく笑えて泣ける、痛快ユーモア小説。

  • ユニバーサル広告社再び。
    やっぱり大体ダメ人間だけど、いざという時だけは活躍するのかっこいいよね。たこ焼きをさばく石井社長はお見事。
    第一印象は悪かったけど、二人で飲んで、ちょっと相手の人となりを知って、つい庇っちゃって、その矢先にまた幻滅して…っていう具合に、個人のイメージを固定しない、何度も揺れ動く表現が好き。
    あと相変わらずパンクな村崎くんが好き。

  • 面白かった。単純にエンタメ小説として楽しめる。どのキャラも個性豊かで、人として活き活きとしてる。いろんな困難に際した時のそれぞれの反応が人間臭くていい。フィクションなんだけど、フィクションとしてリアル。というか、荻原浩の中でリアル。自分の世界観として完成されている作家さんなので、期待を裏切らないなあ。ヤクザもあくまでエンタメのなかのヤクザって感じで、きな臭くなくていい。誰も彼も、結局は人間なんだ。

  • 笑って泣ける、そんな荻原浩さんの作品が大好きです。これもまた。笑えてばかりのドタバタ劇ですが、ラストシーンはジーンとくる。早苗が可愛らしい。

  • やっぱり荻原浩だいすき!!!

    オロロ畑ではいまいち入りきらなかった、ユニバーサル広告社の魅力にどっぷりはまってしまいました。
    だめ社長石田とパンク村崎と強かな猪熊と、だめだめ親父の杉山!
    この杉山さんが泣かせるのです。もうだめ。泣く。
    だめ親父だけど、早苗に対する愛は本物でね。
    ケチャップを混ぜただけのケチャップライスを忘れないよって言ったり、もう泣けるんだよ。

    あと勝也!!!勝也が、、、
    ちょっとしたことで道を外れちゃって、でも最後グッと親指立てたこと感動しちゃった

    あーーー面白かった!!
    荻原浩の本って、ふふって笑えるし続きが読みたいってうずうずするし、そしてなにより泣ける。
    登場人物みんな愛おしいよ~すき~

    2018.10.29

  • 最初はちょっと進まなかったけど、主人公が腹を括った辺りからはすらすら読めた。中身のイカツイピーちゃんが可愛い。
    このシリーズは逆行して読んでるけど、勝也のこと、書いてあったかな。

  • 倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身はヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとには、さらに別居中の娘まで転がりこんでくる。社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすがー。

  • リアリティがありながらも思わず吹き出してしまう場面があるのがこの作者のすごいところ。そして考えさせてしまうシーンもある。ハマってしまうね。

  • こちらもまた、荻原さんらしさ全開のお話しだと思う。
    それは、単にユーモアにあふれているだけでなく、フツーの人が一生懸命生きている姿に気持ちが温かくなり、読んでよかったな~と思えるお話し。

    アル中のダメ父ちゃんが、娘の前でがんばる姿。
    一度道を外れた若い子が、目標を見つけて走りだす姿。
    新たにした、家族への気持ち。

    テンポよく読んできて、最後にどどっと心を動かされるシーンが続き、元気をいっぱいチャージさせてもらった気がします。

    それにしても、子どもが言うことって妙に的を射ていたりするわね……

  • 倒産寸前の広告制作会社がヤクザの仕事を請け負うことになりてんやわんやな話。
    脇役を個性的にするあまり度が過ぎていて現実味がないが、まぁ物語なのでアリ。
    仕事の話が中心ではありつつも、離婚した元妻が乳がんだったり、元妻と暮らしている娘を預かることになったりなど主人公にとっては大きな事件も絡んでくる。
    それらをうまく料理して最後は仕事もプライベートも爽やかに終わらせるところがうまいと思う。
    でも、物語の世界だったとしてもこんな会社で絶対働きたくない。

  • シリーズ第2弾。
    面白かった。
    断れない状況を作るのは、さすがヤクザ。
    なのに、どこかユーモラス。
    テンポもよく、最後まで楽しめる。
    悩みながらも、答えを見つける、杉山。
    最後は、じーんときた。
    勝也の頑張りも痛快で、さわやかな読後感。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-d55b.html

  • ライトなコメディ。それだけ。

  • おもしろかった。ユニバーサル広告社シリーズ。
    荻原浩さんは、読みやすい!笑える!はずれがない、と思う。泣いて笑って感動してほっこりする。作者が優しいんだろうなーと感じさせる何かがある。

    クスッとさせるヤクザの面々、肩身が狭くなったヤクザ世界の裏事情、現実ではそんなかわいいもんじゃないのかもしれないけれど、笑わせてくれる。少なくともこのお話の中の、親近感を覚える人間味あるヤクザたちには、ほっこりさせられた。エンタメとしてGOOD!

  • オロロ畑の続編。
    外部の人間から見ると広告業界って、胡散臭さを感じてしまうが、さらにこの本読んで強まったかも。でもコレはフィクションですから、面白かったですみます。ツッコミどころも満載です、フィクションですから。

  •  日稼ぎ広告社(倒産寸前ということ)に勤める杉山を主人公としたユーモア小説。騙されてやくざ小鳩組のイメージアップ戦略の仕事を請け負うことになる。
     仕事さえろくでもない内容なのに、杉山は酒に頼り、だらしのない生活を送っていた。将来に希望がもてない典型的なパターンとして描かれている。そこへ離婚してたまにしか会わない娘が転がり込んでくる。やくざの仕事をきっちりこなし断るために敢然とまともな自分に戻ろうと決意する。設定そのものがとんでもないから内容もいろいろ飛んで面白い。
     ユーモアな語り口と娘や将来の自分に対して更生していく主人公杉山の人生の悲哀が垣間見えるいい小説だった。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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