文体とパスの精度 (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475715

感想・レビュー・書評

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  • 中田が、「やらされるのではなく、自分で考えて、必要なことを淡々とやる」人間なのがよく分かった。パス練やランでも、目的を持ってやる。サッカーに限ったことではなく、目的に対して必要なことを考えて取り組む、それが大事ということが本書の要諦だと思った。

  • 核となる部分がセンシティブだからこそ、強くなろうと努力した。常に自分を客観視して、今何が必要か行動している中田氏はかっこいい。
    海外で揉まれて、磨かれたからこそ日本を客観視できるスキルはそれに輪をかけたように鋭く輝く。

  • 小学校の時読んだ

  • 2012/04/18

  • 悪魔のパス天使のゴールの体験的ネタ本。中田のマネジメント会社社長の次原さんは、村上龍のことを「おっかけ」と評したが、私は「タニマチ」の新しい形なのだろうと思った。食べ物や旅行地の薀蓄話はでてこないのにスノッブなニオイを感じたのはそのあたりのふたりの関係がみえかくれしたからか。

  • 日本人で最も傑出した能力を持つMF中田英寿と日本人で最もノーベル文学賞に近い作家村上龍の対談と電子メールでの往復書簡を集めたものです。本書を読むと、何故この二人が今の日本人の中で突出した存在なのか肌で感じられると思います。特に中田英寿のモノの考え方とか分かりますので、これから彼のプレーを見る時の楽しみが一つ増えた感じですね。

  • 単身赴任の中、自宅の断捨離対象になった。
    学生時代から村上龍にはまっていた。
    内容はほとんど覚えていない。
    記憶力の頼りなさを感じさせられる。断捨離。

  • 村上龍と中田英寿の対談集。個人的に好きな二人なので即買い。

    当時のヒデが20代そこそこであることに物凄く驚いた。借り物の言葉をこれっぽっちも使わず、自分の心の芯から湧き出る思いを冷静に客観視しつつ語る。ヒデが繰り返し述べていたように自分で考えて決めることこそ、自分が思い描く理想へと繋がる唯一の手段なのだろう。若くしてこれを言い切ることのできる彼には、やはり日本という国は途轍もなく狭く窮屈だったのかもしれない。日本人のナカタではなく、一人のサッカー選手のナカタとして彼はどんな時もプレーした。既存の枠組みに自分の存在を押し込めることなく正々堂々と戦ったからこそ、世界で勝負できる選手になれたのだ。「セリエA」というドデカイネームバリューにも屈することなく、軽々と入り込んでいったヒデは世界との距離感に戸惑わなかった。異なる物事すべてにフィットしたのだ。さすがヒデ。

    村上龍について言えば、年を重ねても尚アツイ男である。デビューから龍はとにかく言いたいことを言いまくってきた、はずだ。それらの主張が正しかったか間違っていたかは置いておいて、自分の意見を颯爽と言い放つ彼が私は好きなんだ。こんな大人ばかりだったら今の日本は成り立たなかったんだろうな。それはそれで今の日本が抱える「窮屈さ」からは多少解放されるだろうけど。
    そんな龍がヒデとの対談では何だか大人しいのだ。ヒデに遠慮している風でもなく、歳と共にまるくなった訳でもない。たぶん龍はヒデのような若者が現れたことが本当に嬉しいんだろうな。龍がデビュー当初から言い続けてきたように、日本は未だにクソ真面目なナルシストのような国で在る。ヒデの登場は龍をほっとさせるものであっただろうし、今一度活力を与えてくれるものでもあったろう。

    彼らの対談の内容は本にして発表するまでもないことなのかもしれない。だが、私は本書から強大なエネルギーを得た。一人の独立した人間としての生き様、自分の頭で考えてそして主張すること。これらの重要性から目を逸らしてはいけない。

    P.S. ヒデと龍の関係性がとても羨ましく感じた。尊敬というよりは共感できる年上の人と出会い語りたい。
    (カンクン旅行で2人がジャグジーに入っている写真はちょっとキモいけどね。笑)

  • 村上龍に懐く中田がかわいい。
    ヒュブナーとかエメルソンとかだいぶ懐かしい。
    満足度6

  • 中田英寿と村上龍の対談集。
    サッカーやってる、やってた人にとっては村上龍のサッカー語りがなんだか気持ち悪いであろう一冊。
    表紙や挿絵の写真がまた気持ち悪い。
    中田も、村上龍も賢いんだろうなーと思うけどどちらともなかよくなれそうにない。
    ただし、『悪魔のパス、天使のゴール』はもう一度読みたくなった。
    あとパスよりもやっぱりゴールの方が有無を言わさず強いと思う。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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