- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087475746
感想・レビュー・書評
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読んでる途中は色々展開想像して楽しかったけど読み終えると結末は御都合過ぎてファンタジーとしか思えない。これがホラー小説はないだろ。でもこの短さなら致し方ないのかな。
映画に関する蘊蓄とか柔らかな京言葉で暴かれる過去など、読んでる途中は面白かったです。浅田次郎の文の上手さに尽きるが。
腐女子としては最初の方の清家と僕の描写がお互い一目惚れ過ぎてわろすでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
京都を舞台にした幽霊譚。古きよき日本映画全盛期、そして戦後からの脱皮を図ろうとしていた昭和四十年代前半、両時代の哀愁が色濃く漂う。
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美しすぎて女優になれず未練を残した女。
全体的にセピアなんだけど所々鮮やかな赤が入るイメージ。
京都弁が美しい。
ひっそりと余韻を残していく雰囲気が好き。
昔の日本映画が好きな人は細部の説明も楽しめそう。 -
読んでる最中、表紙のかえしに『写真・「祇園の姉妹」より』って書いてあるのに気付いてゾッとした。話中に、ほぼ女神化されて取り上げられている人物が、実在した人。フィクションだかノンフィクションだか分からなくなる。『僕』がまるで浅田次郎自身のようで、これは小説の体をしたエッセイなんじゃないのかと疑う。そのリアリティが、漠然としたホラーより、ひたりと寄り添ってくる寒々しさ。青春小説とは、呼べない。
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京都を舞台に、映画を愛する青年のお話。
主人公の青年は、私と同年代で、青春時代を振り返った想い出を綴る。
浅田次郎氏特有の優しい心持ちの主人公が、揺れる愛の気持ちを伝える。
合わせるBGMは、ベース奏者のレジェンドであるチャリー・ヘイデンのもとに集ったボーカリスト淑女達との録音。
昭和の退廃的ロマンス漂う大人のブルースが、懐かしい想いをいやが上にも呼び起こす。 -
昭和40年代の京都を舞台にしたお話。時を超え生と死を超えたファンタジー。京大生の主人公たち3人が映画のエキストラとして出向いた撮影所で美しい女優に出会う。その女優は30年前に自死した女優だった。その美しい女優に惹かれ関係を深めていく主人公の友人・清家。清家はどうなるの?とり殺されるの?と思いながら読んだ。京都の地名、神社仏閣がたくさん出てきて京都独特の空気感がストーリーの妖しさ哀しさを盛り上げていたような気がする。全くあり得ない話だけど出てくる映画監督や俳優は実在した人ばかりだったので美しい女優、夕霞は実在した女優かと調べてしまった(笑)