平面いぬ。 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.53
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本棚登録 : 8223
レビュー : 725
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475906

作品紹介・あらすじ

「わたしは腕に犬を飼っている-」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作ほか、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚「石ノ目」など、天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • (ごめんよ→)女々しロマンチックで乙一あまり好きじゃないんだけどこれは良かった。

    特に「平面いぬ。」がいい。青い犬ポッキーを育てる自分。その自分が家族から疎まれていると感じて、ポッキーを通して自分の家族の温かさに気づきシーンが子育てと同じ。そこがよかった。こういうのも書いてるんだなぁ…幅広くてすごいや。

  • 切なく、奇妙で、怖い中にも少しほっこりする四編の物語。どれもよい。これまで読んだ乙一さんの短編集でもピカイチ。

    「石の目」
見たものを石に変える「石の目」という魔物が住んでいるという伝承がある村で、山中で怪我をして「石の目」と思われる女性の家に滞在することになってしまった主人公たち。外界から隔絶された環境で、徐々に追い詰められて行く中で明らかになる真実。

    「はじめ」
小学校で叱られたくなくて罪を擦りつけるために、私と友人がでっち上げた少女「はじめ」。やがて、いたずら者のはじめを見たという噂が立ち始め、はじめは二人の間に姿をあらわす。懐かしさを感じる小学生のほろにが冒険譚。

    「BLUE」
不思議な布で作られた五つの動くぬいぐるみ。余り生地で作られたみすぼらしい姿のBLUEは、いつも仲間はずれ。でもBLUEは純粋でけなげで優しい心の持ち主で。泣ける。

    「平面犬。」
腕に彫ってもらった犬の刺青「ポッキー」は皮膚の上を動き回り、時には隠れ、時にはできものを食べてくれる。家族の絆の話。不幸の連続の話なのに、どこかあっけらかんとしたコミカルな雰囲気。明るく振る舞う主人公の前向きさに励まされる。

  • 石ノ目よかったです

  • 乙一ブーム再燃に付き再読。

    何年か前に読んだ時は平面いぬだけがやたら印象に残ってたんですが、今回一番ぐっときたのは「はじめ」でした。
    最後の一行が切なすぎる。
    作中で主人公が何度か「はじめは想像なのによく消えないで残ってるなぁ」みたいなこと言うんですが、
    想像の産物である存在に限界があるのかもしれないと思いました。
    で「はじめ」はそのことを知っていた。
    知っていたけど、傍にいたかったから8年も消えなかった。
    想像の産物なんだから、最後に男の子をかばわなかったら生きてたかもしれないけど、庇う方を選んだ。
    つまり、彼女の創造主である木園や主人公も、多分同じ目に合ったら同じことをしていたんだろうなぁ。

    BLUE
    読んでいてイプセンの「人形の家」を思い出しましたねぇ。ラストも。
    騎士のおじさん格好良かった。

    石の目
    石の目になり切っていた主人公の母親の寂しさは理解できるけど、ちょっと身勝手な感じはぬぐえなかった。
    N先生とばっちり。

  • どれもこれも味わい深い。
    そしてどれもが報われない話。切なく哀しい。
    表題作の平面いぬは他の3編とは違いコミカルタッチで少々説教臭さが鼻についた。

    好みはBLUE。
    石ノ目の和風テイストも捨てがたい。

  • あらすじにファンタジー・ホラーと書いてありまいたがホラーの要素はありませんでした。
    いつ怖いのがくるのかドキドキしてしまいましたよ(笑)
    どことなく優しいお話でした。
    BLUEがお気に入りです。温かくて、切ないお話でした。最初から最後までブルーに愛おしさが湧いてました。そして動いていいから一緒に暮らしたい!と思ってしまいました。

  • うまい、ズルい、面白い、感動した、なんか違う、すごい、せこい。何と言っても言いきれていない。これが乙一ワールドか。技巧派っぽいのに、常識とかモラルを外したところで発想しているからこその、「それだけじゃない」感。なんだそりゃ、と思わせつつ確実に読者に傷を残す。「現代の芥川龍之介」とか言ってみる。(のも良いかも知れない。)

  • 刺青の犬が体中を勝手に散歩だなんて
    どうしてこういう発想が生まれてくるんだろう。

    乙一さんは
    社会にうまく馴染めなかったり
    自分自身に劣等感を抱く人間の描写が
    ものすごく上手だなと感じます。

  • 天才乙一のファンタジー・ホラーを四編収録した傑作短編集。


    目を見た者を石に変えてしまうという
    魔物の言い伝えを巡る和風ホラー
    『石ノ目』


    小学生の他愛もない想像から生まれた「はじめ」が
    いつからか本当に現れて…。
    『はじめ』


    意志を持った
    見栄えのしない人形の
    悲しみが描かれた
    『BLUE』


    ちょっとした気まぐれから中国人彫り師に彫ってもらった犬の刺青のポッキーと
    少女の不思議な生活を描いた
    『平面いぬ』


    など現実と幻想の狭間をさまよう
    まさに乙一ワールド全開の作品集です♪


    しかも四編どれも
    完成度が高くて驚くばかり。




    もう5年以上前に読んだんやけど
    読みやすい作家さんです♪



    17才でのデビュー作
    『夏と花火と私の死体』には
    本当に驚かされました(汗)( ̄□ ̄;)!!



    伊坂さんが出てくるまでは
    天才の名を欲しいままにしてたんじゃないかな。(漫画化や映画化された作品も多数あります)



    彼の作品は
    切なさと怖さ(不思議さ)が
    絶妙にブレンドされていて
    セツナフェチの自分にはかなりツボでした。

    この短編集では
    ホラー要素の強い
    『石ノ目』が文句ナシの傑作と言えると思います。


    主人公と石ノ目の緊張感溢れる会話だけでもゾクゾクして
    先が気になってたまりませんでした(笑)


    他には空想の中の存在だった「はじめ」が
    現実に現れ
    やがて主人公との友情が芽生えていくノスタルジックなファンタジーの
    『はじめ』や


    人形が動き出すというありがちな設定ながら
    主人公である不格好な人形の健気さに涙腺崩壊の
    『BLUE』には
    大いに泣かされました(>_<)



    目に見えるものだけが
    全てではないんですよね…。


    グロテスクな描写がないので
    ホラーが苦手な人でも大丈夫だし
    ハラハラドキドキして
    切なさが味わて
    なおかつサラリと読める小説をお探しの人には
    オススメです(^_^)

  • これ、大好き。

  • ホラー・ファンタジー4編が入った短編集。
    とても切なくて、悲しい気持ちになるけどもう一度読み返したくなる。読んで良かったって思えます。
    切ないの以外にも、ホラーもあり笑っちゃうのもありこの本で乙一さんの顔を4つも見れた気分です。

  • 何でかわからないけど、無意識に何度も読み返す本あるじゃないですか。
    私にとってはこの本がそれに該当するわ

    初めて読んだのは中二でそれから、何度も読み返してる。
    何故だかわからない
    「うわー面白い!」とかではなく なのに読み返したくなる

    全ての物語からは登場人物の息づかいやご飯の味、空気感が読むたびにたしかに感じる。
    なかでもブルーでは、手に布の感触さえ感じる。いや本当に
    嘘だと思うだろうけどこの本読むたびに思うのよ、本なのにね

    もしかしたらそこに、何度も読み返す中毒性があるのかな。
    根本をたどれば「かもめ食堂」とかほのぼのとした本が好きになったのはこの本のせいかも。

    結局はなにが言いたいのかと。
    私にとってこの本は一生大切にする本だという事です。


    あとホラーじゃないよ。

  • 内容紹介
    わたしは腕に犬を飼っている――。ひょんなことから居着いてしまった「平面いぬ」ポッキーと少女の不思議な生活。天才・乙一のファンタジー・ホラー傑作集。『石ノ目』改題

  • まず一言。ホラーではない。
    いや、超自然現象を総合して『ホラー』と呼ぶのなら本書の内容も『ホラー』なのかもしれないけれど。個人的にはホラーではない。ファンタジーなのは納得だけど。怖くない。

    何故なら全篇に、愛が塗れているから。
    確かにメデューサっぽい設定だったり、ダークなトイストーリー感はあるけれど。全然怖くないです。寧ろ時々ほっこり最後は悲しい愛が目一杯詰め込まれていて涙腺が刺激される。

    乙一作品は本書と、児童書の一冊しか読んだことがないのだけれど。ゾクっとする話を期待していたので、ちょっと肩透かしだった。

  • ほろ苦かったり、ちょい切なかったり、微笑ましかったり。ライトなホラーで巧みに読ませる技術は流石です。面白い短編集でした

  • 古本屋で買った本。カバー絵がちょっと好き。

  • 乙一の怖い話が読みたくて手に取った一冊。
    しかしその期待は良い意味で裏切られ、読後に服の袖で目尻を拭わされることとなった。四作ともほのかに(「石ノ目」はわりとがっつり)ホラーな空気が漂っているが、その本質は家族や友人への愛に溢れた素晴らしい作品だった。

  • 初めての乙一作品読了。伊坂幸太郎テイスト、という話を聞いて読んでみたが、確かに切なくもどこか温かみのあるファンタジーな世界。他の作品も読んでみよう。

  • 全然テイストが違う4つの短編集。ストーリーはどれもオリジナリティがあり独創的。

    乙一さんの想像力には下を巻く。彼の小説は集中して読むことで、見たこともない場所や情景を想像することができる。うまくできる人には素晴らしい小説だろう。ただ、わたしは彼のかもす暗いトーンによく馴染めていない。

    この短編集は軽く読めて四度おいしい。救い難いわけではない、少し哀しみを含むラストが乙一さんらしい。
    「BLUE」が良かった。ホロリときた。

  • ホラーかと思ったら、それほどホラーでもなく読めた。
    BLUEはトイストーリーのようなお話。
    純粋なブルーが切なかった。切なくて悲しいのに最後は安心した。
    はじめもホラーっぽく始まったが、和やかでラストはやっぱり切なかった。
    表題の平面いぬ。も刺青だし、住む世界が違う人の話かと思ったら家族愛に満ち溢れてた。
    ホラーじゃなくてひと安心です。

  • どの話にもしんみりして、感動してしまった。
    乙一さんの幅の広さ恐るべし。

  • 4話全ての設定が面白い。
    特に「はじめ」は何時はじめが消えてしまうのか心配しながら読んだ。

  • 初乙一さん。
    平面いぬが好き。こんな入れ墨なら彫りたいかも笑
    可愛い可愛いーーー!
    初めての乙一さんで怖そう話は飛ばしたと思う。
    いまなら平気だから、また読みたい。

  • 「BLUE」が切なくて気に入った。なんで人形作者はピストル自殺したのかが書かれてなくて気になるけど‥‥。
    タイトルになってる平面いぬは、無理があるでしょ~って気持ちになってしまってあんまりのめり込めなかった。

  • 久しぶりに乙一。不思議なことがサラサラと普通に起きます。このサラサラ感が気持ちいい。

  • 最近ハマっている乙一氏の短編集。短編集は時間がある時に少しづつでも読めるのが良い。今回はミステリアスと言うよりは人情もの。人間臭い話が多い。毎回、色々な表情を見せてもらえる乙一氏の作品は、新鮮で面白い。

  • サクッと読める、短編集です。
    どれも、余韻が残り面白いです。

  • 初めて作品を読んだ。
    怖い本を書くというイメージがあったので、どこかで怖くなるのでは・・と構えながら読んだけれど、全体的にファンタジー、ミステリーという感じだった。

    特にBLUEという話が、外国のミステリーの翻訳みたいで好きだった。ぬいぐるみが動くのはよくある話だけれど、なかなか面白かった。
     
    平面いぬは、そのタイトルに惹かれたので印象的でいいタイトルだと思うけど、あまり好きではなかった。
    家族のありかた(他人行儀な感じ?)が、自分や自分のまわりの家族とかけ離れ過ぎてて苦手だった。
    命を助けた恩を売ってお金を手に入れようとした事を棚に上げて、老人の顔にケーキをぶつけたりコーヒーをかけたりというのは、若いとはいえどうかな・・と思う。
    あとそもそも私は犬が苦手。

    石の目は、お母さんそこまでかたくなに石の目になりきることに固執しなくてもいいんじゃ という気持ち。
    お母さんの石像見つけましたと言われたときに白状したらよかったような・・
    しかし、ポラロイドでも効力があるのはすごい。

    はじめは、子供の空想力のすごさを改めて感じた。自分も小さい頃いろんなことを空想し、そこには自分で作り上げた人物もいたなと思う。
    ただ、それが10代後半になっても生き続けるというのは本当に強い力だと思う。詳細な想像力、信じる心。
    面白いと思った。

  • ホラーと見せかけて、全体としてはファンタジーのある日常でのほっこりする話。
    どの話も冒頭から不思議要素がでてくるが、すぐには先が読めなくて面白い上に、心が深く書き込まれていて良い。

  • この短編集は、すべてファンダジーやな(^-^)/

    ダークファンダジーっぽいけど、ダークじゃない。

    友情や家族愛がしっかりと描けてる。タイトル作の「平面いぬ」なかなか感動的やった。

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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