海を抱く BAD KIDS (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476132

感想・レビュー・書評

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  • BAD KIDSを読んだのでスピンオフのこちらも読んだ。
    高校生の物語でありながら性的な描写が多い作品で、村山由佳さん特有の艶っぽさがあるが、同時に青春小説らしい爽やかさも感じられる。
    前作BAD KIDSと合わせてどちらも読みやすい反面、物足りなさも感じるのは大人になってしまったからかもしれない。

  • 口コミなどで性的な描写が多いなどの投稿があったので、どういうものかと思いながら読み進めましたが、一種独特な男女の関係に不思議と嫌悪感はありませんでした。物語全体は非常に爽やかで、後味の良いものでした。何より驚いたのは、私自信サーフィンをしますが、余程細かい取材をしなければ分からないような部分までリアルに書かれていました。他の描写に関してもそうですが、村山さんの綿密な取材と表現力が見事にこの作品を作り上げており、最後まで飽きることなく読み終えることができました。

  • 青春時代に抱える、自分自身への不安、周りの人間とのつながりのはかなさ、性へのモヤモヤ、爆発しそうなのにそれすらできない迷いが詰まっている。
    共感はしないが、理解はできる。

    ベッドシーンが秀逸。ドギマギした。

    BAD KIDSのスピンオフだが、こっちの方が好き。なぜか秋口に読み返したくなる。

  • ただの恋愛小説ではないという印象。

    売春、同性愛、ドラッグなど過激な描写が多いけど、
    誰かに自分の悪い部分を知った上で好きでいてもらうことの大切さがわかる。

    主人公の二人の関係性が理想的。

  • 実家とアパートに1冊ずつ持ってる。
    何回読み直したことか…不器用ながらもお互いの大切さに気付いていく恵理と光秀の関係がすてき。
    性描写が多いけど、生きていくことの象徴としてのセックスなのかなー、と。
    光秀と父親の名前の間の伏線?に気付いた時はハッとしたなあ。
    個人的には都のような女の子がとてもすき。

  • 「お前、海の味がする」
    海のそばにいくたびに読みたくなる一冊。
    光秀や光秀の父親にとっての海、生きていくうえでの指標みたいなもの。自分にもあればいいのになあ。

    自分だけでは抱えきれないものを持つふたり。
    ぶつけあうみたいに交差して 、
    反発しながらあらがえなくて、
    いつの間にか溶け合ってく。

    アンバランスな関係がどうしようもなく魅力的で、読むたびに強烈な憧れに溺れそう。
    だって、自分にはきっと一生訪れない。

    一方で、光秀の両親の関係はめちゃくちゃかっこいい。
    だけど、寂しい。
    光秀が両親をみて学んだことは「寂しさの伴わない自由なんてない」
    その寂しさを遠ざけたくて、不自由になって、ぬるま湯のなかで苦しんでる。
    もしかして、かっこいいって孤独ってことなんだろうか?

  • 2009/01/21読了

    なんかすごいものを見てしまった。村山さんにはいつも違う衝撃を与えられてばかりだ。
    切なかったし色っぽい。性描写も半端無いけれど、生活のちょっとした音もしっかりと拾われている。18とは思えなかったな。藤沢の気持ちも少し分かっちゃうかも。
    まあそこまでハードではないけれどね。
    山本光秀の性格がまた優しいんだ。サディスティックな気持ちと、弱い心をどうにか押さえ込めて生きてきたはずなのに。藤沢にはどうしても…。
    まあ双方、不器用すぎて、十代の危うさってところだね。
    もう少し丸くなれよ…
    セックス描写がうまい。けれどいやらしさは感じない。「行為」を綺麗に、少し残酷さを残してる。うまいです
    あとマリファナを吸うシーンは、混乱の描写がやばい。あの表現の仕方はすごいな。画期的だ。けど、誰も思いつかないし、やろうと思っても勇気がいる。

  • 世界の捉え方が独特。
    綺麗な部分も醜い部分も、
    全てを青春という括りでまとめてしまうところがすごく好き。

  • バットキッズ読んでから是非読んで欲しい。
    補完されているところがたくさんある。
    皆がちょっとずつ自分勝手で自分しか見えてなくて
    他人が幸せそうにみえて……
    不器用で弱くてズルいところが描かれてるけどそれは一部分だけで健やかなところもちゃんと描かかれている。
    寄り添いあう魂がキラキラして美しかった。
    高校生なのも良い。
    久々に恋愛小説読んだなぁ。

  • 「第1章」
    興味本位の出来事を。
    不安が強いのは当たり前のことだろうが、それよりもプライドが高すぎるからこそ引くに引けないのだろうな。

    「第2章」
    心だけは頑なに閉じ。
    何を言っても聞かないからという言い訳は本当だろうが、せめて一言連絡をしていれば対応しなかっただろう。

    「第3章」
    生死の分かれ目とは。
    何も知らないまま身体だけ重ね続けていたが、ようやく少しずつではあるが互いのことを知っていけそうだな。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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