海を抱く BAD KIDS (集英社文庫)

著者 :
制作 : 花村 萬月  音部 訓子 
  • 集英社
3.51
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本棚登録 : 2549
レビュー : 268
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476132

感想・レビュー・書評

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  • 青春時代に抱える、自分自身への不安、周りの人間とのつながりのはかなさ、性へのモヤモヤ、爆発しそうなのにそれすらできない迷いが詰まっている。
    共感はしないが、理解はできる。

    ベッドシーンが秀逸。ドギマギした。

    BAD KIDSのスピンオフだが、こっちの方が好き。なぜか秋口に読み返したくなる。

  • ただの恋愛小説ではないという印象。

    売春、同性愛、ドラッグなど過激な描写が多いけど、
    誰かに自分の悪い部分を知った上で好きでいてもらうことの大切さがわかる。

    主人公の二人の関係性が理想的。

  • 実家とアパートに1冊ずつ持ってる。
    何回読み直したことか…不器用ながらもお互いの大切さに気付いていく恵理と光秀の関係がすてき。
    性描写が多いけど、生きていくことの象徴としてのセックスなのかなー、と。
    光秀と父親の名前の間の伏線?に気付いた時はハッとしたなあ。
    個人的には都のような女の子がとてもすき。

  • 「お前、海の味がする」
    海のそばにいくたびに読みたくなる一冊。
    光秀や光秀の父親にとっての海、生きていくうえでの指標みたいなもの。自分にもあればいいのになあ。

    自分だけでは抱えきれないものを持つふたり。
    ぶつけあうみたいに交差して 、
    反発しながらあらがえなくて、
    いつの間にか溶け合ってく。

    アンバランスな関係がどうしようもなく魅力的で、読むたびに強烈な憧れに溺れそう。
    だって、自分にはきっと一生訪れない。

    一方で、光秀の両親の関係はめちゃくちゃかっこいい。
    だけど、寂しい。
    光秀が両親をみて学んだことは「寂しさの伴わない自由なんてない」
    その寂しさを遠ざけたくて、不自由になって、ぬるま湯のなかで苦しんでる。
    もしかして、かっこいいって孤独ってことなんだろうか?

  • 2009/01/21読了

    なんかすごいものを見てしまった。村山さんにはいつも違う衝撃を与えられてばかりだ。
    切なかったし色っぽい。性描写も半端無いけれど、生活のちょっとした音もしっかりと拾われている。18とは思えなかったな。藤沢の気持ちも少し分かっちゃうかも。
    まあそこまでハードではないけれどね。
    山本光秀の性格がまた優しいんだ。サディスティックな気持ちと、弱い心をどうにか押さえ込めて生きてきたはずなのに。藤沢にはどうしても…。
    まあ双方、不器用すぎて、十代の危うさってところだね。
    もう少し丸くなれよ…
    セックス描写がうまい。けれどいやらしさは感じない。「行為」を綺麗に、少し残酷さを残してる。うまいです
    あとマリファナを吸うシーンは、混乱の描写がやばい。あの表現の仕方はすごいな。画期的だ。けど、誰も思いつかないし、やろうと思っても勇気がいる。

  • 世界の捉え方が独特。
    綺麗な部分も醜い部分も、
    全てを青春という括りでまとめてしまうところがすごく好き。

  • 波の音がする

    大嫌いだったことも思い出す、
    すごくリアルなお話

  • 初めて好きになった作家の最初の一冊

  • BAD KIDSの続編。鴨川の高校。サーファーの山本光秀。父はガンで余命少ない。生徒会副会長の藤沢恵理は処女を捨てるため男とホテルに入ったところを山本に見られる。口封じのために自分を抱くことを山本に提案する。恵理の兄は人殺しとなり体だけでなく心も支えたいと思うようになる。山本も父の死に臨み恵理を必要とする。

  • BAD KIDSのスピンオフ。前作で都の友人の生徒会副会長として出てきた恵理と、サーフィンをする軽い男子高校生・光秀が主人公。

    表向きは優等生の恵理だが、実は自分がド変態なのではないかと思い悩む。早くに処女を捨てたくて、学校から遠い横浜で出会い系で知り合った男と寝るが、その帰り道、光秀に見られてしまったことから二人の関係が始まる。
    恵理は一人で暮らす光秀の家をたびたび訪れ、行為が終わると帰っていく。
    光秀はなぜ恵理がそんなことをするのか分からないまま、彼女に身体も心も惹かれていく。

    光秀にはろくでもない父がいる。母親は離婚しており、別の男性と結婚しそう。幼い頃は自分にサーフィンを教えてくれた父だが、末期がんに侵され、延命措置を望まないと言う。
    恵理の家は農家を営んでおり、次兄夫婦とともに暮らしている。次兄の嫁と母親とは一見争いがなさそうだが、当然すんなり行かず、そのしわ寄せが恵理に来ている。恵理の長兄は農家から逃げ出し、どこへ行ったか分からない。
    そんなある日、恵理の許へ長兄から「お金を貸してほしい」と連絡がある。手元にあるだけのお金をかき集め、光秀からも借りて長兄のところへ行った恵理だが、蝶形の様子はどこかおかしかった。

    二人の抱える事情は軽くない。陳腐な表現だけど、弱った部分をなめ合うように、恵理と光秀はつかの間の交わりをする。
    痛々しくで切ないけど、最後はほんの少しの明るさで終わる感じです。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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