まるむし帳 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2003年10月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784087476248

作品紹介・あらすじ

生きていることの不思議、遠い昔の思い出たち…。くるりと小さく丸まって、にこにこ笑いながら書かれた、やわらかな言葉とあたたかな絵のハーモニー。巻末には、詩人・谷川俊太郎氏との対談を収録。

みんなの感想まとめ

生きることの不思議や思い出をやわらかい言葉と絵で表現した詩集は、思考を自由に飛ばす哲学的な要素が魅力です。著者のさくらももこは、親しみやすい「まる子」のイメージとは異なり、深い思索をもっていることが感...

感想・レビュー・書評

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  • さくらももこさんて、“まる子“のイメージとは違う。
    詩人で、哲学者で世の中を科学者のような目でも見てたのですね。

    「有無」
    無の状態は
    真白なのか
    真黒なのか
    白なら白が在り
    黒なら黒が在り
    両方とも違うのなら
    無が在り
    何も無いのに
    無いことが在ることになる。

    「ひとときの何人」
    一秒前のわたしを取り出すには
    0.1秒前のわたしも
    0.01秒前のわたしも
    0.001秒前のわたしも
    0.0001秒前のわたしも
    0.00001秒前のわたしも
    何人も何人も何人も何人も
    必要だよ。一瞬は永遠を内包しているね。
    永遠はまばたきなのかな。

    「果て」
    長い長い線路の終点に
    線路は無くて
    長く長く線路が始まるところにも
    線路は無くて

    長い長い川の終わりは
    海になっていて
    長い長い道の終わりも
    海になっていて

    深い深い海の底は
    地球になっていて
    広い広い宇宙の中に
    地球はいるね。


    この本はさくらさんの詩の他、谷川俊太郎さんとの対談も入っているそうですが、私が読んだのは1991年に刊行された詩だけの詩集です。素朴な函入りで、えんじ色の布表紙の上製本です。これも実家を整理したら出てきたやつで、函は残念なくらい汚くなってましたが、本体は綺麗でした。詩一編につき一つずつ付けられているさくらさんの装画も芸術的で味わい深いです。

    “意外“に哲学的なももこさんの頭の中とそして、「ちびまる子」のようにやっぱり優しい人への愛情を感じます。

    「かなしい子供」
    いつか別れる悲しさが
    出会ったときに
    生まれる子供。

    その人のことが
    大好きになればなるほど
    その子は大きくなってゆくよ。

    その子を
    置き去りにして
    一番早くに
    行ってしまいたいと
    ときどき思う
    わたしは弱い母親です。


    好きになる、大事に思うということは、離れて行く時はそれだけ悲しみが大きいということですね。

    さくらさん、広い宇宙の無限の時間の中ではさくらさんと私たちの距離は遠くないです。いつかまた出会って一緒に笑えるかもしれないですね。


  • 私は詩がひじょーーーーに苦手です。小説を読んでいても詩の部分は飛ばし読みです。詩が重要な心理描写や暗号になっていると、その小説自体がわけわからなくなります…_| ̄|○
    苦手というのは、言葉を短くしているのに抽象表現や比喩表現を使うので、回りくどいというか全く理解できない。さらに言葉が短いので「力入ってます!」という感じがして何を言っているのかよくわからない。
    同じことなのか私はツイッターも苦手だ。言葉を短くしてうまいこと言ってるような文章だと、揶揄しているのか本気なのか、逆説なのか真理なのか理解できず、「一見さんお断り」感がしてしまう。

    …というわけで、苦手な詩でもさくらももこなら読めるかと思って手に取りました。収録されているのは、さくらももこの詩と対応する画と、谷川俊太郎との対談です。
    「まるむし帳」というのは、さくらももこが、丸くなってぽかんとしたりごろんとしながら頭に浮かんだことを書き留めたという題名だそうで、良い感じで肩の力は抜けています。
    そんな丸くなってぼーっとしながら考えたからなのか、むしろ思考は自由に飛んで、在ると無いということ、ここにいるということ、そしてそれをわかっているっていうことなど、哲学に突っ込んじゃった感じです。そうか、哲学ってぼーーっとして思考が自由になった時に到達するところだったのか。

    終盤の谷川俊太郎対談ではわりとぶっちゃけトークというのか「出会ったときはふたりとも既婚者だったけど、いまではふたりとも離婚しちゃったねー」から始まったり、さくらももこが別のエッセイでも書いている「飲尿健康法」のことなど、詩の漂うような感覚とは変わって地に足のついたお話でした。

    • 淳水堂さん
      GMNTさん
      コメントありがとうございます。

      ああ、たしかに歌詞もわからん〜。
      そして私も数人の歌手で聞いたことのある「ハレルヤ」...
      GMNTさん
      コメントありがとうございます。

      ああ、たしかに歌詞もわからん〜。
      そして私も数人の歌手で聞いたことのある「ハレルヤ」の作詞家を教えて下さってありがとうございます。
      美しいハレルヤだけが祝福ではなく、受け手によっては冷たく壊れていても祝福として救われるんだよ、という感じでしょうか。
      小説も、幸せでなくても、生々しくても、読者により救われる読者もいるし、もしかしたら作者自身が救われているかもしれない。言葉ってそんなふうに使われてほしいですね。

      しかし「ハレルヤ禁止」ってなんかわかります(笑・笑)
      余談なのですが、私はフィギュアスケートが大好きなのですが、フィギュアスケートでも多くの選手が同じ曲を使うので「〇〇禁止」って言われてます。そして「ハレルヤ」も、ボーカル有り無しで多くの選手が滑ってます…。


      詩についての本もう1冊『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』読み、先程レビュー載せてみました。よろしければこちらもご覧くださいませ。
      GMNTさんの書かれている「何のことについて書いてるかはわからないが、感覚的にわかる」と感じることが大切だということです。
      2022/10/26
    • 淳水堂さん
      おびのりさん

      コメントありがとうございます!
      詩って「一見さんお断り」な感じがしちゃうんですよーー。
      詩についての本もう1冊『ぼく...
      おびのりさん

      コメントありがとうございます!
      詩って「一見さんお断り」な感じがしちゃうんですよーー。
      詩についての本もう1冊『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』読み、先程レビュー載せてみました。よろしければこちらもご覧くださいませ。
      おびのりさんは「和歌はわかる」ということですが、「ぼくがゆびを…」でも詩や俳句に触れてゆく小学生の少年が「俳句のほうが、本当のことを言っているという気がする」と言っていました。そして少年は「そっか、詩も本当のことだって思えるのが良い詩なのか」って思います。

      小説も、本当だと思えるかどうかとは大事だと思っています。
      ただ読者を驚かせるための不幸な展開や無理矢理の幸福などは心にとどまらないのですが、どんなに不幸であってもそれが本当だと思えたらそれは良い小説だと思います。
      詩や俳句も、分からなくても何かを感じられればいいですよね。
      2022/10/26
    • おびのりさん
      コメントありがとうございます。
      「ぼくがゆびを〜」も読ませていただきました。とても参考になりましたし、かなりの難書も読まれている淳水堂さんと...
      コメントありがとうございます。
      「ぼくがゆびを〜」も読ませていただきました。とても参考になりましたし、かなりの難書も読まれている淳水堂さんと似通った感覚
      の部分を知って、嬉しくそして安心した様な感じです。
      小説でならかなりの設定まで許せるのですがねえ。
      中学生くらいから、詩がわからないという感覚がありました。作者の意図がわからないし、
      わかる必要があるのかなあ、といった生意気な小娘でしたね。
      また、本棚参考にさせていただきます。
      2022/10/27
  • ネコ背の『ももこさん』が ますます体をま〜るく まんまるにして ぽかんとしたり ごろんとしながら書いた詩集『まるむし帳』

    「『まるむし』は のろまですから どうかゆっくり ゆっくり読んでいただけたらなぁ」と書かれているとおり…ゆっくり ゆっくり何回も読み返している一冊

    いつもの『ももこさん』の笑いはなくて モノクロのイラストもあいまって少し さみしげで せつなくも感じる





    ❀巻末対談は『谷川俊太郎』さん
    お互いのプライベートの話から始まり哲学や健康の話まで…今となっては とても貴重で楽しい対談
    ワタシが持っているのは文庫(2003年第一刷)定価381円+税で現在書店では定価600円+税…時代を感じる…❀

    (本棚整理再読 さ-集-6)

  • 「言葉の記号で 置き換えることのできない想い‥」
    などなど、ちょっと哲学っぽく科学っぽく思える詩たち。
    谷川俊太郎さんとの対談つき
    対談で初めて知るさくらももこさんの一部分も興味深い。タバコにプロポリスをつけて吸ったり、飲尿療法してたり、当時の流行りですかねー

  • さくらももこさんの詩画集。ああ、なぜもっと早く読んでいなかったのだろう、と悔やまれるほど良かったです。
    哲学的であったり量子力学的(?)であったり。小さな私という存在が大きな宇宙と繋がっていて、膨大な時の流れの中の一瞬一瞬に存在している私。子供の頃なぜ?と思ったことはあっても忘れてしまうようなことを忘れずにいて、素直に表現出来る感性がほんとうに繊細で素敵。言葉にできない感情をこんなふうに表現できるなんて…。
    漫画やエッセイだけでなくて詩の才能もあったのですね。
    何度も何度も読み直したい本になりそうです。

  • 一元性、感覚、思考、家族、自然•生き物、物理的な物への着眼点、想い の7つのセクションからなる57篇の詩。
    さくらももこさんの視点は原子から宇宙まで、水、風、時、など多岐にわたり、優しく、哲学的に、叙情的に表現されていて、なんとなくせつなくなってしまう。
    添えられるイラストは繊細でかわいくて心に染みます。

  • さくらももこの醸し出す空気感が大好きです。なんだかきもちが丸くなります。

  • さくらももこさんの独り言のような詩集。
    一緒に載っている絵が可愛らしくて良い。
    ぽかんとしてたりごろんとしてたりする時はますますいつもより丸くなっているので“まるむし帳”と名付けた詩集。肩の力を抜きながら何か考えたり何も考えなかったりできるかんじ。
    逆に巻末の谷川俊太郎さんとの対談は2人の離婚の話や健康法について、物書きは信用ならないなという話など本編とは打って変わって考えさせられるような内容でその温度差がよかった。

    「けんか」
    おとうさん
    おかあさん
    笑顔で帰ってくると思っているね。
    みんなと仲良くしていると思っているね。

    これがなんだか印象的。

  • 読了

  • 最初に触れたのは中学生時代だったか。当時、立て続けに発刊されていたエッセイが、漫画の延長でことごとく面白かったこともあり、本書の雰囲気がまるで理解できなかったのを覚えている。今は、当時よりまだ分かる。でも、詩歌は自分にはまだまだ遠い。

  • 3.3

  • 自分にはあまり刺さらなかった。
    純粋に疑問に思ったことを書いているような感じ。小さい頃からさくらももこさんはこんなことを考えていたんだと思うとすごいなと思う。

  • 泡のちから
    炭酸ガスが味方してふたをあけるのを手伝ってくれるから小さい泡のみんなどうもありがとう。
    というところが特に好きです。

    ボールペンのボール
    とても小さくて小さい赤ちゃんだから言うことをきかなくてもしかたないね。
    というところが、可愛くて好きです。

    ふたりのチョコ
    ふたりならおなかの中でもさみしくないよね。
    でこれから2つセットで食べようと思いました(笑)

    物質の粒子を突き詰めていくと何もないになるという話で、何もないところから動いたりしてるから何もないはすごいという話でしたが、すごい哲学というか、何もないところから動いてると考えるとすごいなと思いました。

    最後の谷川さんとの対談は健康法が独特すぎてびっくりしました。

  • 合唱曲から「ぜんぶ」を知りたどり着いた 一元性の章ではある、と、ない、がよく出てきて、その中でぜんぶの詩はひときわ温かく感じられるのだと思った

  • 詩の良さがあまりわからないからそこまで楽しくなかった
    けど最後に谷川俊太郎との対談があったのが少し救い
    魂は死んでもなんなら地球がなくなっても残るみたいな内容

    ボールペンって題の
    ボールペンはいうことをたまにきかなくなるから
    私はあまり好きじゃないけど、
    ポールペンのボールはとても小さい
    小さな赤ちゃんだから仕方ないね。
    みたいなやつ可愛くて好きだった

  • 詩集です。
    さくらももこさんが詩集を出してるなんて知りませんでしたが、図書館で見つけて借りてみました。
    じんわりと心に染み渡ってくる感じです。
    いくつか好きだなあっと思う詩がありました。
    また何年か経って読んだら違う詩が好きになったり感じ方も違ってくるんじゃないかな。。。
    数年に1度、その時の自分と向き合いながらまた読んでみたいです。

  • 詩集というものに馴染みは無かったが、気が向いた時にパッと開いたページを読み、さくらももこらしい可愛い挿し絵を楽しむという見方をしてみた。自然の中に自分を置き、風や植物、空などの些細な変化にも気づく力が彼女にはあったんだなと思う。肩の力を抜きたいときにいいなと思う。

  • 短い詩と、イラストがセット。
    イラストがあると詩を読んだだけの印象とまた変わるのが面白い。

    そんなこと考えたことも無かった、その発想は無かった、という作者の感性に感服。

    回る、とかまる とかのイメージが多かっただろうか。
    たかし君についてエッセイにも登場したけれど、印象深い同級生だったのだな。。

    『変化』
    「なんにも 変わってないよ。…でも時計があるから 人が死ぬ。」
    人は、では無くて 人が、 だとまた印象が違う。

    『ビール工場』
    「頭のてっぺんに ビール工場ができてる。」
    どゆこと??

    『組み合わせ』
    「…おいしい組み合わせになったとたん 舌からものすごい速さで情報屋の神経細胞が わたしに おいしいを知らせにくる。」
    あ~美味しいもの食べたい!!

    『けんか』
    「学校で友達とケンカした。…おとうさん おかあさん 笑顔で帰ってくると思っているね。 みんなと仲良くしてると思っているね。」
    懐かしくもあり切なくもあり、なんか哀しくなった。

    『お腹』
    「人間は人間をつくれないけれど 人間しか人間をつくれない。…むずかしいのに おかあさんのお腹は ちゃんとつくるよ。」
    コウノドリの出産は奇跡 を思い出す。

    『ボールペンのボール』
    「…とても小さくて小さい赤ちゃんだから 言う事をきかなくても しかたないね。」
    その発想は無かったし、最近のは書きやすいし、この題材浮かぶ人いなそう。。

    『自分のほんとう』
    「ほんとうのことは 人生と同じだけの時間がかかるから 説明できないけれど…誰でも ほんとうのことは 自分しかしりませんでした。」
    ナルホド。。

    『かなしい子供』
    う~ん。。。どういう事だろう?? 子供は本当に子供をさしているのだろうか??

  • 詩集。
    センチメンタルな雰囲気と素敵な挿絵がとても良い。家族の章に載っていた詩はセンチメンタルの濃度が高めで、ぐっときた。

  • ぽかんとしていたり、ごろんとしていたりしたときにできた詩たちなので、
    ぽかんとしていたり、ごろんとしている時に
    読み返したいなと思った。

    ひとつの物事に対して、ゆるく追求する
    ふんわり哲学的なスタイルで、よかったです。

    わたしも思いついたことは
    全部ノートに書いておこう。

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著者プロフィール

1965年静岡県静岡市清水区(旧・清水市)生まれ。1984年、漫画家デビュー。代表作に『ちびまる子ちゃん』『コジコジ』『神のちからっ子新聞』、セルフパロディ漫画『ちびしかくちゃん』など。エッセイ『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』(以上、集英社)は、3年連続ミリオンセラーを記録。漫画、絵本、エッセイ、作詞楽曲など、その作品は多岐にわたる。2018年永眠。

「2024年 『次郎にもきいてみた。ブツブツ問答集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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