- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087476446
感想・レビュー・書評
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「奄美の画家と少女」が秀逸です。
ー自分の命を削って、絵の具にとかしたような絵だ
もの凄い表現
さすがの田中一村さんも
もしこの言葉をもらたら
きっと頷かれたに違いない
そのような「ひと言」が
随所にちりばめられている
素適なエッセイです
それと
唐仁原教久さんの絵を
挿画にされた編集者の方に脱帽詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国民的俳優・高倉健(1931-2014)さんの生誕90年であります。彼が書いた初の絵本といふ触込みですが、実態は健さんが体験した事を綴るエッセイと申せませう。
国際的スタアだけあつて、ロケ地もアフリカ、北極、南極、ハワイ、オーストラリア、ポルトガル等等ヴァラエティに富んでゐます。四十年以上(執筆当時)に及ぶ俳優人生で体験した、印象的な人や動物、出来事をいかにも高倉健ふうに朴訥に、素直に語るのでした。
アフリカで遭遇した砂嵐に巻き込まれた少年に向ける眼差し。インド人なのに北極でガイドをする達人。一羽一羽に個性がある南極のペンギン。「じょうだんじゃ、ナイよ」が口癖のハワイのベトナム料理人。「千日回峰」を二度も成し遂げた比叡山の高僧。母が亡くなつた時に骨をバリバリ齧つた話。
共通するのは、それぞれのフィールドで自分の最善を尽くさうとしてゐる人たちに対する、優しい眼差しでせうか。性善説に立つた人生讃歌とでも申せませう。それも人生経験の浅い人が夢みるやうに語るのではなく、人生の裏表を知悉した、海千山千の健さんが言ふので、説得力がございます。
彼の不器用ながらぶれない生き様を示す演技と重なりますね。もつともわたくしは初期のやんちやに暴れる健さんが好きなんですけど。
唐仁原教久さんの画も好いし、読後優しい気分になれる一冊と申せませう。尤も明日になれば忘れるかもしれませんが、まあその瞬間が好いのです。紙質もよく、字が大きく余白もたつぷり取つてゐるので、必然的にページ数が増え価格にもそれが反映されてゐて、ちと高めです。せつかく優しい気持ちになつたのに、こんなせこい事を考へるのは、まだまだだ喃と思ふところであります。 -
〜「自分軸」に出会う本〜
みなさん、おはようございます☀️
ママ専門コーチのゆうきです。
▷ママがワクワクする本紹介→ https://www.instagram.com/bookmamaaaa/
▷ラジオ版→ https://www.instagram.com/kosodatenomikata
いつもご覧いただきありがとうございます♪
ーー内容ーー
高倉健さんの40年間余りの映画俳優人生の中で、世界中で出会った人達を紹介するハートフルな本。過酷な撮影現場のリアルな話から、優しさ溢れるエピソードまで短編で綴られているので読みやすいので子育ての合間でも気軽に楽しめます。文字がとにかく大きくてルビ付きなので小三の息子も読めました。
ーー感想ーー
撮影で世界中を飛び回った高倉さんが優しく尊敬の念をもって書き綴っているのが伝わる本。
本の中で、様々な人たちが書かれている。
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「ここに住むと人間を信じることができる」と言った北極に住むインド人ガイド
なによりも命を大切にする南極スコット基地の隊長
「じょうだんじゃ、ナイよ」と言いながら心を込めて料理をつくるハワイのベトナム料理人
「千日回峰」という仏教の中で最も厳しい修行を2回も成し遂げたお坊さん
息子を心配して長文の手紙を何度も送ってくる高倉健さんのお母さん
命を削って絵の具に溶かしたような絵を描いた奄美の画家(田中一村)
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この人たちの中には「信念」「願い」「こだわり」などの自分軸があり、それを自分なりに行動にしている姿が印象的。
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子育てをしていると、目の前のことに一生懸命になりすぎて、何を軸に物事を判断したらいいのかわからなくなる時がある。
そんな時、ふと立ち止まって自分の「信念」「願い」「こだわり」などの自分軸を感じてみる。
それは嬉しい、悲しい、悔しい・・・など、感情が動いた時に現れる。
感情が動くということは、軸からズレたり、合致したり、ふみにじられたりした時にそうなるから。
この本を読んで自分ごととして考えてみると、気づきがあるかもしれません。
あなたの軸は何ですか?
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最後まで読んでいただきありがとうございます -
南極の雪あらしの後で見たペンギンの群。アフリカで出会った砂あらしを待つ少年。北極で暮らすインド人。オーストラリアの牧童たち。沖縄の住民総出の運動会。ふるさとそのものだったおかあさん。四十年余りの映画俳優人生のなか、世界中で出会った「優しい心」たち。誰のなかにもある優しい心のぬくもりを綴るハートフル絵本。
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朴訥とした語りそのままに、旅先で会った人々について語る。それぞれの場所で生きていると思う。
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高倉健の名に惹かれて手に取った
うわっ、この人の文、すごい!
美辞麗句など何もなく、ただ淡々と書いているような気がする
でも人気の映画俳優という上から目線など全くない
その土地の人、動物にまで優しく見つめる
決して同情はしない
唐仁原教久という画家の絵と相まって
童話のようだ
ますます彼が好きになった
もう鬼籍に入られたけど
≪ 生き方が やさしい文に 出ているね ≫ -
自伝的といいますか、いろんな土地で出会った人達とのきらりと輝く10話です。どの話も、高倉健さんのあたたかいまなざしが伝わってまいります。「比叡山の生き仏」と「ふるさとのおかあさん」が特に強く心に迫ってきます!「アカギレが、足にできちょるね。もう寒いところで撮影はしなさんな。会社の人に頼んでみたらどうね。
高倉健 著「南極のペンギン」、2001.2発行です。珠玉の10編のエッセイです。アフリカの少年、北極のインド人、南極のペンギン、ハワイのベトナム料理人、比叡山の生き仏、オーストラリアのホースメン、ふるさとのおかあさん、奄美の画家と少女、ポルトガルの老ショファー、沖縄の運動会。国際色豊かなエッセイですね(^-^) 私が特に好きなのは「比叡山の生き仏」「ふるさとのおかあさん」「奄美の画家と少女」です! -
拍手されるより、拍手するほうが、ずっと心がゆたかになる。
俳優・高倉健によるエッセイ。映画の撮影で世界各地へと行き、そこで人々と触れ合う。
映画の撮影は土地の人からすれば、異世界の人がやってきて、異世界を作り上げてしまうようなものでしょう。では銀幕のスターからは、その土地の人々はどう見えているのでしょう。
出会った人たちをしっかりと見つめる。自分の価値観に照らし合わせて見るのではなく、その人がその土地でどう生きているのかを考える。そこから尊敬や親愛や好奇心が生まれ、心よりの拍手を送る。それは、話を交わした相手にとどまらず、車の中からふと目にした少年や、南極のペンギンにいたるまで、同じように見つめられています。そんな真摯さと優しさに溢れた目から生まれたような文章でした。またそれを包み込む唐仁原教久の温かい挿絵が素敵です。 -
故 高倉健さんのエッセイ集。
撮影のため訪れた外国で出会った人の思い出を淡々と語るような文章です。
唐仁原教久氏の絵本のような挿画が素敵です。
健さんの北極や南極、アフリカなどのエピソードに、その国の人へ思いを馳せて。