あのころ (集英社文庫)

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感想 : 186
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476743

感想・レビュー・書評

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  • 怪しいおじさんから怪しい玩具( ¬ ω ¬ )を買う場面はもう爆笑。八百屋に飛んでってお金盗むのは勇気あるなと思った。さくらももこさんは言葉の表現が独特。(いい意味で)

  • さくらももこさんはやっぱり面白い!
    自分の人生をこんなに面白おかしく語れる人はそうそういないのでは。

    言い回しや表現も独特で、さくらももこさんが先生に「現代に生まれた清少納言」と呼ばれた理由も納得です。(『ひとりずもう(下)』より)

    漫画と同じエピソードだったので既に知っている話ではあったのですが、「まる子」ではなく大人になった「さくらももこ」さんの視点で語られているところが新鮮で面白かったです。

  • 最近ずっとハマっているさくらももこさんの作品。
    「たいのおかしら」に続き購入、読了。

    初期三部作程には及びませんが、本作も十分に面白いかと( ̄∇ ̄)

    個人的に、本作は「ヒロシ」スペシャルだったかな…
    何か、その生き様が妙に憧れるなぁと(笑)

    「『何者』かになりたい」では無く、自然としたスタンスで「『普通』でいること」を覚悟しているというか…
    その潔さに格好良さを感じるのかな…とか思ったり。

    少しでもヒロシに近づけるように、ひとまず次作をAmazonでポチり…(´∀`)

    <印象に残った言葉>
    ・特に感動的なのは父の工作の腕前だ。彼はニンジンの入っていた空きダンボール箱にまずきちんと下紙をはり、その上に人魚の切り絵をほどこして、美しい収納箱を見事に作り上げたのである。貧乏生活から編み出された経済的な創意工夫が見る者の胸を打つ一品だ。(P32)

    ・良きにつけ悪しきにつけ、何か変わったことを見るのが好きな男なのだ。しかも、ただ見るのである。何かを見たことによって、何かを学ぼうなどとは決して思っていない。彼は何を見ても「すげーな」という感想をひとこと言うだけだ。この「すげーな」のために、彼はいろいろ見るのである。(P70)

    ・「だめだ、も〜〜〜っだめだ、まずい、ここは教室じゃないか、おいおいおい、出るなよバカッ」と心で叫びながらの結果であろう。(P74)

    ・さっきは「全部捨ててやる」と豪語していたこの女が、残りは半分の目薬を後生大事にとっておくというのだから開いた口がふさがらない。(P163)

    ・ヒロシにとって今日の家庭訪問は、イチゴを仕入れてきた事と、三十五歳の老け気味の男を見たというだけの出来事にすぎなかったのだ。(P171)

    <内容(「Amazon」より)>
    エッセイ・ファンも漫画ファンも大満足保証付。2秒に一回あなたを襲う笑いの爆弾、遂に登場!!歯切れのいい名調子は、もはや芸術。テーマは待望の「子供時代」。もちろん大爆笑モノ。

  • ‪小学生時代のさくらももこのことがわかるエッセイ集‬。ろくでもないのに賢い‬。勤勉なほうではなかったのだろうけど、小学生時代から感性は豊かだったんだろうなあ‬。自分はこんなにいろいろなことを考えて生きていなかったなあと思う‬

  • 思わず自分の小学生時代と重ねて見てしまう。私もまるこのような一面があったなぁと微笑ましく読んだ。さくらももこさんの思考回路が大好き。

  • 著者の幼稚園や小学校時代の話。
    七五三で着物を着せられてブスッとしていたのと、歳の近い兄弟と喧嘩ばかりしていたのは私も同じ…笑
    「ツチノコ騒動」とかは時代を感じる。

    幼少期のことを良くここまで細かく覚えてるな〜と感心する。

  • 里帰りで、実家にあったものを再読。さすが、文才ありますよねー。一冊でこんなに笑えるものってなかなかないと思う。私も根っからの怠け者なので、ももこのダメっぷりが自分の小さい頃を見ているようで、本当に面白かった。大洪水の話で、父ヒロシを分析してる件が好きでした。この「すげーな」のために、彼はいろいろ見るのである。この「すげーな」が後に活きて、どんどん面白さを増すからさすが。

  • おもしろすぎて一気読みの一冊。朝井リョウさんのエッセイがスキな方は絶対に好きです。なぜなら、雰囲気が近いから。それもそのはず、朝井リョウさんは子供の頃にさくらももこさんのエッセイに衝撃を受け、読み漁ったそう。子供の頃の記憶をどうしてこんなに鮮明に覚えているんだろう。さくらさんの子供時代を追体験しているような感覚を覚えました。他の作品も絶対に読みたいです。
    ●尿意ネタ
    「今!今行けるっ!!」と心の中でトイレ行きを応援したエピソードが複数個あります。特に遠足のときのトイレエピソードは辛かったです。昔は遠足に行った先でトイレがないって・・。何かの罰ゲームですか?行きたくなくなる気持ちがめちゃくちゃわかりました。野外活動のときのトイレが汚いことで萎えていたら怒られますね。ちなみに・・朝井リョウさんのエッセイでは「便意」ネタが登場します。笑

    ●ちいさい「っ」!
    ちびまる子ちゃんの漫画を読んだことのある方は共感できるかもしれませんが、あの漫画には小さい「つ」が多用されているのです。例:あんたなんか知らないよっ 
    なので、この作品でも話し言葉に小さい「つ」が多用されていて、あぁちびまる子ちゃんの世界だ・・と感激しました。

    ●あっ と気がつくような感じがしてエピソードが終わるところがいい
    この感じが伝わるといいのですが、、マラソン大会のエピソードでは、散々笑わせたあとに、その年度だけ?賞状の枚数を減らされるのですが、それに対して「(賞状をもらえるはずだったのにもらえなかった)60人の生徒とその家族から笑顔を奪う/p84」という表現をしており、「鋭い!」と感心させられます。が、そのあとに『今となっては(賞状が)「あぁそうですか」というくらいの価値しかない』という表現に、「確かにそれもそうだな」と気が付かされました。というように、最後に「あっ」と思わされるのです。気付かされるけど、話は終わるからそっと心が動く感じ。ちびまる子ちゃんにも最後に少しだけホロリとする部分ありますよね?そんな感じです。

    ●表紙がすごいのよ
    これ・・さくらももこさんが作ったんだそう。温泉たまご食べて作った、、って作れるのかーい!!センス、才能しか感じなかった。また、口は枝ではありません。ではなにか?それはオマケページにて。

  • このシリーズはやっぱり好き。マラソン大会や、遠足嫌いなどは、「わかる」「わかる」の連発。私も嫌いでした。
    たださくらももこ氏のように鮮明にも覚えてないし、面白くもかけないのだけど。
    しかし、さくらももこ氏のような、子供が自分の子供だったらちょっと、大変だなぁ。。。

  • 子供の頃の思い出をテーマに語ったエッセイ。誰もが経験した子供の頃の出来事を大人の視点で語っているのだが、驚く事に語っている内容は子供のときに感じた感受性のままで、しかもそれが非常に論理的なのが興味深い。
    つまり大人が良かれと思ってやったことが必ずしも子供にとっては嬉しい事ではないことを今の今まで覚えている事がすごい。
    七五三の記念写真が実はうざったくて照れくさかった事、姉妹喧嘩の原因、家庭訪問のときの母親の取り繕った部屋の掃除の顚末などよくもここまで覚えているなぁと感心する。しかもそれが自分の少年時代の心境と実にマッチングしていて心の琴線に触れてくる。

    もっとも驚くのは自分が小学生の時は打算とか公算とか先を読むような考え方は思いもつかず、ただ笑い、怒り、泣いていた直情型の生活を送っていたのに対し、作者はてきやのしょーもないおもちゃなどに対する欲望については忠実ながらも、それ以外は一貫してどこか冷めた視線を備えていることだ。

    今回もっとも面白かったのはマラソン大会の話。嫌いなのに走るのが速いといった矛盾の部分ではなく、自身がマラソンの苦しんでいる最中に競技を終え、笑いながら応援している男子生徒を見て、苦しみから解放された解脱者に例えたところだ。この例えは今まで私も抱いていた心境について正鵠を射た表現でとても気に入った。

    本作ではそれほど顕著ではないが、今回収録されたエッセイの中で時折挟まれるペーソス。これは子供の頃に持っていた何かを失った喪失感に似ている。
    作者の今後のエッセイはこの色合いが濃くなるような気がするし、それこそ私が期待する部分であるのだ。

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著者プロフィール

1986年からマンガ雑誌『りぼん』(集英社)で連載がスタートした「ちびまる子ちゃん」の作者。1990年からはフジTVでアニメ化され、超人気番組となる。『まるむし帳』(集英社)は唯一の詩集。

「2019年 『さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集 ぜんぶ ここに2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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