暗黒童話 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 8718
レビュー : 800
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476958

作品紹介・あらすじ

突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 視点の扱いには納得のいかない部分もあるが、美しい残虐と硝子のような感性が弛まぬ展開に乗って胸を打つ。実に乙一な一冊。

  • 残酷でグロテスクなホラーなのに、繊細な感情、人の繋がりや温かみもある。クライマックスには物語が右葉湾曲して、乙一さんに騙されそうになるが、最後は一見バラバラだったものが繋がって一貫性があったのが良かった。
    物語作家、三木の少女とカラスの話はただの残酷な話の中にも心に訴えるものを感じ、和弥の姉に寄せていただろう気持ちに何か人間的なものを感じた。生き物を、研究者のように冷静に分解し観測する一方で、そんな彼には友達が出来ず、唯一人生でたった一人だった友達が和弥の姉にそっくりだったということを知って、彼女に贈った花や、時計を返そうと引き返したことに納得。
    菜深が変わってからの母親の態度は、まるで野生動物のように、自分の子供だと思えなくなったことから娘を拒否し始めることが印象的だった。
    そんな菜深が犯人を一人で暴きだそうとする姿は、見ていられないほど危なっかしくてハラハラした。結局犯人に見つかってしまいラストはどうなってしまうのかと、最後まで目が離せなかった。

  • グロ半分ミステリ半分せつなさ少々といったところで、乙一フリークとしては少々物足りない感じがしましたが長編としてはうまくまとまっていたと思います。
    立て続けに乙一作品を読んでいたので、後半を過ぎた当たりから展開が読めてきました。乙一をあまり知らない状態で読めば更に楽しめたと思います。

  • 作中作のアイのメモリー、最後が悲しかったです。
    乙一の中でも猟奇的な方なのかな…?
    そういう描写が大好きな方です。人体をどうこうしてるのは別に平気なんだけど、虫嫌いの私としては虫を解体する方が嫌でしたね。
    ごはん食べながら普通に読めるけど、ご飯食べながら読むのを薦めるわけではないという程度の描写。
    短編の名手である乙一の長編ですが、最後の部分で京子を犯人と思わせる描写、ページ数で「フェイクだな」と気が付いてしまったw
    住田くんが犯人だったけど、私の当初の予想は
    本命:潮崎 対抗馬:砂織 大穴:和弥本人
    と言った感じでした(当たってないw)

    あ、あと、この作品の中で一番「その神経が解らなくてうすらコワい」と思った登場人物は、
    電車に手を引かせた、三木の子供の頃の友達です。
    痛みが怖くない子供って怖い。

    トム・ゴドウィンの「冷たい方程式」からの引用がありましたが、手足を切るという発想はなかなか(既に別の方の別の作品でもこの発想は見受けられるようですが、私はこの意見にぶち当たったのが初めてだった)。

  • 黒乙一か白乙一かでいったら完全黒です。ただ、黒く暗黒で残酷でグロいけど、その中に人間の強さ、弱さ、温かさを備えてるのが乙一のすごいところ。ラストの一行には思わず涙。乙一の中でベスト3に入るお気に入りの一冊です。

  • 乙一らしい作品であると思う。
    乙一の切ない話が大好きだけど、こういうダークファンタジーも私が乙一が好きな要因の一つだと思う。
    どこかに違和感を覚える描写があってもそれも乙一作品の魅力の一つであると思う。

  • 主人公の成長していく姿が素晴らしい。乙一で一番好きな一冊。僕はこの本を「白乙一」だと思っています。

  • 寝ぼけたことをいいます。ごめんなさい。

    乙一さんって、ホラー作家だったんですか??

    明らかにホラーな題名、ホラーな表紙、あらすじにもホラー小説とあるのに、
    心温まる不思議ファンタジーを期待して(あらすじ読まずに)作家買いしました。しかし。

    最初の章からこわっっ!!

    コンタクトをうまく入れられず、目薬をうまくさせない私。
    目に異物が入るという状況だけで怖いのに・・・
    挿入話の目ん玉えぐる描写がもう全身で無理です。それだけで怖いです。
    結末も怖っっ

    本編もけっこうグロテスクです。
    左目と記憶を失った女子高生。左目の移植手術をした後、ふとした瞬間に左目が温かくなり、何かをきっかけに過去の目の記憶を呼び起こすようになる。
    左目は、青い屋根の屋敷に、監禁される手足のないひとりの少女、そして事故の映像を見せる。
    彼女は左目の記憶を頼りに、ドナーの住んでいた町を訪れる。。

    単なるホラーでなく、超現象的ファンタジーをまじえるのは乙一さんの作風でしょうが、もう、いいやん、平凡でも。
    私ってば、想像力あまりないくせに、読んでいると情景がぷわっと浮かんできたりして、うぇっ、怖い!
    犯人は意外といえば意外だったが、不思議ホラーすぎて、あまり驚きはなかったかも。。
    記憶をなくした彼女の孤独感がびしびしときてすごかった。

    あ、でもあとがきが面白かった。乙一さんおちゃめ。

  • とても面白い話でした。乙一さんらしいどんでん返しがあり、感動がありました。記憶を無くした少女が移植された左眼に甦る少年の記憶をもとに、事件を終結させる話。この本を読む中で気に入ったシーンや言葉のあるページには印をつけながら読みました。サオリのことを「お姉ちゃん」と呼んだ所がとても好きです。記憶を取り戻すと、記憶を無くした間に得た思い出や抱いた気持ちを失うのではないかと不安になっていた彼女が、記憶を取り戻した時、まるで他人のような彼女を忘れまいと心に誓う最後のシーンでは思わず涙ぐみました。覚えていてよかった。乙一さんの小説は後書きまで読むのですが、その後書きが面白くて笑いました。

  • 面白かった。
    発想や展開はジョジョを連想させる。この人にジョジョを描かせたのは正解だった。
    しっかりミスリードにもだまされてしまって、クライマックスも素晴らしかった。
    でも、後書き読むと、最初の長編で、読んでて恥ずかしいって、それ読んでスゲーって言ってた俺はもっと恥ずかしいよ…この人すげーなーと思った。

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著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

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