暗黒童話 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476958

作品紹介・あらすじ

突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • これは黒"乙一小説と思ったら、黒、そして白へと変化。不思議な読後感が残る。
    (黒"←グロと読みます。※なおなお造語)

    左目を失った記憶喪失の私に眼球が移植されると、他人の“眼球の記憶”が時折見えてくる。
    その目を通して、記憶を失った自分の存在って何だろう?と主人公が悩み考え抜く描写が見事だと思った。
    なんだ…猟奇的な話から、こんなふうに読者を静かに感動に落とすんだ…

    ─自分なのに他人。でも決してそうではないのだ。
    絶対に忘れない。誰よりも強く生きた、あなたのことをいつまでも覚えていよう─

    最後は涙が出た。
    精神を病んだ頃の有耶無耶な感じが、記憶喪失の主人公に重なった。
    あの時の私を決して忘れないよ、あの時の私もまた私なんだ、と思える今を思うと涙が出てきた。
    そんな感じが、なんとなく北村薫著「スキップ」を思わせる。
    私の感想は皆さんとは違うかも…。
    (※参考にしないでください^^;)

    重い物語の後には、お楽しみの乙一氏による“あとがき”。ご本人が語る生き様に、爆笑&ほっこりが来る。
    乙一氏は、薄汚れたジャージを身に付け、ファミレスドリンクバー好きってことで了解!w

    (その他)
    私のブクログ本棚で、著者登録数ベスト5入りしました。乙一さん、おめでとうございますw

    • なおなおさん
      おお!土瓶さんも間もなくベスト5入り?
      私の冊数は土瓶さんと比べ物にならないですよ……。でもとうとうベスト5入りしちゃったよーと嬉しくなりま...
      おお!土瓶さんも間もなくベスト5入り?
      私の冊数は土瓶さんと比べ物にならないですよ……。でもとうとうベスト5入りしちゃったよーと嬉しくなりました。乙一さんにこんな読者もいるとお伝えしたいのですが^^;
      他の名義の本やアンソロジーも登録されたらいいのにーー。
      2023/11/12
    • なおなおさん
      土瓶さん、ランキングから乙一が消えたw
      そして小説のレビューを読み返していたら…
      ほん3さんがいらっしゃらないみたいなの(T_T)
      悲しい…...
      土瓶さん、ランキングから乙一が消えたw
      そして小説のレビューを読み返していたら…
      ほん3さんがいらっしゃらないみたいなの(T_T)
      悲しい…_| ̄|○
      2024/02/06
    • 土瓶さん
      え……。
      ほんとだ。
      ほん3さんが見つけられない。
      (._.)サビシイナ
      え……。
      ほんとだ。
      ほん3さんが見つけられない。
      (._.)サビシイナ
      2024/02/06
  • 最初のアイのメモリーは、過去の童話の名訳を踏襲した様な感じが面白くて、そのままいくのかなと思ったのだけれど。
    眼球を移植手術された少女が、眼球の記憶をたどるホラーミステリーになっている。ホラー意識が高いかな。そのためか、あまりストーリーが入ってこなかった。
    一番面白かったのは、この最初の長編小説のゲラ刷りを、乙一さんが、ファミレスで読みながら、自分の稚拙さに精神崩壊していく様なあとがきでした。

    • おびのりさん
      ゆーき本さん、この小説読みにくかったでしょう。
      あとがきだけで読んじゃって。
      ゆーき本さん、この小説読みにくかったでしょう。
      あとがきだけで読んじゃって。
      2023/04/30
    • 土瓶さん
      「わ、わしの精魂込めた小説が、ハナホジしながら書いたあとがきに劣るだなんて……」
      作者号泣。
      「わ、わしの精魂込めた小説が、ハナホジしながら書いたあとがきに劣るだなんて……」
      作者号泣。
      2023/04/30
    • ゆーき本さん
      乙一さん泣かないで( ´•-•)ノ( ・-・̥ )
      乙一さん泣かないで( ´•-•)ノ( ・-・̥ )
      2023/04/30
  • 乙一さんの長編に挑戦しました。

    はじまりの章「アイのメモリー」は、人間の言葉を覚えたカラスが、眼球のない少女と交流していく話なんですが…
    そのグロテスクなこと!
    早速、読み始めたことを後悔しそうになったけど、自分で“黒乙一”を望んだのだから、絶対に最後まで読もうと思い直す。

    本編に入り、事故で左眼を失った女子高生の“私”が主人公。
    移植手術で死者の眼球の提供を受けた“私”。
    しかしその左眼は、その眼が見てきた風景の“記憶”を映し出す。
    そして“私”は、提供者の住んでいた町を訪れるのだが…

    この先も、グロテスクな場面が度々登場する。
    だけど、そういう怖いだけのストーリーじゃないんです。
    人間の、愛に溢れた優しい物語なの。

    人間の、哀しみや弱さが胸に刺さる。
    なのに、登場人物たちに“強さ”も感じる。
    そんな読みごたえのある作品でした。

    そして、ホラーと言うよりミステリーなのかな?
    という印象です。


    この本は、ほん3さんに紹介してもらいました!
    キョーレツな場面もあったけど、読んで良かったよ。
    ありがとう(´ε` )

    • aoi-soraさん
      ほん3さん、おはようございます!

      読みましたよ〜(≧▽≦)
      怖いというより、グロですねww
      オススメ本じゃなければ、もう目玉の描写...
      ほん3さん、おはようございます!

      読みましたよ〜(≧▽≦)
      怖いというより、グロですねww
      オススメ本じゃなければ、もう目玉の描写の部分で、投げ出したかもですよ。
      アイのメモリーの最後はマジで怖かった〜。
      本当に最後まで読めて良かった!

      次はね、「エムブリヲ奇譚」よ*\0/*
      もう借りてあるから(笑)
      2022/08/19
    • 土瓶さん
      あおいさん、こんばんは~^^
       
      がんばって最後まで読まれたのですね。
      お疲れさまでしたm(__)m
      さあて次は、「エムブリヲ奇譚」...
      あおいさん、こんばんは~^^
       
      がんばって最後まで読まれたのですね。
      お疲れさまでしたm(__)m
      さあて次は、「エムブリヲ奇譚」ですか。
      ホラーあり、しんみりもあり、グロもあり。
      「地獄」に気をつけて。
      寝る前はダメっす!
      2022/08/19
    • aoi-soraさん
      土瓶さん、こんばんは。

      最後まで読んだよ〜(^o^)v
      すごく良いお話。
      途中からはハラハラしながら、先へ先へって感じ。
      なのに...
      土瓶さん、こんばんは。

      最後まで読んだよ〜(^o^)v
      すごく良いお話。
      途中からはハラハラしながら、先へ先へって感じ。
      なのにすぐ、グロいのが出てくるの(*_*)

      あの合体した二人。
      最後に森の中へ消えていく様子は、怖いの超えて、ちょっと笑えたwww

      明日から、エムブリヲ奇譚!!
      とりあえず明るいときに読む!!
      2022/08/20
  • 現実の世界線とホラーの世界線のクロスならまだしも両方ホラーの世界線でクロスさせながら現実味があるというか、鬼才ですね。目玉です。

  • ホラーのお勧めやなかったっけ?
    何かホラーというより、ミステリー色が強いような…
    まぁ、ミステリー好きやしええねんけど。
    ミステリーのつもりで読んでると、体1つに頭2つとか出てきて、あり得んやろ!っと思ってよく考えるとホラーやったわ^^;って感じで1人ツッコミしながら…笑
    要は、両方の要素が上手く絡み合ってる感じ。

    記憶転移ってヤツ?
    移植した人に元の持ち主の記憶が残る。
    死んだ人から目玉を移植され、そこに映る映像に魅せられて…
    (目玉って、そのまま移植できたっけ?というのは別問題。)
    目玉の元の持ち主を殺した犯人探すが…
    ラストはハラハラ!
    最後にどんでん返し(小さめ)ありで、ミステリー要素たっぷりのホラーでした!多少グロいのあるけど、大丈夫で〜す!
    この主人公、不死身にはなってないのかが気になるところ。

  • 突然の事故で記憶と左目を失ってしまった女子高生。左目を移植すると色んな映像がフラッシュバックするようになる…

    独特の世界に引き込まれ読むうちにまるでそれが当たり前の事のように違和感が無くなっていくのが面白い。不思議な世界です。

  • 自分の好みドンピシャの作品でした!!

    グロ要素はあるけど、痛みを感じている描写がないので、気分が悪くなることはなかったです!

    ミステリー?サスペンス?要素も強く、ハラハラ感がとてもよかったです!伏線もしっかりと回収され、オチも素晴らしかったです!

    グロ部分は難しいけど、映画化されてもいいぐらい良い作品でした!

  • 読むの止められない
    一気読みしちゃった

    鴉だーーーいすき

    終わり方も良かった。
    潮崎が…悲しい…

  •  乙一さん初期の長編作品。グロ系苦手な方にはお勧めしない。事故で左眼を失った少女・菜深がショックで記憶も失くしてしまい、事故前の彼女とは性格が別人のようになってしまう。皆から愛されていた菜深が周りに失望され、孤独になっていく様が辛い。乙一さん作品では孤独な主人公が多く、読者が見ていられなくなるような気持ちにさせられるほど孤立状態の描写が巧い。
     移植された眼球が観せるドナーの記憶と行方不明の女子中学生監禁事件の謎や、グロテスクなホラー描写に加え白乙一さん要素もあるが、気持ち悪さが強いのであまり好きではない。

  • ホラーとミステリーの融合って感じで
    グロさ8割、ミステリー少々、残りホラー?ファンタジー?という不思議な世界観が面白かった。

    鴉の話も怖いけど最後は切ないし、現実的じゃない話なのにゾッとさせられる感じ
    すごい、記憶に残る一冊。
    グロさすごくて本だからこそできる世界。
    引き込まれたー

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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