堕ちていく僕たち (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.07
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本棚登録 : 937
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476989

作品紹介・あらすじ

ある日突然、男が女に、女が男に変わったら…?神出鬼没の摩訶不思議なインスタント・ラーメンが巻き起こすミステリアスな五つの物語。生まれてからずっと男でいつづけるのも、女で一生終わるのも、人間ってけっこう楽じゃない。性に悩めるあなたも、悩んだことなんて全然ないあなたも、さあ、そんな綱渡りのような固定観念を捨てて、性差の呪縛ものりこえて、新しい自由な世界へようこそ。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わると、レビューの大半が☆3つなことがなんとなく分かる。

    今まで読んできた中で一番癖のある小説だったと思う。
    一人称でとりとめのない思考をひたすら書くという文体は苦手で(キャラクターにもよるだろうけれど)全部読めるか不安だったが、3話目くらいから慣れてきたのと、文体が変わってきたので助かった。

    変わったストーリー展開で、変わったオチ。
    変わってるな、と思う気持ちはぬぐえないけれど、それなりに引き込まれて、それなりに楽しめたと思う。

    本当に感想書くのが難しい本だ。

  • 最初は、なんだこれ?
    と思いながら読んでるんだけど、読み進めていくうちに妙にはまっていってしまう面白さがある。
    得体の知れないインスタントラーメン食べるって、よくある話なの?
    話が繋がっていたり、順番に読むからこそのドキドキもあってよかった。
    サトエリの解説も多少、??と思うけどなんとなく府に落ちてしまう感じ、ふしぎです。

  • 男が女に変わり女が男に変わる摩訶不思議なインスタントラーメンを巡る話が五編収められた短編集。性別って大事な要素な気がするけれど、本当の自分が分かってさえいればたとえ性別が変わってもそこまで問題ではないんだよね。

  • 一貫した一人の人間である制約などほとんどなく、私は誰でもなくていいのかもしれないと思ったときに読み返したくなる小説。金子國義の装画が内容にぴったりすぎてびっくりする。本作では越境を書いているので装画の人物の性別を議論するのは無意味だ。
    読んでいると私はいつもマリオネットを連想してしまう。どちらでもない僕たちは全能なる者に用意された意識と体で何者かを演じているだけ。手のひらの上で踊らされているだけ。墜落落下下降したって地面に足を付けることはない。また浮上して現実に戻っていくのだ。匿名希望のリクエストをどうぞ。

  • 『孤独が唯一の友達だよって、
    まるで難解なジャズを聴くように、
    自由に憧れて、
    自由を愛して。』

    『誰なんだろう、僕って。
    思わない?

    それでも、こうして生きているんだし。
    生きているみたいに、見えるんだし。
    それで、良いかって、

    思わない?』

    『自分が飼っていた子犬とかが死んだのよりも、悲しくない。つまり、モッチャンは自分で考えて、自分の人生に幕を引いたんだ。そう考えれば、サイナラって軽く声をかけてあげた方が、私らしいってこと。』

    『死んだ人って、みんな誰でも、死にながらびっくりしただろうね。「うわ、私、死んだわ」なんてさ。そりゃ、驚くよぅ、普通。だってねぇ、今までに一度も死んだことないわけじゃん。たいていのことじゃ動じない私だって、さすがにびっくりしたもんなぁ。』

    『その夜は、お食事を奢ってもらったのだな、はは。そいでもって、もう、あとは、とんとん拍子、ばんばんリズムの、どんどんドラムで、びんびんベースだよね。』

    『そんなもん、模型の話ができる美人なんていったらさ、超能力者も同然なんだから、この世界じゃさ。女子プロゴルファが少々ごっつくっても綺麗に見えるのの比じゃないってことよ。』

    『人の趣味は様々で、その関心がどのような対象へ向けられようと、それは基本的に自由であるはず。一線を越えない自制心があるかないかだけが、正常と異常を分ける唯一のものだ。』

  • 食べたら性別が入れ替わる摩訶不思議なインスタントラーメン。性を超越した裸の自分に対面した彼らは、ある者は歓喜し、ある者は悲観する。
    ミステリィ要素はなし。

  • 突然からだが性転換。
    水柿くんくらいの調子。読みにくい。
    ラーメン食べたくなった。C0193

  • 佐藤江利子の解説が妙というか、全然頭に入ってこなかったんですけれども…それはともかくとして今回もアレですね、森氏の小説は解説の佐藤氏もおっしゃっていたように非情に淡々としているんですなぁ…感情が無い、というか、欠けているというか、そんな印象を受けました。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    男女の性別が入れ替わる…そのアイディアだけでこれだけの短編を書けるものなんですね! 個人的には隣室の男の子をストーカーじゃないけれども、見張っているみたいな話が好きでしたかねぇ…何故だかそそられました。

    他には…まあ、一応ミステリなんですかね? 男女が入れ替わるといった設定で最後まで進んでいって最後にオチらしきオチはあったような無いような気がしているんですけれども…

    まあ、森氏の小説は基本、その雰囲気を楽しめばいいんですね! おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • わっはっは狂ってる

  • 連作短編集。題材としてはよくある話だが、かなりひねりが効いていて面白い。但し、文章が散文的で自分としては読みにくいと感じた。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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