- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087477016
感想・レビュー・書評
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「野口健」が自身の半生を熱く語る『100万回のコンチクショー』を読みました。
「野口健」の作品は昨年の3月に読んだ『確かに生きる―10代へのメッセージ』以来ですね。
-----story-------------
怒りは僕の原点だ。
冒険家「野口健」の挑戦!
'99年当時、世界7大陸最高峰最年少登頂記録を樹立し、エベレスト清掃登山、環境問題と新たな挑戦を続けている著者。
行動の原点は「怒り」だった。その軌跡と熱いメッセージ!
「日本の経済は一流だが、マナーは三流だな」世界最高峰エベレスト、標高6600メートルのベースキャンプに散乱する日本隊のゴミを前に、海外の登山家から浴びせられた一言。
コンチクショー!
必ずこのゴミの山をきれいに掃除してやるぞ―怒りが僕の原点だ。
4年間で約8トンのゴミを回収したエベレスト清掃活動や、富士山清掃登山など、環境問題に真っ向から立ち向かう著者の闘いの日々。
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本書は以下の5章で構成されています。
■第1章 冒険の意味
■第2章 少年時代
■第3章 迷い道
■第4章 家族の仕事
■第5章 タブーへの挑戦
「野口健」作品は、これまでに『落ちこぼれてエベレスト』、『確かに生きる―10代へのメッセージ』を読んだことがあるので重複する内容が多かったのですが、、、
エベレスト清掃登山や富士山清掃登山等の環境問題への取り組みは、前作よりも詳しく紹介してあり、新鮮な感じがしましたね。
富士山には登ったことがないし、エベレストについては見る機会もないでしょうが、多くのゴミが残されていることは、正直、ショックでした。
環境意識の違いからか… 欧州諸国とアジア諸国では、大きく意識が違うということも語られていましたが、とても残念なこと、、
ゴミを残さないことは、登山者一人ひとりの自覚を高めるのがイチバンだと思うし、自分達の軽登山でも意識したいことですね。
後半では、何かに挑戦した際、失敗を許さない日本の文化、体質について触れられていますが、これには強く共感、、、
「失敗は成功の母」という諺がありますが、それは理想であって、失敗を恥じたり、嫌ったりする傾向が強く、失敗したことを許容してもらうことが、実際には難しい… 成功か失敗かの二者択一になっている感じがします。
成功と失敗の間を広く持つことが必要なんだと思いますね。
本書で印象に残った言葉を幾つか紹介しておきます。
「植村直己」が、マッキンリーで亡くなる前にアメリカの野外学校で子どもたちに話した言葉の最後の一文、、、
「その気になれば、なんでもできる」
イイ言葉だなぁ。
「三島由紀夫」の檄文の一部、、、
「われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見ていなければならなかった。」
日本への強い愛情が感じられますね。
そして、「野口健」が本書の最後で締めくくった力強い言葉、、、
「植村さん、あなたの夢を僕に託してください」
なんだか感動できるひと言でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
より、山好きになった本。生き方が前向きになる本。
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大好きな本!!!!!大好きすぎる本!!!!!いまの時点で、今年一番影響を受けた本。ひとつひとつの言葉が音を立てて胸に突き刺さる。特に、冒険の話と責任と自由の話ははっとした。野口さんの生き方に憧れるし、言葉がつくりものじゃないから、野口さんの思いとか経験とかがまっすぐにこっちに向かってくる。言葉って、生ものなんだなーって実感した。
自分の名前が肩書きになるような生き方がしたい。
どこに所属するかじゃない。
いろいろな生き方、
どんなふうに生きていこうか。 -
どこまでも正直な人の野口さん。壁にぶつかっても、ぶつかっても乗り越える強さを見習いたい。
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何事も、誰かが始めなければ始まらないのだなあ。しかも命懸けだ。2009/10/11 読了。
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世界最年少で、七大陸最高峰を制覇した野口さんはエべレストを登山した時に、海外の登山家から、日本隊のゴミマナーの悪さを指摘され、「コンチクショー、必ずこのゴミをきれいにするぞ」と奮起する。 その後、日本山岳会のバッシングにあいながらもスポンサーを探し、資金を集め、4年間で、8トンのゴミを回収する。 標高8000メートルでの清掃活動は、想像以上の過酷な仕事で、彼自身も体を壊し、シェルパもその後遺症で3人亡くなっている。その後、シェルパの人権を取り戻すために、シェルパ基金を設立したり、日本の子供たちのための環境学校を作ったり、精力的に活動を続けている。 彼のこの熱い生き方、血は、彼の両親からうけついだものだ。「怒りが僕の原点だ」と彼はいうが、子供のころ、荒れていて落ちこぼれていたそのエネルギーを、現在は上昇エネルギーに変えて、おおげさでなく、本当に地球のために活動している。 ちょっと、あなた、ぼ〜っとしていいの?といわれているような気分だ。ゴミを出すだけ、水は使い放題。 ボランティアはなかなかできなくても、自分の出すゴミは少なくしよう。いらない包装は断るとか、スーパーに袋を持っていくとか、はじめてみますか・・・。
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世界最年少で、七大陸最高峰を制覇した野口さんは
エべレストを登山した時に、
海外の登山家から、日本隊のゴミマナーの悪さを指摘され、
「コンチクショー、必ずこのゴミをきれいにするぞ」
と奮起する。
その後、日本山岳会のバッシングにあいながらも
スポンサーを探し、資金を集め、
4年間で、8トンのゴミを回収する。
標高8000メートルでの清掃活動は、想像以上の過酷な仕事で、
彼自身も体を壊し、シェルパもその後遺症で3人亡くなっている。
その後、シェルパの人権を取り戻すために、
シェルパ基金を設立したり、
日本の子供たちのための環境学校を作ったり、
精力的に活動を続けている。
彼のこの熱い生き方、血は、彼の両親からうけついだものだ。
「怒りが僕の原点だ」と彼はいうが、
子供のころ、荒れていて落ちこぼれていたそのエネルギーを、
現在は上昇エネルギーに変えて、
おおげさでなく、本当に地球のために活動している。
ちょっと、あなた、ぼ〜っとしていいの?
といわれているような気分だ。
ゴミを出すだけ、
水は使い放題。
ボランティアはなかなかできなくても、
自分の出すゴミは少なくしよう。
いらない包装は断るとか、
スーパーに袋を持っていくとか、
はじめてみますか・・・。