ホテルカクタス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 3030
レビュー : 312
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477092

作品紹介・あらすじ

街はずれにある古びた石造りのアパート「ホテル カクタス」。その三階の一角には帽子が、二階の一角にはきゅうりが、一階の一角には数字の2が住んでいました。三人はあるきっかけで友達になり、可笑しくてすこし哀しい日々が、穏やかに過ぎて行きました…。メルヘンのスタイルで「日常」を描き、生きることの本質をみつめた、不思議でせつない物語。画家・佐々木敦子との傑作コラボレーション。

感想・レビュー・書評

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  • ホテルを題材にした作品は、小説に限らず好きなのですが、これはホテルではなく、アパートの話でした。

    性格も趣味も違う3人(?)、帽子ときゅうりと数字の2が友達になるお話。
    お互いを羨ましく思ったり、変だと思ったり…。

    何だかもの哀しい感じがするのは、挿絵のせいかもしれません。人気のない螺旋階段。
    でも、物語は、はじまりがあれば、終わりもあります。別れがくれば、出会いを懐かしく想うものです。

    こういう雰囲気、結構好きです。

  • 静かな仲の良さがよかった
    解説が高橋源一郎さんだった、興味深かった

  • 高校三年生の時に出会った超絶シュールな愛すべき小説。登場人物は、家族思いで筋肉馬鹿のきゅうり、心配性で神経質な数字の2、とにかく自由気ままな帽子。ホテルカクタスで出会った不思議な3人のおかしな日常と、最後に訪れる悲しい別れのストーリー。
    ものすごく個人的だけれど、かなり落ち込んでいた高校時代、これを読んでとても救われた。登場人物3人が私の大好きな人たちと酷似していたからで、図書館で読みながら、一人で声を出して笑ってしまった。当の友人たちに読ませると、きゅうり似はきゅうりのように、2似は2らしく、帽子似は帽子然として感想を話してくれた。それがまた面白かった。卒業してから、やっぱり小説と同様に、3人と私は離れ離れになってしまった。一番忘れられない読書体験。

  • どうにも内容が頭に入ってきませんでした。すみません。
    帽子やきゅうりや数字の2が人間のように暮らしている。

    まあ、いいんです。
    人間でないものが人間のように暮らしていても。
    でも、きゅうりがね…。

    筋トレが趣味なんです。
    よく日に焼けて濃緑色をしたきゅうりが筋トレなんかしたら、ぽっきりと折れて瑞々しい白を晒すことになりやしないかと心配で心配で…。

    で、お酒のつまみに枝豆を茹でるんですよ、きゅうりが。
    実家は農家で、畑で野菜を作っているんですよ、きゅうりが。

    それって、グーフィーは友だちなのにプルートはペットという理不尽と同じ匂いがするじゃあありませんか。

    そんなどうでもいいことが引っ掛かってしまい、内容が頭に入ってきませんでした。すまねえ。

  • 童話のようなお話。

    ホテル カクタスという名のアパートに住む三人の日々を綴るお話。

    不思議な登場人?物。
    ・きゅうり (身も心も真っ直ぐでパキッとしている。おおらかで素直。)
    ・数字の2 (思慮深く、割り切れないことが苦手。)
    ・帽子 (読書家で流離のハードボイルド(自称)。)


    読み始めた瞬間、「人じゃないの!?」というワクワクする驚き。

    メルヘンチックな外見?に驚きつつも、それぞれを表す性格がきちんと当てはままっていてどんどん物語に引き込まれていきました。

    個性が絡み合って、すれ違ったり、ぶつかったりしながら友情を深めていく、生活していく、優しいお話です。
    ただ、油断していると不意に切なさもやってきます。

    お互いが知らぬ間に心が繋がっていくこと。
    その素敵さを改めて感じました。

    黒猫も幸せでありますように。

  • ホテルカクタスというアパートに住む3人の男の話。

    童話みたいなお話だった。
    なにも考えたくない時はこれを読もうと思った。
    すごく和みます。

  • 帽子もきゅうりも数字の2も、みんなだーいすき。
    ここに住んだら、毎日新鮮なグレープフルーツジュースを搾って、きゅうりと一緒に詩人ごっこをするの。
    お休みの日には帽子を株って競馬に行く。
    みんなを戸惑わせないように、音を立てない靴で過ごすの。

  • 「ホテル カクタス」と言う変わった名前のアパートに住む、数字の2ときゅうりと帽子のお話。

    今回文庫になったので読んでみた。ハードカバーは買う気になれなかったので。

    上手く言えないけど、読み方によって評価の分かれる話だと思う。
    登場人物(?)が人間じゃないっていう、一風変わった小説なので、受け付けない人もいるだろう。
    でも、「2」や「きゅうり」や「帽子」の気持ちや感性には共感出来る部分も多くて、そこを汲み取れたら面白いと感じるのかも。

  • 読書会の課題で読んだんですけど、この作品はかなり好きです。とても人間ではないものたちが描かれているんですけど、とても人間が描かれていると思います。それも、人間というよりも、人間と人間の間にあるものが、(それこそ「人間」なのかもしれませんが)よく描かれていると思います。ところどころ泣けます。しかし読書会のみんなは泣かなかったそうです。僕がキュウリだからなのか、みんなが帽子だからなのかは分かりません。人間はなかなか割り切れるものではありません。

  • 数字の2やら帽子やらきゅうりといった登場人物が出てきて、その世界観に一瞬??となるのだけれど、それぞれが絶妙な性格の持ち主なので、そこで「クスッ」と笑えたり「へー!ほー!」と思える妙に納得する感覚を覚えて癖になった!

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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