邪悪な花鳥風月 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.10
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本棚登録 : 182
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477290

感想・レビュー・書評

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  • これは有吉反省会で著者を見て気になって買ったやつだ。あの猫のコスプレで「黒アワビ!」って言ってる姿を見て完全に侮っていた。しかししかし、読んでみるとなかなか面白いではないか。変質ぶり、妄執ぶりはあのまんま想像通りだけど、文章はさすがにプロ作家のそれだった。主人公もおそらく自分を描いているのではないかと思わせる。

    ウィークリーマンションに缶詰の女流作家。その窓から見えるしがない安普請のアパートの住人を主人公にした物語を花鳥風月の四編紡いでいく。もちろん妄想の生活を。そして最後は…嫌いじゃない、いや好きかも。

  • 私は、美貌も才能も、お金も、そして幸せな家庭だって持っている。なんだって持っている。そんな私は、カンヅメになっているマンションからみえる小さなアパートの住人をモデルに小説を執筆する。妄想とも言える内容を含んだそれらは、妖しさを孕んでいた。 おどろおどろしい内容の小説が四編。いずれも執筆者である馬場弘恵が眼下のアパートに住む女住人達をモデルに書いた小説である。話のはじめと終わりに馬場弘恵と担当三浦のやり取りが挟まれるが、影はあるが正常だったやり取りに異様さが少しずつ挿入されていく。

  • タイトルと表紙…ジャケ買いでした笑
    名前の通り邪悪な空想4つの短編集です。それぞれ花鳥風月の一文字が入るタイトルで、解説を読むとなるほど感あります。特に「いずれ檸檬は月になり」が凄いです…ホントに狂ってます

  • 岩井志麻子の邪悪な花鳥風月を読みました。

    ウィークリーマンションに缶詰になっている女性作家が妄想の限りを尽くして妖気と腐臭ただよう物語を紡ぎ出していきます。
    読んでいてちょっと違和感があったのですが、エンディングを読んでなるほどと思ったのでした。

    konnok的には岩井志麻子は妄想の中の物語より現実世界で起きた事件を描いた小説のほうが怖くて好きだなと思いました。

  • 花鳥風月にちなんだ四編からなるお話。

    「花」「鳥」はテンポ良くおもしろかった。
    特に「花」の主人公によく似たとってもとっても嫌な人物を知っているので小気味よかった。
    ラ行がダ行になる発音も好き。
    文章で読むと愛嬌があるけど、実際よく思わない人が言うとイライラしそう笑

    「月」はファンタジー?なシーンが淡々と過ぎて行くので飽きが来る。
    正直途中で読むのやめようかと思ったほど…

  • ねっとりとした妄想描写が最高でした。
    となりのアパートに住んでる人達を妄想して、短編にしていく・・・妄想してる作家のオチの気持ち悪さも良かった。女の嫉妬、意地汚さの底の部分が志麻子って感じで読んでると私も少し薄汚れた女になった感じがします。
    女と女の心理的な絡みが個人的に好きです。

  • この人の書く話は
    奇妙奇天烈って感じで
    大好きです。
    日本語を最大限に活用して
    面白く使って書いてくれている気がする。

    不気味な描写というより雰囲気を
    書いてくれてて
    話の設定も面白かった。

  • 女の厭な部分が凝縮された話で、その文章の端々に織り込まれた虚しさが素敵でした。

  •  岩井志麻子ファンとしては一気に数冊まとめて読みたいのだが、ぐっとこらえて1冊づつ期間を開けて読みすすめる。理由は単にもったいないから。本書は岡山弁の語り口調を封印しての、現代小説風な仕上りになっている。出来不出来などは超越したところにファンたる所以があるのだから、あえて何も申すまい。

  • 迫り来る岩井志麻子。ってかんじが凄い。

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著者プロフィール

岩井志麻子 (いわい・しまこ)

岡山県生まれ。1999年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞。怪談実話集としての著書に「現代百物語」シリーズ、『忌まわ昔』など。共著に『凶鳴怪談』『凶鳴怪談 呪憶』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 死相』など。

「2023年 『実話怪談 恐の家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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