曼荼羅道 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 119
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477634

感想・レビュー・書評

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  • 富山の薬売り。いく先々の家に、薬箱をおいてもらい、使った分のお代をいただいて、新しい薬を補充していく。そんなあらかたなことは知ってはいるが、実際は、どうだったのか? 台帳をめぐって、南国の島まで、足を延ばした商売がうかびあがってくる。綿密に資料にあたった作品である。ただ、そのありかたと想像的展開は上手く繋がっていない。ある種の読み取りにくさを感じる。旅という異空間の上に、もうひとつ異空間が重なって、物語の輪郭が漠然と拡がっている。もしくは、資料の裏付けのある部分と、物語がせめぎあう。どちらかに軸足をおくと、もう一方が読み取れてない。そんな印象を読み手としてはもつ。

  • f.2021/9/30
    p.2004/12/18

  • P502

  • まあなんだか色々満載で感想とかを文章化しにくい感じの本なんだけど、なんか読んでると空気の密度が濃くなるようなパワーに満ちた話だった。

  • 家業の薬売りを手伝う為に富山に戻った麻史と妻静香。一冊の台帳から、曼荼羅道で不思議な祖父の連太郎やマレイでの妻サヤたちと不思議なかかわりを持つことになる。
    戦時中・戦後を生きてきた人々にとって、現代の人々は「立ちて枯れる病」のようなものなのかもしれない。そして、そのことが目を瞑ったまま生きている麻史を曼荼羅道に引き寄せたのだろうか?
    あまり好みではないのかフィーリングが合わなかったのか、あまり面白く無かった。

  • 曼荼羅道を探しに行くといって出て行ったまま行方不明になった麻史と静佳。
    戦局が厳しくなりまた戻るといったまま日本に帰国した蓮太郎とサヤ。
    歴史を超えたストーリーに、楽しく読めた。

    12/03/22-35

  • 図書館で借りた本。
    これを、ミステリと分類しても良いものか迷うところですが、あえて分類するなら・・・ということで『ミステリ』ジャンルに登録しました。

    坂東眞砂子さんの本は、『死国』から読んでいます。毎回、人の心の醜い部分をこれでもか、と抉り出されているような気持ちになります。なので、、読んだ後、なんとも言えない気持ちになるし、何冊も続けて読むことはできない。それでも読んでしまうのは、自分に同じような感情があるからかもしれません。

    私の祖父も戦争に行きました。そして、片目を失いました。
    戦争は綺麗事では語ることはできないし、祖父も決して多くを語りません。理想を持って、国のために出征しても、1人1人は個性のある人間である限り、そこにはたくさんの感情が生まれているはずです。
    ミステリ?ホラー?という気持ちで読んでいましたが、最後はなんとも戦争での心の傷跡について、考えさせられました。

  • 地獄へ続く生者と死者の狭間道、坂東さんの作品は読後に疲れる(笑)
    「狗神」「死国」でホラーブームに乗った彼女、僕としては2作品で、もういいやだったんですが・・「旅涯ての地」で見直して、読み続けています。
    この「曼荼羅道」は、不可思議な異次元世界とか時を越えた体験とか幻想、SFっぽい面より戦中、戦後の描写に重点を置き、アジアでの日本軍の横暴、従軍慰安婦問題、敗戦後に掌を返した国民性、坂東さんは情と性を突き放して書いてる気がします。読者の目を意識しながらも、媚びていませんね。
    しかし・・この作品は入り組み過ぎて・・異次元人物の正体に見落としがありそうな。。読み返す気はないですけど(^^;)

  • 第15回柴田錬三郎賞受賞作。
    薬売りの家族の過去と現在が,曼荼羅道で交錯する。
    言いたいことはわかるが,設定に無理がありすぎて,いまいち。
    人が生きていくとは同じことの繰り返しでしかない。
    現実に目を背けるのではなく,理解しなくてはいけないのだと思う。

  • 05/01/11

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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